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アシノ領主のお仕事【サザレ村へ】
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ゼンは、そんなウルテアに苦笑いをしながら煙を吐き、ガルダンへ目を向けた。
「それだけなら、まだいいさ、それにこれさ」
そう言いながらガルダンは、腰元から30cm程の鍔の着いた丸い黒い棒を取り出した。
「この先端に火聖石を細かくしたのを散りばめられてんるんだがそれで火を起こしやすく作られているんだ。コイツが1番凄いのは、魔術が使えなくても使えるところだよ」
ガルダンは、そう言うと棒に意識を集中させ先端が赤く光始めると火が灯った。
「魔術使わなくてもですか?ガルダンさん魔術使えるんじゃないんですか!?」
今度は、本当に驚いたのだろう、ウルテアは目を丸まるとしながら黒い丸い棒に目を奪われていた。
「使えねぇよ、俺が出来るのは鍛治だけだ、だけどコイツは使える、お陰で仕事が捗るんだが、これを作ったのもコイツなんだよな」
ガルダンは、そう言いながらゼンを指差し、ゼンは吸い終わったパイプタバコを鞄にしまいながら首を横に傾けた。
「それは、魔術関係ないですからね、ルンの関連の話ですし」
そんなガルダンの説明に口を挟んだのは、サウラだった。
「それは魔術とどう違うんですか?」
ウルテアがそう聞くとサウラは、どう答えたら良いのか分からなくなったのかマジマジとゼンの方へ目を向けた。
ゼンは片眉を上げたがサウラはどう応えたら良いのかわからないのか目を泳がせるだけだった。
「簡単に言えばルンってのは、精神力みたいなもんなんだよ」
「精神力?」
「そう、経験ないかな、夢中になってていつも以上の力を発揮した事とか?」
「あぁあります。あのバルディシュの時に村を守らないと思ったらアイツの頭を抑え付けれましたから」
「頭を抑えつけた!?じゃあなに?お前の傷ってその時に出来たのか?」
「はい、抑えつけたのは、良かったんですけど角はさすがに防ぎきれなかったんですよね~、あの角がなければ首は、へし折れた思うんですよね」
つまり、ある意味ではウルテアの傷は自爆行為の末と言えるが、例えそうでもあの巨体を少しの間とは、いえ抑えつけたのは凄い。
ゼンは、そう思いながら隣で馬に跨る茶髪の女性をマジマジと見てしまった。
「それでそのルンがどう関係あるんですか?」
「そのルン、まぁ精神力を具現が発現させるのが魔術って呼ばれる代物なんだ」
「つまり、みんな使おうと思えば魔術を使えるんですか?」
「いや、そういう訳でもないんだ。ルンを実体化させるには、各エレメントのアルカナに触れないとならないんだけど…そうさな~」
そう言うと、ゼンは手を高く上げた。
「例えば俺が今手を挙げたよな?」
「はい」
「これがどうして出来るかって考えたことがあるか?」
「へっ?」
ゼンの問いにウルテアは無防備な表情を浮かべて呆然としてしまった。
応えは、聞かずともわかる。NOだ。
「俺達の体には大地をめぐり潤す川の様に血を全身に巡らせる血管って言うのが走っている、そしてそれと同じ様に俺達が体を動かす為に神経って言うものもまた全身を走っている」
「神経…?」
「ウルテアは、牛とかの解体とかはした事ないか?」
「あります」
「その時に白い線みたいのを見た事ないか?」
そう言われるとウルテアはしばらく考えた後に少し頷いた。
「あります、あります!」
「それが大まかに言えば神経ってやつだ、それが頭から送られる体を動かせっと言う命令を聞いて、体が動くんだ、ここまではいいか?」
ウルテアの瞳に徐々に好奇心の光が差してくる。
「これはあくまで体とかこの木や動物達なんかの物理的な世界の話なんだが、それと全く同じ様に目に見えないけど確実に存在している世界、精神世界にも同じ様な世界があるんだ」
ウルテアはゼンの言葉に聴き入り何度も頷いた。
「そこでは、自分達の精神体、まぁ物理で言う肉体を魂と呼んで、神経や血をルンと呼んでいるんだ」
「肉体がそうならこの土や草、馬とかはどうなるのですか?」
