無能勇者の成り上がり

しろくま

文字の大きさ
2 / 10
第1章 無能という未来のない存在

1話 特典と異世界

しおりを挟む





「……というわけで貴方様はもとの世界に帰ることができないのですが…」

「えぇ、分かりました。なら、異世界へ行きます。ちょっと今までとは違う毎日が待っていそうなので」

女神と名乗る目の前の超絶美人お姉さんが言ったことをまとめるとこういうことだ。
1、異世界にあるとある大きめの国が世界最大国に抵抗するために地球から勇者という存在を召喚しようとした
2、僕は対象外だったが召喚の際にできた時空の歪に飲み込まれたらしい。いわゆる、召喚巻き込まれたよ系主人公だ(主人公かどうかはわからないけどね…)
3、地球に戻ることがほぼ不可能ということ。「ほぼ」と言ったのは完全に不可能ではないからだ。ただ、無数にある世界から地球にちゃんと送り返すのは、まぁ、無理だろうっということだ。

とまぁ、この3つかな?ちょっと聞き逃してしまったところもあるかもしれないけれど、特に重要というわけではないだろう、多分…。

「決断が早いのですね。そういう殿方は私、結構好きですよ?ってこういうことを言っている場合じゃないんでした。貴方様は『勇者』として召喚されたわけですが、その力…こちらの世界ではスキルという言い方をしていますが、はどうなるか分かりません」

この超絶美人お姉さんに結構好きって言われたよ、僕。男として少しは嬉しいよね、やっぱり。でも、恋とかしたことないし別に特別な感情が生まれてくるわけじゃないんだけどね。

「力、いえスキルが分からないというのはどういうことですか?」

「今から説明いたします。…この残り79枚のカードの中から2枚選んでいただき、そのカードに書かれたスキルが貴方様のスキルとなります。分からないところはございますか?」

「いえ、大丈夫です。もう、引いてもいいですか?」

「フフ、もうお引きになるのですか?他の皆様はかなりの時間迷っていらっしゃったというのに」

「迷ったり考えたところで自分の運命は変えられませんからね。あ、他の皆様というのは何人いるのですか?」

「10人ですね。皆様、お強くなっていかれましたよ」

「へぇ、僕も強いといいな。……じゃぁ、これとこれで」

そういって女神様(自称)に引いたカードを手渡す。これは引いたカードのスキルを付与してもらうためだ。

「フムフム…、貴方様のスキルは「強化魔法」と「武具庫」ですね。「強化魔法」は自分や他者の身体能力や魔力を底上げするスキルですね。色々な方に重宝されるスキルです」

おぉ、結構強いのではないだろうか。それに『魔力』。これは聞き捨てならない単語だ。魔力があるということは魔法があるのだろう。魔法、覚えるの楽しみだなぁ。あ、僕のスキル「強化魔法」も魔法じゃん…。

「武具庫というのはその名の通り、あらゆる武具を収納できる便利スキルです。一瞬で収納と取り出しが可能です。ただ、欠点が2つ。それは武具のみしか収納することができないということと、戦闘向きではないということです。勇者として召喚されてしまうのにも関わらず戦闘以外で役に立つスキルがでてしまうとは…。で、でも、そんなスキルは3枚ぐらいしか入っていないので運がいいとお考え下さい!」

慰められているのか上手く言いくるめられているのかはいまいち分からないけど、まぁ、なんとかなるよね、きっと。

「あ、あの、大丈夫ですよ。僕は地球とかでラノベとかアニメとか結構好きだったので。その知識があれば生き残れないということは多分、ないと思うので」

「ですが、魔物など人間の敵もたくさんいるのです。お気をつけください」

「忠告ありがとうございます。他に注意するべきことはありますか?」

「他に、ですか…。あ、巻き込まれての転移となりますので、恐らくですが、本来召喚される場所とは異なるところに転移するかもしれません。例えば、森のなかとか…」

「テンプレですね。そのことは予想していたので大丈夫ですよ。死んでしまったのならそこまでだったということですし」

「ずいぶんとご自身について軽く考えておられるようですね。けれど、死ぬというのはとてもつらいことなのですよ?」

この女神様は僕のことを慈愛の色に染まった目で見つめてきた。僕だって、死ぬのは怖いと思う。けど、家族とかはいないし、もちろん葬式を開いてくれるような人もいないわけで。なら…

