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和泉楓

2話 些細な変化

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「…………なんなのお前?……こんな変な女だとは知らなかった………。アノニマスに謝って………早く」

廊下に正座させられて琴音は半泣きだ。頭が痛い。杖で殴られてたんこぶが出来ている。暴力反対!!!!

(うぅ……。やっぱりノアさんは要注意なのです…。痛いです……うう)

チラリと見るとアノニマスはブルブルとノアの後ろで震えている。皆さんノアの背に隠れるの好きですね、なんて馬鹿な事を考えながら少しだけ反省する。嫌がる事はしないつもりだったのだが好みのアノニマスを前にして少し我を忘れた。これではエヴァを悪く言えない。

(むう………、性欲とは恐ろしいのです。理性が吹っ飛びますね。)

「アノさん、ごめんなさい。………私、貴方と仲良くなりたくて……でもやり方を間違えました。ごめんなさい」

そう告げるとアノニマスはブルブルと震えたままで声を出す。小さな声だ。

「おれは仲良くなんてしたくナイ。こわい………」

(あー。大失敗です。はあ……)

どうやらアノニマスは固く心を閉ざしてしまった様だ。今回の周回は大失敗だ。これでは流石に残りの日数でセックスまで持ち込むのは難しそうだ。

(…………焦ってしまいましたね。反省です…………)

しょんぼりとしていると怒られて落ち込んだと勘違いしたのかノアは小さくため息を吐く。

「あのさ。………仲良くしたいなら、もっとやりようあるでしょ?………馬鹿なの?………………はあ、アノニマス。謝ってるんだし許してやったら?彼女、悪気は無かったみたいだけど?」

やはりノアは優しい。アノニマスにフォローを入れてくれている。

「ノアさん…………」

思わずうるうると潤む瞳を向けるとノアはうんざりした様な顔だ。

「……………ムリ。サヨナラっ……」

そう言うとアノニマスはタッと駆け出してその場を去ってしまった。

(ああ、やっぱり駄目ですか……。はあ)

「…………………無理だってさ。………今後は無理やり近づいたりするなよ?見つけたらまた、叩く…………」

そう呟くとノアも去って行った。

(…………時を止められなかったのは幸いでしたが、これでは今回アノニマスさんは絶対に無理ですね。………初動を間違えました………。)

アノニマスには今後かなり警戒されるだろう。ノアの目も有る。近づくのは得策じゃない。

(むう。……………なら桜島君の所に行ってみましょうか?)

スタスタと廊下を歩いて目指すは桜島の自室だ。少しグイグイと行ってみて駄目そうならエヴァに行こう。



◇◇◇◇◇◇



「あれ?琴音チャン、どしたのー?俺に用事とかめっずらしー☆あ、食べ物欲しいの?」

顔を出した桜島はキョトンとしてからニカリと笑う。良い人だ。

「あの、いえ。食事は足りてます。……私桜島君と仲良くなりたくて……あの、もし今から良ければ二人でお話しませんか?」

そう告げると桜島はニコニコと微笑む。

「あ。そなの?………ふーん。でもさ、俺アイドルだし、いちお。だから琴音チャンと二人きりとかは無理っぽいかな。……誰かと一緒ならオッケーだよん☆」

(……………やっぱり駄目ですか。)

やはり桜島は見た目やぱっと見のキャラと違い真面目だ。アイドル活動にも真剣に取り組んで居る。だから二人きりになるのは難しそうだ。

「そうですか……。わかりました、それじゃ失礼しますね」

「ごめんねー☆」

ヒラヒラと手を振る桜島に見送られて琴音は一旦自室に戻る。

(むう………。真面目君ですね。今後どう切り崩していきましょうか?………太陽君にしたみたいにエッチしたいってド直球に言ったら絶対に引かれますね……。そしたらまたノアさんが来てしまいます。…………むむ)

桜島とヒロインの緑子なら夜にこっそりダンスと歌の練習をしている桜島とバッタリ出会うイベントが有る。更にはアイドルとしての桜島を知らない緑子に桜島が興味を抱いて仲良くなっていくのだが琴音は桜島がアイドルのハルトだと知っている設定だし、共通ルートの時にはどれだけ夜探し歩いても遭遇しなかった。

(自由タイムの一週間で夜に徘徊していても一度も遭遇した事も今まで無いですし………。うーん。)