「馬や動物達は、人間と同じ様に魂やルンと呼んでいるが大地とかは、その元素、エレメントに分けられるが、その世界を構成しているのをマナと呼んでいる」
「マナ?」
「そう、マナ、生命の息吹とも言われているが、俺達人間と同じ様にこの大地も海も森も生きているんだ、そしてそんな自然が出す力をマナと呼んでいる」
ゼンの言葉にウルテアは、不思議そうな顔でそっと地面とそこら中に生えている草花に目を向けた。
「しかし、マナとルンは、同じ様で全く違うモノなんだ、本当ならそれを使うのは無理だ」
「でも、その力で魔術は、使われるんですよね?」
「その通り、マナとルン、それを繋ぐ為にはもう一つの要素が必要になる、それがアルカナだ」
「アルカナ?」
「これは、簡単に言えば紐かな、俺達と世界を繋げる紐でその紐を手に取れるか取れないかで魔術が使えるか使えないかがわかるのかな」
ゼンの講釈が終わりを告げるとウルテアは苦笑いを零した。
「とても、難しい世界なんですね」
「まぁね、実際こう説明してる俺達ですら全てを理解してるわけじゃないしね」
「そうなんですか?」
ウルテアの言葉にゼンは、迷うこと無く頷き、サウラに目を向けた。
「何ですか?」
サウラはそんな視線を受けながらもあっけらかんっと応え、ゼンは苦笑いをした。
「本来俺達もそれを頭で考えてやってるんじゃなくて感覚的にやってる。それをどうにかこうにか説明してみたけど、これも正解なのか正直分からないからね」
そう言うとウルテアは、不思議そうな顔でゼンを見た。
「でも、この棒作りましたよね?」
「それは、まぁ大まかなにこういう原理かもって考えて実験的に作ってたまたま成功しただけだからね」
ゼンがそう言うとガルダンは、特大のため息を吐いた。
「それをサラりとやるから、お前はスゲェんだろ?」
ガルダンにそう言われるとゼンは、肩を竦めた。
「親方にそう言われるとは、光栄ですけど。それでも鍛治の能力は、全然追いつけないのがこっちからするととても歯痒いんですけどね」
「バァーロ、そこまで負けてたまるかってんだよ」
そう言うとガルダンは、豪快に笑い。
ゼンは、小さな溜め息を漏らしながら苦笑した。
「それだけなら、まだいいさ、それにこれさ」
そう言いながらガルダンは、腰元から30cm程の鍔の着いた丸い黒い棒を取り出した。
「この先端に火聖石を細かくしたのを散りばめられてんるんだがそれで火を起こしやすく作られているんだ。コイツが1番凄いのは、魔術が使えなくても使えるところだよ」
ガルダンは、そう言うと棒に意識を集中させ先端が赤く光始めると火が灯った。
「魔術使わなくてもですか?ガルダンさん魔術使えるんじゃないんですか!?」
今度は、本当に驚いたのだろう、ウルテアは目を丸まるとしながら黒い丸い棒に目を奪われていた。
「使えねぇよ、俺が出来るのは鍛治だけだ、だけどコイツは使える、お陰で仕事が捗るんだが、これを作ったのもコイツなんだよな」
ガルダンは、そう言いながらゼンを指差し、ゼンは吸い終わったパイプタバコを鞄にしまいながら首を横に傾けた。
「それは、魔術関係ないですからね、ルンの関連の話ですし」
そんなガルダンの説明に口を挟んだのは、サウラだった。
「それは魔術とどう違うんですか?」
ウルテアがそう聞くとサウラは、どう答えたら良いのか分からなくなったのかマジマジとゼンの方へ目を向けた。
ゼンは片眉を上げたがサウラはどう応えたら良いのかわからないのか目を泳がせるだけだった。
「簡単に言えばルンってのは、精神力みたいなもんなんだよ」
「精神力?」
「そう、経験ないかな、夢中になってていつも以上の力を発揮した事とか?」
「あぁあります。あのバルディシュの時に村を守らないと思ったらアイツの頭を抑え付けれましたから」
「頭を抑えつけた!?じゃあなに?お前の傷ってその時に出来たのか?」
「はい、抑えつけたのは、良かったんですけど角はさすがに防ぎきれなかったんですよね~、あの角がなければ首は、へし折れた思うんですよね」
つまり、ある意味ではウルテアの傷は自爆行為の末と言えるが、例えそうでもあの巨体を少しの間とは、いえ抑えつけたのは凄い。
