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アシノ領主のお仕事【サザレ村へ】
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「まず、以前にエレメントの話をした事を覚えているか?」
鬱蒼とする木々を分けながらゼンは、迷う事無く進みながら喋り始めた。
「確かマナに構成されたものですよね?」
「まぁ概ね正解だけど、詳しく言えばマナの世界にある、元素って事だな」
「元素?」
ウルテアがそう返答するとゼンは周囲を指差した。
「よく、七元素、六元素とか言われてるが今回は四元素を元に話をすると、火、水、土、風の元素がある、これを別名エレメントって呼んでいる」
そのゼンの言葉にウルテアが生返事をしながらゼンが指差す、土や水、空中を見ていた。
「ここで良く勘違いされるのは、魔術はこの四元素を操るだけの技術だと言うことだ。例えば俺なら風と土かな」
ゼンは、そう言うと土に向かいルンを放出すると土が十数cm盛り上がり、小さな山が現れた。
ウルテアは、目の前に起きた事に言葉を失いながらゼンを見るとゼンは指先に作った小さな風の球体をウルテアの顔に当てた。
当たった瞬間、ウルテアの周りに小さな突風が起こり、思わず目も口も閉ざしてしまった。
「何をするんですか!」
吹き抜けた後にウルテアが抗議をするとゼンは、笑いながら肩を竦めた。
「こんな風にこれだけを魔術だと勘違いしている奴が多いんだ」
「それは、違うんですか?」
「いや、初歩という意味では間違ってないが、深くしていけば行く程に元素によって出来る事が違うんだ」
「どういう事ですか?」
「例えば、風から説明すると。これは簡単に言えば能力の補強と言えば良いのかな、斧を構えて振りかぶってみろ」
ウルテアは、ゼンに言われるがままに立ち止まると腰から手斧を取り出し振りかぶった。
「そのまま、その木に振り降ろす」
そう言うとゼンは、ウルテアの横にある太い木を指差し、ウルテアは言われるがまま手斧を振り降ろした。
ゴッという鈍い音共に切りつけた斧は、木の半分にも到達すること無く止ってしまった。
次にゼンは、掌に風のマナを集めるとウルテアの手斧に触れた、すると手斧に風がまとわりついた。
「それじゃあ、もう一度、振り降ろして」
ウルテアは、何が何だかわからないまま振り降ろすと、次の瞬間斧は、木を横一線に走り、けたたましい音共に木は、倒れてしまった。
「これは…?」
ウルテアは、目の前に起きた現象に口をパックリと空けながら呆然としてしまった。
「これが補強の力だ。今お前の斧に風のエレメントを纏わせてその力を補強した。だから軽い力でも切り裂くことが出来た」
「これが風の力なら他の力は?」
ウルテアは、目をキラキラさせながらゼンを見るとゼンは微かに笑いながら肩を竦めた。
「今見せた風は、補強と感知、火は、集約を発散、水は、治癒と強化。お前の傷を癒したサウラの力や村を襲ったバルディシュがそれだな、そして土は吸収と変化だ、まぁ大雑把に表現するとだがな」
「確か先程ゼン様は、風と土とおっしゃいましたが、使えないエレメントもおありなのですか?」
「おっ良い所に気がついたな。そう俺は火と水のエレメントは自力では使えないんだ、だから火聖石の火打ち棒を作ったんだ」
そういうとウルテアは、口をパックリと空けながら何度か頷いた。
「つまり、ルンとその力の供給方法さえあればどんなエレメントを操れるがそれ以外は自分と共鳴したエレメントしか使えないもんなのさ」
「エレメントは、ひとつしか使えないのですか?」
「それは、人によってかな?大抵は俺みたいに2つだが、1つのエレメントしか使えないって人も中には、いる」
ゼンは喋りながらもスイスイと森の中を進み、ウルテアは、その背を追った。
「先程、風の時に感知とおっしゃいましたよね?」
「あぁ、それが」
「もしかして、それで滝壺の場所をわかるのですか?」
「そういうこど、もうすぐ着くぞ」
ゼンがそう言いながら小高い丘を登ると遠目にに岩壁が現れ、木々の隙間から滝も見えた。
滝の周辺に着くとそこは、地鳴りの様な音と飛沫を上げながら落ちていく滝とそれを字のごとく受け入れる壺があり。木々はそれを避ける様に生え、森の中に大きな穴の様なぽっかりと開けた空間を作り上げていた。
「ここら辺だと思うが…」
ゼンは、そう言いながら滝壺に近づくと近場の石の山を覗き込んだ。
「何をなさってるんでしょうか?」
「いや、血か何かの痕跡が残ってないかっと思ってな」
「ありそうですか?」
ウルテアにそう聞かれるとゼンは、首を横に振った。
「ない、多少なら残っていてもおかしくないんだが…雨でも降られたらそうもいかないか…」
ゼンは、そう言いながら今度は、近場の木々の方に向かいその地面や木々を見渡した。
「あった」
ゼンは、そう言うと1本の木の下で腰を落とすと地面を手で払い。1本の黒ずんだ枝を持ち上げて暫く観察し、そうかと思うと近場の木々に目を向けて立ち上がり腕を組んで何かを考えていた。
「なぁウルテアよ」
「はい、何でしょ?」
「この森や何かに御伽話とかないか?」
唐突にゼンに問われウルテアは、天を少しだけ仰ぐと何かを思い出した様に「あっ」と言う声を上げた。
「迷い森の話ですかね?ここの話じゃないですが、森には影人が居て、森を訪れる人間を攫っていくって話です」
「影人?」
「はい、影の様に全身黒い人が現れ、ゆっくりと近づくと一瞬で取り込んでしまい攫われるってお話です」
その話を聞きゼンは、ゆっくりと考えながら天を仰いだ。
風で木々の枝が揺れ葉が舞った。
ゼンは、そんな光景を眺めながらため息をひとつ漏らすとゆっくりと滝に背を向けた。
「帰るか、もう大体わかったし」
「わかった?何がでしょうか?」
ウルテアにそう聞かれるとゼンは、肩を竦め、ポーチからパイプたばこを取りだし銜えた。
「多分この森には村で騒がれてる様な巨大な熊は、いない」
「えっ!?でも目撃証言ありましたよね!?」
パイプに火を灯し、紫煙を吐くとゼンは首を横に振った。
「そうだな、だけどあるのは、それだけでそれ以外が全く無いんだよ」
ゼンのその返しにウルテアはゼンが何を言いたいのかわからないまま口を真一文字で閉じた。
「とりあえず、帰ろ、そろそろ日が暮れる」
ゼンは、そう言いながら来た道をスイスイと歩き、ウルテアはその背を追った。
鬱蒼とする木々を分けながらゼンは、迷う事無く進みながら喋り始めた。
「確かマナに構成されたものですよね?」
「まぁ概ね正解だけど、詳しく言えばマナの世界にある、元素って事だな」
「元素?」
ウルテアがそう返答するとゼンは周囲を指差した。
「よく、七元素、六元素とか言われてるが今回は四元素を元に話をすると、火、水、土、風の元素がある、これを別名エレメントって呼んでいる」
そのゼンの言葉にウルテアが生返事をしながらゼンが指差す、土や水、空中を見ていた。
「ここで良く勘違いされるのは、魔術はこの四元素を操るだけの技術だと言うことだ。例えば俺なら風と土かな」
ゼンは、そう言うと土に向かいルンを放出すると土が十数cm盛り上がり、小さな山が現れた。
ウルテアは、目の前に起きた事に言葉を失いながらゼンを見るとゼンは指先に作った小さな風の球体をウルテアの顔に当てた。
当たった瞬間、ウルテアの周りに小さな突風が起こり、思わず目も口も閉ざしてしまった。
「何をするんですか!」
吹き抜けた後にウルテアが抗議をするとゼンは、笑いながら肩を竦めた。
「こんな風にこれだけを魔術だと勘違いしている奴が多いんだ」
「それは、違うんですか?」
「いや、初歩という意味では間違ってないが、深くしていけば行く程に元素によって出来る事が違うんだ」
「どういう事ですか?」
「例えば、風から説明すると。これは簡単に言えば能力の補強と言えば良いのかな、斧を構えて振りかぶってみろ」
ウルテアは、ゼンに言われるがままに立ち止まると腰から手斧を取り出し振りかぶった。
「そのまま、その木に振り降ろす」
そう言うとゼンは、ウルテアの横にある太い木を指差し、ウルテアは言われるがまま手斧を振り降ろした。
ゴッという鈍い音共に切りつけた斧は、木の半分にも到達すること無く止ってしまった。
次にゼンは、掌に風のマナを集めるとウルテアの手斧に触れた、すると手斧に風がまとわりついた。
