41 / 168
アノニマス
11話 また知らない顔☆
しおりを挟む琴音が絶句していると和泉は琴音をぎゅっと抱きしめた。
「お願いです……。琴音さん、………一度だけで良いんです。けして後から君に迷惑は掛けませんから、僕に思い出をくださいっ!!!君を抱きたい………、琴音さん……好きです……」
まるでいつかの和泉と琴音の立場が逆転したみたいだ。
琴音はハッとする。呆けている場合では無い。
(先生が私を好き?一目惚れ……?だから頻繁に視線を感じたんですか?……でも一度セックスすれば諦める?……とんでもないバグです。強制力が働かないのは今回和泉先生は緑子ちゃんに選ばれなかったのでシナリオには影響が無いからですかね?……どうしましょう)
状況はなんとか理解出来た、だがどう返事を返すか悩む。琴音的にはセックス出来るならしたいが今回の周回の琴音は処女だ。和泉はエヴァと琴音が既にセックスをしていると勘違いしている様だが。なんならキスもまだだったので今回の周回の初キスは和泉だ。
(…………………したいですけど…、でも)
脳裏をよぎる幸せそうなエヴァの姿に琴音は罪悪感が湧く。周回がリセットされたのなら気にしないが、今の周回で好きだと言ってくれるエヴァを裏切る事は流石に出来無い。
(流石に………今回は駄目ですよ。エヴァさんは本気で私を好いてくれてますし。私から告白したからそうなった訳ですし裏切れません。………だってもしバレたらきっと傷つきます………)
和泉の気持ちに応えられないのは心苦しいがそれは仕方が無い。琴音は一人しか居ないのだ。どちらの気持ちにも応えることは出来無い。選ぶならどちらか一人、そして琴音は今回はエヴァを選んだ。不要に傷つけるのも本意ではないからだ。いくら周回毎にリセットされるとしても故意に人を傷つける様な事はしたくは無い。
「……………和泉先生…。あの、私エヴァさんとはまだ何もしてません。キスもまだなんです。……だから先生とセックスは出来ません。エヴァさんを裏切れません」
そう告げると和泉の目がギラギラとした光を宿らせた。琴音はそんな風に感じた、背筋がぞわりとする様なそんな瞳だ。
「じゃあキスは僕が初めてなんだ?…………そう。…………っ…………僕が初めて…ふ……っ…」
ムクムクと和泉の股間がテントを張って琴音はビクリと肩を揺らした。初めてのキスだと告げたのは失敗だったかも知れない。
(おっと………、火に油でしたか?もしかして無理矢理………レイプされちゃったりします?…………………無理矢理なら仕方無いですかね?)
抵抗せずにヤラれちゃいなよ☆不可抗力だから浮気じゃないよ♡と悪魔がまた琴音に囁くが和泉は琴音に襲い掛かって来るでもなく股間を漲らせて琴音の事を上から下まで舐め回すように見ている。
(うわぁ…………。和泉先生ってそんな顔もするんですね?)
今までの周回のセックスでは興奮していても常に余裕綽々な大人の男と言う顔だった。なのに今の和泉はハァハァと息を荒くして琴音の谷間を食い入る様に見つめている。太ももやお尻にも視線を感じる。何時もは優しげに細められている瞳は血走っている様にすら感じられる。ぺろりと無意識なのか唇を舐める姿は少し怖い。
(ええ?和泉先生……。な、なんだかイメージが崩れちゃいます……。これもバグの影響なんでしょうか?)