考えてみても答えはすぐに出ない。

(仕方ないのです。今回はまたエヴァさんと楽しみましょうか………)

体は処女に戻ったが記憶は有る。一度快感と体を重ねる心地良さを覚えた体は男を欲しくて疼いている。




◇◇◇◇◇◇



エヴァの所に行くと簡単にまた部屋に招かれて琴音は内心でほくそ笑んだ。やっぱりエヴァは楽勝インスタントちんぽだ♡

「エヴァさんとエッチしたいです♡」

前回をなぞる様にそう告げる。今回もすぐさまエヴァに抱かれると思ったのだが何故か今回のエヴァは困惑しているようだ。

「え?…………私に抱かれたいと言う意味かな?…………琴音殿は私を好きなのかな?」

何故か不思議そうな顔で首をかしげられた。そこで琴音はハッと気づく。今回の共通ルートではたまに緑子達を交えて話すくらいで、琴音単体では余り親交を持っていなかった。前回は毎日琴音から会いに行って挨拶と雑談をしていたのだ。

(…………なるほど?……共通ルートでの些細な行動も多少は意味が有るのですね?)

恋愛に直接繋がるような会話や行動は無理だったが顔を合わせるのは多少は意味があったようだ。エヴァが今回動揺しているのは、琴音の真意を測りかねていると言う事だろう。確かにいきなり全く仲良く無い相手から言われたら困惑するだろうなと琴音も思う。

(なるほど。前回は多少の交流があったので私がエヴァさんを好きだとすぐに納得出来たと言うわけですね?………ふむ。なんて答えましょうか?………)

「…………はい。好きです。だからエヴァさんに抱かれたいです。………あの、恋人になろうなんて考えてません。ただ割り切って抱いてくれればそれで良いんです。駄目ですか?」

今回はそう答えてみる。最初から割り切った関係だと伝えた方がお互いにサクッと楽しめると言うものだ。そう考えているとエヴァの瞳に欲の色が宿る。

「へえ?なるほどね。琴音殿はスケベな女性だったんだね。はは♡………本当にそれで良いのかな?後から責任を取れなんて言わないでくれよ?」

そう言ってエヴァは琴音の頬を撫でた。エヴァの鼻息は荒くズボンはテントを張っている。上手く行きそうだ。

「はい♡言いませんよ。………だって、どうせ世界が違うんです。此処を出たらお別れですもん。でも此処にいる間は楽しみたいです♡駄目ですか?」

琴音がそう言うとエヴァはそれもそうだねと爽やかに笑った。





◇◇◇◇◇◇




隣でいびきをかくエヴァを見下ろして琴音はお腹を抑える。

(う…………。やっぱりすぐ寝るんですね、本当にこれは最低です……。うぅおまんこが痛いです。それにエヴァさん、なんだか前の初体験よりも乱暴でした………。お互いに割り切った関係だから気を使わないって事ですか?……なるほど。こちらの答え方によってもこんな変化も有る訳ですね……)

琴音が今回は初めから割り切った関係に同意しているからエヴァは罪悪感を抱かない代わりに好き勝手にされた。前回でも酷かったが今回は更に酷い。何度か優しくして欲しいと声を掛けたがエヴァは全く聞き入れてくれなかった。琴音が恥ずかしがっていると思い込んでいた。

(正直……、ちょっと早まりましたね。……う。痛い………)

ズキズキとする股間を抑えて体を確認すると少し強く掴まれた腕や足が痣になっていた。

(…………………はあ。今度からは、毎回共通ルートでエヴァさんに会いに行っておきましょう。エヴァさんとのセックスは前回の流れが一番良さそうですね。………あれでもまだ優しかったんですね……はあ。)

痛む体にムチを打ち自室に戻りため息を吐く。

(やっぱり膜が破れる時は痛いですね、自分で………出来るでしょうか?)

今回は自分から積極的にエヴァのおちんぽを舐めてその間にクリでオナニーして濡らしたがそれでも挿入の際は激痛だった。

(……………エヴァさんは下手くそですし、自分で中を解すにしてもやり方がわかりません、やっぱり次の周回は和泉先生で決まりです!!!………沢山エッチな事を教えてもらいましょう。)

そう決意してベッドに潜り込む。ズキンズキンと痛むおまんこと何故か少しだけ痛む胸を抑えて琴音は眠りについた。

(…………………前みたいに優しく抱いて欲しいです。エヴァさんの馬鹿…………)








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