鬼の騎士団長が淫紋をつけられて発情しまくりで困っているようなので、僕でよければ助けてあげますね?

狩野

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遭遇の経緯(5)

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「ば、馬鹿か貴様! 色情狂めッ!」

 膝をつき、カルナスの股間に手を伸ばしたシルヴァリエは、カルナスにしたたかに頬を打たれた。

 シルヴァリエとしては、完全に親切のつもりだったのに、である。頭の奥が、瞬間的に燃え上がったかのように熱くなった。

「――色情狂はあなたでしょう! 何度も声をかけたっていうのに無視してひとりでアヘアヘよがっちゃって。僕の足にぶっかけるまでしたくせに、なに今さら被害者ぶってるんですか」
「な……な……」
「ほら、さっさと見せてくださいよ!」

 シルヴァリエは両手を伸ばしてカルナスの両手首を掴み、強引に左右に開いた。カルナスは諦めたのか、それともそれほどの力すら残っていなかったのか、わずかに抵抗したものの結局はシルヴァリエにされるがまま、ふたたび下半身を晒した。

 シルヴァリエの目の前で、カルナスの分身が、ぐ、ぐ、と頭をもたげる。

「……勃たせないで欲しいんですけど。見られて興奮してるんですか?」
「ぐ、愚弄するか貴様ァッ!」
「本当のことじゃないですか。ほら、邪魔」

 シルヴァリエは片手を伸ばし、カルナスの股間のそれをひょいを押さえ込む。

「……っ」

 カルナスが声を噛み殺したのがわかった。陰茎を押さえるために放したカルナスの片方の手は床にだらりと落ち、抵抗する気はすでにないらしい。

 シルヴァリエは少しいたずらしたくなって、指先に微妙な緩急をつけて力を込めた。そうすると、カルナスは面白いくらいに反応する。目を潤ませて体をびくびく震わせながら、声だけは必死に噛み殺している。

 これが、あの、鬼の騎士団長と言われた男だろうか?

 シルヴァリエはもっともっとカルナスを追い詰めたくなって、押さえているだけ、と一応は取り繕っていた片手の動きを、明確な愛撫のそれに変えた。

「……ッ! …………! ――――ンッ!」

 カルナスの口の端からついに声が漏れた。もっと、もっと。シルヴァリエはさらに手を早める。

「――――ァっ! あ、ぅ……」

 射精しそうだ――それに気づいた瞬間、シルヴァリエは慌ててカルナスの陰茎の根元をぎゅっと掴んだ。

「あぁっ?! う、うぅ……」

 カルナスは視線を落とし、シルヴァリエの手が自分の陰茎にやっていることを目で確認した。顔をあげてなにか言いたげにシルヴァリエを見るが、何も言えないまま視線を落とし、切なげに腰をもじもじさせる。

「――出しちゃ、ダメですよ」
「?!」
「淫紋が育ってしまいます」
「いん、もん……?」
「そう。どこかな……ちょっと失礼」

 シルヴァリエはカルナスのもう片方の手も放すと、カルナスの膝裏をとり、ひょいと体を体をひっくり返した。
 
 カルナスのしなしなになっている睾丸と肛門がシルヴァリエに晒される。シルヴァリエはその間の蟻の門渡りを指の背で撫でた。

「ここか。厄介なところについてますね。こんなの、一体どこでつけてきたんですか」
「そ、そこになにがある?! 淫紋とはなんだ!」
「知らないんですか? 相手を強制的に性的興奮状態に追い込んで、セックス以外のことは何も考えなくさせてしまう、呪術の一種ですよ。魔物のなかでも淫魔と言われている種類が使ってくるので有名ですね」
「呪術……」
「僕が見たことがあるのは人間の魔導師が使う簡易的なやつですけど。これは形も複雑だし本物の淫魔がつけたやつかな」
「呪い……ということは、解呪すれば治るのか……?」
「治るでしょうね」
「どうやる?!」
「セックスします」
「セッ……?」
「そもそもが淫魔が人間を誘惑するために使うものなので、自分ひとりでしている分にはどんどん淫紋が育ってしまうんです。大抵はね。他人とセックスして満ち足りれば――特に、自分以上に相手が性的に満ち足りていればだんだん淫紋の力が弱まって自然と消えていくみたいです。少なくとも、以前僕がつけられた時はそうでした」
「なるほど、わかっ…………ッ、シルヴァリエ! そこを触るのをやめろ!」

 カルナスの切羽詰まった声に、シルヴァリエはほぼ無意識にカルナスの淫紋を指の腹で撫で続けていた自分に気づいた。
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