「僕も死ぬのは怖いですよ。だから、出来るだけ老衰で死にたいですね。異世界を存分に満喫したあとに」

「きっとそうおっしゃると思っていましたよ。では、この『ルーディア』を存分にお楽しみください」

女神様がそういうのと同時に僕の視界は白くなり、意識も朦朧としてきた。あぁ、『ルーディア』という異世界に転移するんだな。存分に楽しんでやろう…。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

しろくまです。

まだ二作目ということで矛盾している点やおかしなところがたくさんでてくると思います。ぜひ、感想にてお知らせください。

これからも精進して参ります。

こちらの作品もぜひ、お読みください
「異世界召喚 ~俺は目立ちたくないのに~」
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

『ミッドナイトマート 〜異世界コンビニ、ただいま営業中〜』

KAORUwithAI
ファンタジー
深夜0時——街角の小さなコンビニ「ミッドナイトマート」は、異世界と繋がる扉を開く。 日中は普通の客でにぎわう店も、深夜を回ると鎧を着た騎士、魔族の姫、ドラゴンの化身、空飛ぶ商人など、“この世界の住人ではない者たち”が静かにレジへと並び始める。 アルバイト店員・斉藤レンは、バイト先が異世界と繋がっていることに戸惑いながらも、今日もレジに立つ。 「袋いりますか?」「ポイントカードお持ちですか?」——そう、それは異世界相手でも変わらない日常業務。 貯まるのは「ミッドナイトポイントカード(通称ナイポ)」。 集まるのは、どこか訳ありで、ちょっと不器用な異世界の住人たち。 そして、商品一つひとつに込められる、ささやかで温かな物語。 これは、世界の境界を越えて心を繋ぐ、コンビニ接客ファンタジー。 今夜は、どんなお客様が来店されるのでしょう? ※異世界食堂や異世界居酒屋「のぶ」とは 似て非なる物として見て下さい

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

相続した畑で拾ったエルフがいつの間にか嫁になっていた件 ~魔法で快適!田舎で農業スローライフ~

ちくでん
ファンタジー
山科啓介28歳。祖父の畑を相続した彼は、脱サラして農業者になるためにとある田舎町にやってきた。 休耕地を畑に戻そうとして草刈りをしていたところで発見したのは、倒れた美少女エルフ。 啓介はそのエルフを家に連れ帰ったのだった。 異世界からこちらの世界に迷い込んだエルフの魔法使いと初心者農業者の主人公は、畑をおこして田舎に馴染んでいく。 これは生活を共にする二人が、やがて好き合うことになり、付き合ったり結婚したり作物を育てたり、日々を生活していくお話です。

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

異世界配信中。幼馴染みに捨てられた俺に、神々(視聴者)がコメントしてくるんだが。

葉月
ファンタジー
コルネ村で、幼なじみであり恋人でもあったユリアナと、ささやかな幸福を分かち合って生きていたロイド。 だがある日、ユリアナは女神の愛子として目覚め、国王の命により王都へと連れ去られる。 突然、日常を奪われ、運命に引き裂かれたロイドは、抗う術も持たぬまま、否応なく大きな流れへと呑み込まれていく。 これは、奪われたものを取り戻すため、そして理不尽な運命に抗おうとする、一人の少年の物語である。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?

はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、 強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。 母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、 その少年に、突然の困難が立ちはだかる。 理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。 一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。 それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。 そんな少年の物語。

処理中です...