ゼンは、そう思いながら隣で馬に跨る茶髪の女性をマジマジと見てしまった。
「それでそのルンがどう関係あるんですか?」
「そのルン、まぁ精神力を具現が発現させるのが魔術って呼ばれる代物なんだ」
「つまり、みんな使おうと思えば魔術を使えるんですか?」
「いや、そういう訳でもないんだ。ルンを実体化させるには、各エレメントのアルカナに触れないとならないんだけど…そうさな~」
そう言うと、ゼンは手を高く上げた。
「例えば俺が今手を挙げたよな?」
「はい」
「これがどうして出来るかって考えたことがあるか?」
「へっ?」
ゼンの問いにウルテアは無防備な表情を浮かべて呆然としてしまった。
応えは、聞かずともわかる。NOだ。
「俺達の体には大地をめぐり潤す川の様に血を全身に巡らせる血管って言うのが走っている、そしてそれと同じ様に俺達が体を動かす為に神経って言うものもまた全身を走っている」
「神経…?」
「ウルテアは、牛とかの解体とかはした事ないか?」
「あります」
「その時に白い線みたいのを見た事ないか?」
そう言われるとウルテアはしばらく考えた後に少し頷いた。
「あります、あります!」
「それが大まかに言えば神経ってやつだ、それが頭から送られる体を動かせっと言う命令を聞いて、体が動くんだ、ここまではいいか?」
ウルテアの瞳に徐々に好奇心の光が差してくる。
「これはあくまで体とかこの木や動物達なんかの物理的な世界の話なんだが、それと全く同じ様に目に見えないけど確実に存在している世界、精神世界にも同じ様な世界があるんだ」
ウルテアはゼンの言葉に聴き入り何度も頷いた。
「そこでは、自分達の精神体、まぁ物理で言う肉体を魂と呼んで、神経や血をルンと呼んでいるんだ」
「肉体がそうならこの土や草、馬とかはどうなるのですか?」
「馬や動物達は、人間と同じ様に魂やルンと呼んでいるが大地とかは、その元素、エレメントに分けられるが、その世界を構成しているのをマナと呼んでいる」
「マナ?」
「そう、マナ、生命の息吹とも言われているが、俺達人間と同じ様にこの大地も海も森も生きているんだ、そしてそんな自然が出す力をマナと呼んでいる」
ゼンの言葉にウルテアは、不思議そうな顔でそっと地面とそこら中に生えている草花に目を向けた。
「しかし、マナとルンは、同じ様で全く違うモノなんだ、本当ならそれを使うのは無理だ」
「でも、その力で魔術は、使われるんですよね?」
「その通り、マナとルン、それを繋ぐ為にはもう一つの要素が必要になる、それがアルカナだ」
「アルカナ?」
「これは、簡単に言えば紐かな、俺達と世界を繋げる紐でその紐を手に取れるか取れないかで魔術が使えるか使えないかがわかるのかな」
ゼンの講釈が終わりを告げるとウルテアは苦笑いを零した。
「とても、難しい世界なんですね」
「まぁね、実際こう説明してる俺達ですら全てを理解してるわけじゃないしね」
「そうなんですか?」
ウルテアの言葉にゼンは、迷うこと無く頷き、サウラに目を向けた。
「何ですか?」
サウラはそんな視線を受けながらもあっけらかんっと応え、ゼンは苦笑いをした。
「本来俺達もそれを頭で考えてやってるんじゃなくて感覚的にやってる。それをどうにかこうにか説明してみたけど、これも正解なのか正直分からないからね」
そう言うとウルテアは、不思議そうな顔でゼンを見た。
「でも、この棒作りましたよね?」
「それは、まぁ大まかなにこういう原理かもって考えて実験的に作ってたまたま成功しただけだからね」
ゼンがそう言うとガルダンは、特大のため息を吐いた。
「それをサラりとやるから、お前はスゲェんだろ?」
ガルダンにそう言われるとゼンは、肩を竦めた。
「親方にそう言われるとは、光栄ですけど。それでも鍛治の能力は、全然追いつけないのがこっちからするととても歯痒いんですけどね」
「バァーロ、そこまで負けてたまるかってんだよ」
そう言うとガルダンは、豪快に笑い。
ゼンは、小さな溜め息を漏らしながら苦笑した。
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