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第1章 無能という未来のない存在
7話 転移者と異世界人との出会い
しおりを挟む「っん…。ここはどこだろう?えっと、僕は確か森の中で倒れて、それから…。って、森で倒れたんじゃないかっ?!見た感じ小屋っぽい建物だけど…。誰かが僕を拾ってくれたのだろうか?」
そういって思い切り伸びをする。疲れ切った身体にはほとんど力は入りはしなかったが幾分かはマシになるだろう。窓から見える景色は、闇。何も見えない吸い込まれそうになる黒。つまり、夜。明かりが漏れれば獣が寄ってくるからなのかこの部屋にはライトはない。この世界にライトなんて高度文明な物があるなんて考えにくいけれども。まぁ、蝋燭の一本もないということだ。それでも外の景色が窺えるのは少しは明るいからだ。地球でいう夏の夜の明るさに近いかな?
そんなことを考えていると扉が開く音がする。ここは異世界だ、という考慮して僅かに身構えようとするが身体に力が入らないのと助けてくれた方かもしれないということで出来ずに微妙な体制になりバランスを崩し、そのまま落ちて地面に……
―ゴンッとはならなかった。
部屋に入ってきた人に受け止められてしまった。
「あ、ありがとうございます。何から何まで…」
「いえ、気にする必要はないわ。さすがにほおっておくわけにもいかないでしょう?」
女の人特有の綺麗な声。それに僕を支えてくれている腕は華奢でいまにも折れそうで…。こっちが心配になってくる。
「あ、あの、自分で立てますから…」
「あら、私の心配をしてくれているの?でも大丈夫よ。STR値は結構高いし」
「いや、でも。流石にこれくらいは自分でしないと…って、とっと?!」
自分で立とうして足で支えきれずに倒れこむ。それをまた受け止めてもらう。思わず耳まで赤くなってしまう。
「すみません…」
「いいのよ。それよりも分かったでしょう?今のあなたは自分の足で立てないくらい衰弱しているということを」
「えぇ。では、お願いできますか?」
「いいわよ。よいしょっと」
「えっ、ちょっ。この運び方ですか?!」
僕は女の人に腰に手を這わせられそのまま持ち上げられる。所謂、お姫様抱っこというやつだ。さすがに女の人にこれをやれるとは思ってはいなかったもので顔が真っ赤になりながら質問する。
「しょうがないでしょう?これが一番楽なのだから」
「…分かりました」
今は暗くて見られないのが幸いだがが、今の僕の顔をみたら誰もがこういうだろう。
「熟したトマトより赤い顔なんてな…」と…。
そうして運ばれた場所はリビングだ。この世界でもこういうのかは分からないが。さすがにテレビとかはないが簡単なキッチンはある。食事でも作ってくれるのかと思っていると案の定、
「今から夕食を作るわ。少し待っててね」
そういって女の人はキッチンに移動する。
きれいな人だなと思いながらその背中を見送る。
20分程でできた食事はどれも見たことがなかったものだがとても美味しかった。「料理の腕には自信があるのよ」と笑顔で教えてくれた。食事中雑談をしながら楽しい時間を過ごした。女の人の名前はリーザ、だそうだ。なお独身らしい。どうでもいいけど…。
リーザさんにも俺のことを話した。この人から全てを受け止めもらえそうな、そんな気がしたからだ。さすがに異世界から来ました、とは言えなかったけれども。無能として皆に蔑まれ生まれ持ったスキルで生き伸びて限界がきて倒れてしまった、ということにしておいた。即興だったので変なところがあったかもしれないがリーザさんは時折相槌をうちながら聞いてくれていたから大丈夫だろう。
「僕は無能なのに、リーザさんは僕のを捨てたりしないんですか?」
「私はそんなことしないわよ。人としてして当然のことをしているだけなのだしあなたが心配するようなことは起きないわよ?それで提案というかほぼ命令なのだけれど…」
「はい、何でしょうか?」
「私のもとで強くなっていきなさい。一ヶ月といったところかしら?」
まさかの急展開、きた…?
しかし、今の僕は絶対に生き残る術を手に入れる必要がある。だから僕の返答は決まっていた。
「…ぜひ、お願いします!」
ステータス
・名前 レイ
・種族 人族
・職業 無能勇者
・年齢 17
・レベル 2
・適性属性 雷
HP 55/55
MP 60/60
STR 18
DEF 16(+60)
INT 44
AGI 14
DEX 22
スキル
【オリジナルスキル】
・模倣
・解析
【戦闘スキル】
・剣術Lv1
【技巧スキル】
・回避術Lv1
【魔法スキル】
・強化魔法
【生活スキル】
・武具庫
【称号】
・無能な者
・勇者の力を受けし者
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