これでは最初のエヴァの様だ。和泉とエヴァが入れ替わってしまった様にすら感じる。
(…………そう言うバグなのでしょうか?………うわぁ。地味に嫌なバグですね………)
そう考えていると和泉はハァハァと呼吸を荒げながら口を開いた。酷く興奮しているからだろうか声は少し掠れていた。
「こ……琴音さん。お願いです……、流石に処女なら、それを僕が奪う訳には行きませんよね。………なら最後までしなくても良いので、僕に少し君の体を見せてください。…………見るだけで良いですから……、ね?お願いです琴音さん……ハァハァ………見ながら僕が自分でしますから、琴音さんは僕を見ていてください。お願いします………、絶対に手は出しませんから………ハァハァ………服を脱いでください………」
(ええ?………それってどうなんでしょうか?浮気になりますよね?…………。どうせなら無理矢理襲ってくれれば良いのに。そうすれば不可抗力なのに………)
そうは思うが優しい和泉はいくらバグ和泉でも、無理矢理レイプなんてしないだろう。
「あの……、先生流石にそれは………」
琴音が断りを入れようとすると和泉は土下座した。頭を床にこれでもかと擦りつけている。
「お願いしますっ!!!!!!お願いしますっ!!!!…………いつ死ぬかも分からないこんな状況です。お願い………します……。思い出が欲しいんです……。君が好きなんです。……でもエヴァさんと君の仲を壊そうなんて考えてません。ちゃんと諦めますから……だからお願いです、一度だけ僕に夢を見させて………琴音さん……そうすればこんな状況でも、頑張って生きて行けます…」
(ひええええ!!!!!和泉先生が土下座?!あわわわわ!!!!!これは心臓に悪いですっ!!!!…………、うぅ……エヴァさんに対して罪悪感は有りますけど。でも最後までしないのなら。…………)
困惑と驚愕で琴音の心はグラグラと揺れ動く。そんな琴音の様子に気がついたのか和泉はまたお願いしますと何度も言うと頭を下げ続けている。必死なその姿に琴音の心は決まった。
(……………和泉先生は絶対に死なないって知らないんですもんね。なら仕方無いかなぁ?見せるだけですもんね?ならギリギリセーフですよね?うん。そうです。ギリセーフです。………見せるだけかぁ。また生殺しです。はあ………)
◇◇◇◇◇◇
琴音が服を脱いでベッドに寝転ぶと和泉はガチガチに勃起したペニスを取り出して全裸の琴音を見下ろしてシコシコと扱いている。
「琴音さん……。凄く綺麗です♡……小柄なのにおっぱいは大きいんですね♡凄い……想像以上です♡凄くエッチな体です……。っ………琴音さん……自分で胸を触ってみて?もみもみって優しく揉んでみてください」
指示を出されるので琴音はそれに従う。
(和泉先生に指示されるの凄く久しぶりな気がしますね……。)
和泉に指示を出された最初のエッチな行為は体感的には既に半年程前だ。なんだか懐かしい。
(あの頃は本当にエッチ出来るとは実際思ってませんでしたけど、今はこんな事しちゃってます………。でもまだ二人だけなんですよね。…………一応アノさんにはフェラは出来ましたけど………先は長いですね……。)
考えながら胸をもみもみしていると和泉はじっとそれを眺めている。
「ああ………、琴音さん……凄く柔らかそうなおっぱいですね。指が埋まって……形を変えて凄くいやらしい♡………触りたい………っ…………は…ふ………っ……」
先走りがたらりと流れるおちんぽを擦りながら泣きそうな顔を赤くしている和泉を見ていると興奮して琴音のおまんこは濡れてくる。
(うわぁ……。先生凄くいやらしい顔です。そんな顔もするんですね?………へえ………なんか可愛い)
珍しい和泉の表情をじっと見ていると和泉と目が合う。上下に早く動いていた和泉の手は止まり琴音の濡れそぼるおまんこへと視線が向いた。
「琴音さん。………足を開いて僕におまんこを見せてください……。絶対触りません。見るだけですから………」
「…………ん。はい、先生」
言われるがまま足を開くとクチュリと水音が鳴る。もうおまんこはびちょびちょだ。
「………………凄く濡れてる」
そう呟くと和泉は四つん這いでそこへと顔を近づけた。吐息がかかる程の距離で琴音のおまんこを見ながら和泉はシコシコと自分でおちんぽを扱いて泣きそうな声を零している。
「ああ………、凄い………っ……これが琴音さんのおまんこ。………っ………はあ…っ……琴音さん、琴音さん、君が好きです……好き……、君の処女が欲しい……っ……は……ごめんね……。……でも無理矢理なんて……しませんからっ……っ琴音さん……ふ………ん……、っ……」
(和泉先生。…………処女は面倒だって言っていたのに。本気で好きになるとこうなるんですね……。)
「琴音さん………キス……。キスだけお願いします、さっきしたんですから良いですよね?お願いです。キスしながらイきたい」
(和泉先生の言う通り。キスはさっきしちゃいましたし、2回も3回も一緒ですよね?………これも浮気じゃ無いです)
「はい、和泉先生。キスしてください」
瞳を閉じるとすぐに和泉は琴音の唇を塞いで舌を差し込んでじっくりと味わう様に舌で口内を舐め回した。
「ん……ふぁ………っ……ことねさ……♡っ………すき………っん……♡」
「っ…………んぁ………は…………っ……」
ぴちゃぴちゃと舌を絡めていると和泉はぶるりと震えて白濁を手のひらに吐き出す。それからポロポロと涙を流した。
「………………琴音さん。ありがとう……ございました。僕これでまた頑張れます。……っ………ごめんね。ちゃんと諦めますから……………ぅ………好きです……うぅ……すき……………」
泣いている和泉を琴音はただ黙って見ている事しか出来なかった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
778
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる