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4話
しおりを挟むあやにゃんて誰?
「さて、猫の国のお姫様、古民家カフェにご到着ですよ」
「青木さん…」
「オレの事は、Blue treeとでも呼んでくれ」
「なぜ?」
「あやにゃんに青木さんでは、オレが変態みたいだから」
「それ、自分で言っちゃいます?自滅してますよ」
アタシが大げさにため息をつくのを、青木さんはクスクスと笑いながら見ていたが、やべ、時間が!て言うとアタシの手首を掴んで古民家カフェに入った。
涼やかな鈴の音がして、アタシ達は土間にテーブルを置いた空間に通された。
「へえ、面白い空間だねここ。テーブルが古いミシンの台をテーブルに加工したものだね」
「テーブルの下の荷物置き場も見てください」
「足踏み部分が物置かあ」
「固定してあるから荷物置けますよ」
「じゃあ、ヘルメット置こう」
青木さん、このお店が気に入ったようだ。
「うお、窓から桜が見える!」
「裏庭に樹齢100年の桜の木があるの。お店に入らないとわからないわ。実はここ、アタシのお気に入りのスポットなの」
「へえ、気に入った!あやにゃんのオススメメニューは?」
「石窯で焼くピザ。すっごく美味しいの!」
「すっかりあやにゃん定着だな。オレの事は是非、Blue」
「はいはい、ブルさんね」
「その呼び方は嫌だ」
「なぜ?」
「ブルドッグみたいだから」
「それ、ブルドッグに対して失礼なのでは?」
「お!反撃上等!」
「反撃もしたくなりますよ。アタシ達、罰金組ですよ」
「あやにゃん1号にBlue tree2号」
「戦隊モノ好きなんですか?」
「昔からブルー推し」
「だからバイクも青なの?」
「当たり!」
「青木さんって男の子がそのまま大きくなったみたいですね」
「その上から目線はいったいなんだ?」
「言いたくもなりますよ。29で戦隊モノ意識しますか?」
「オレの脳みそは戦隊モノとバイクで出来ている」
「まさか、青木さんのお仕事って戦隊関係…」
「察しがいいな、数年前まで戦隊モノのスーツアクター。現在は、バイクのメーカー勤め」
「じゃあ、資格の試験て」
「バイク関係」
ああ、なるほど。だからライダースーツがサマになっているのね。
アタシは、初対面の人とおしゃべりしながらピザを頬張る自分に違和感が拭えなかった。
5話につづく
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