不死戦争~immortality war ~

おたく

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不死戦争2章(襲来)

不死戦争7

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拳を構えたまま永魔は言った。
「何で兄貴まで裏切った?」


傷は答えた。


「まあ…圧倒的な上からの
圧力って感じだな
まあ俺もお前とは出来れば
戦いたくなかったんだけどな
 運が無かったんだろうよ
俺も…お前もな…」


皮肉を込めてそう言った。


「さあて俺は上に従わないと
首チョンパだろうし…
俺はお前を生け捕りにする。」


バキバキと音を鳴らして
傷も握り拳を作った。


「さあ行くぜ…。」
そう言って傷が一歩踏み出した。
その瞬間を待っていました‼
と言わんばかりの勢いで
永魔は真逆に向かって走り出した。


「…!?!?……っはあ……!?!?!?」


突然の永魔の行動に傷は
顎が外れるほど絶叫した。


「戦っても勝てる気が
しないから逃げさせてもらうぜ‼
じゃあな兄貴‼」


そう叫びながら脱兎の如く
永魔は彼方へ消えていった。


それを見て傷は微笑した。

「…フ…ハハ…永魔…今まで
かけっこしてお前が勝ったこと
ほんの一度でもあったか?」


そう言い傷は足に力を込めた。
―が…どうもおかしい。
すぐにでも追い付く勢いで
地面を蹴り込んだつもりなのに
思っていた速度の半分も出ていない。
そう言えば下界に来たときから
体が重かったのだ。



「何だこれは…力が抑えられる…!?」

「ははっ!気付いたか兄貴!
俺は半分人間だからあまり
影響を受けないが兄貴は
下界の大気に慣れてないから
体が思うように動かんぜ‼」


「ックッソ…舐めんなあああ‼」


傷は再び走り出した。
最初は並みの人間より
遅い位だったが
走っているうちに少しずつ
速度が上がっていく。


「どうだ…!?少しずつ慣れてきた
じきにお前にも追い付くぞ…‼」


「チッ‼兄貴の順応性が
化け物レベルなのは相変わらず
だなぁ…全力で走っても
追い付かれちまいそうだ…」


永魔はそう言いながらも
まだ余裕のある表情だ。
そればかりかときどき
不敵な笑みを見せている。


「何でそこまで余裕ぶっこいてる!?
お前は俺に捕まって死神達に
喰われるんだぞ‼」



「いくら兄貴の順応性が高くても
さすがにこればっかりは慣れ無い
よなあ…‼ほら…さっきから間合い
は変わってないぜ‼」


そう言われて最初は意味が
分からないと言う顔をしていた傷
だったが
ふと足下を見てみると先程から
傷と永魔の間合いは変わらずに
一定に保たれている。


「何故だ!? 俺はお前より
足が速いのに何故お前と間合いが
変わらんのだ‼どんな特訓を
したらこの短期間にそこまで
速くなったのだ‼教えろ‼」


今殺そうとしてる奴に
特訓の仕方を教えて貰えると
思うのか…こいつも大分
常識からずれてるよな…


「いいや…俺が速いんじゃない
兄貴の足がまだ遅いんだ」


「まさか‼俺はもうこの大気にも
慣れたし全力で走っているぞ‼」


「そうじゃない。兄貴の特殊
能力の黒影の力が無くなったんだ。
兄貴にとって今まで当たり前に
この能力は常時発動していた。
一定以下の明るさになると力が
増す特殊能力だ。しかし今ここは真昼で
明るいから兄貴の能力は使えない‼」


そう言って永魔は突然
後ろを向いて逆走し始めた。


「つまり今の兄貴なら弱体化している
から俺でもある程度戦える‼」


傷も逆走しようとしたが
間に合わない。


ゴスッ


永魔の肘が傷の顔にめり込んだ。


「…ごはっ…‼」


「いつまでもやられてばかりの
弱い弟じゃ無いんだよ
喰われてたまるかってんだ‼」


永魔はそう言いながら
また向きを変えて走り始めた。


「このままじり貧で削るつもり
だろうがそう上手くいかんぞ…
甘く見るなよ…‼」


傷は少し楽しそうな、少し
怒った様な…そんな顔で
にやりと笑った。





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