「それじゃあ、もう一度、振り降ろして」
ウルテアは、何が何だかわからないまま振り降ろすと、次の瞬間斧は、木を横一線に走り、けたたましい音共に木は、倒れてしまった。
「これは…?」
ウルテアは、目の前に起きた現象に口をパックリと空けながら呆然としてしまった。
「これが補強の力だ。今お前の斧に風のエレメントを纏わせてその力を補強した。だから軽い力でも切り裂くことが出来た」
「これが風の力なら他の力は?」
ウルテアは、目をキラキラさせながらゼンを見るとゼンは微かに笑いながら肩を竦めた。
「今見せた風は、補強と感知、火は、集約を発散、水は、治癒と強化。お前の傷を癒したサウラの力や村を襲ったバルディシュがそれだな、そして土は吸収と変化だ、まぁ大雑把に表現するとだがな」
「確か先程ゼン様は、風と土とおっしゃいましたが、使えないエレメントもおありなのですか?」
「おっ良い所に気がついたな。そう俺は火と水のエレメントは自力では使えないんだ、だから火聖石の火打ち棒を作ったんだ」
そういうとウルテアは、口をパックリと空けながら何度か頷いた。
「つまり、ルンとその力の供給方法さえあればどんなエレメントを操れるがそれ以外は自分と共鳴したエレメントしか使えないもんなのさ」
「エレメントは、ひとつしか使えないのですか?」
「それは、人によってかな?大抵は俺みたいに2つだが、1つのエレメントしか使えないって人も中には、いる」
ゼンは喋りながらもスイスイと森の中を進み、ウルテアは、その背を追った。
「先程、風の時に感知とおっしゃいましたよね?」
「あぁ、それが」
「もしかして、それで滝壺の場所をわかるのですか?」
「そういうこど、もうすぐ着くぞ」
ゼンがそう言いながら小高い丘を登ると遠目にに岩壁が現れ、木々の隙間から滝も見えた。
滝の周辺に着くとそこは、地鳴りの様な音と飛沫を上げながら落ちていく滝とそれを字のごとく受け入れる壺があり。木々はそれを避ける様に生え、森の中に大きな穴の様なぽっかりと開けた空間を作り上げていた。
「ここら辺だと思うが…」
ゼンは、そう言いながら滝壺に近づくと近場の石の山を覗き込んだ。
「何をなさってるんでしょうか?」
「いや、血か何かの痕跡が残ってないかっと思ってな」
「ありそうですか?」
ウルテアにそう聞かれるとゼンは、首を横に振った。
「ない、多少なら残っていてもおかしくないんだが…雨でも降られたらそうもいかないか…」
ゼンは、そう言いながら今度は、近場の木々の方に向かいその地面や木々を見渡した。
「あった」
ゼンは、そう言うと1本の木の下で腰を落とすと地面を手で払い。1本の黒ずんだ枝を持ち上げて暫く観察し、そうかと思うと近場の木々に目を向けて立ち上がり腕を組んで何かを考えていた。
「なぁウルテアよ」
「はい、何でしょ?」
「この森や何かに御伽話とかないか?」
唐突にゼンに問われウルテアは、天を少しだけ仰ぐと何かを思い出した様に「あっ」と言う声を上げた。
「迷い森の話ですかね?ここの話じゃないですが、森には影人が居て、森を訪れる人間を攫っていくって話です」
「影人?」
「はい、影の様に全身黒い人が現れ、ゆっくりと近づくと一瞬で取り込んでしまい攫われるってお話です」
その話を聞きゼンは、ゆっくりと考えながら天を仰いだ。
風で木々の枝が揺れ葉が舞った。
ゼンは、そんな光景を眺めながらため息をひとつ漏らすとゆっくりと滝に背を向けた。
「帰るか、もう大体わかったし」
「わかった?何がでしょうか?」
ウルテアにそう聞かれるとゼンは、肩を竦め、ポーチからパイプたばこを取りだし銜えた。
「多分この森には村で騒がれてる様な巨大な熊は、いない」
「えっ!?でも目撃証言ありましたよね!?」
パイプに火を灯し、紫煙を吐くとゼンは首を横に振った。
「そうだな、だけどあるのは、それだけでそれ以外が全く無いんだよ」
ゼンのその返しにウルテアはゼンが何を言いたいのかわからないまま口を真一文字で閉じた。
「とりあえず、帰ろ、そろそろ日が暮れる」
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