背徳のマスカレイド 最終章

二人の過ごし方

翔と美麗は、週に一回程度、SMバー「マスカレイドの誘い」で待ち合わせたり、あるいは、朝から会って、ホテルでPlayをしたあと、同伴して店に行き、また、近くのホテルに泊まって帰るというのが定番のデートだった。

そのうちの月に一回程度は、露天風呂付きの客室であったり、専用ラウンジのある高級旅館で二人だけの時間を過ごした。彼はそんなプチ旅行にいく度に、お土産物もふんだんに買ってくれたし、自宅近くまでの送り迎えも当然のようにしてくれていた。

プレゼントは、日常的だったが、特に大きなものは時計であったり、15万程の宝石の指輪であった。

しかし、残るものに拘っていたのか、現金を渡すということはしなかった。

それから、こんな時代なのに、なぜか彼は、自分の誕生日を暗証番号にしていたため、表向きは嘘の誕生日を記していたため、SMSなどでおめでとうと言ったり、誕生日を祝うことは出来なかった。

かといって嘘の誕生日の日に、おめでとうと書き込むのもなんだか違う気がして、美麗はしなかった。

マスカレイドの定連達から、あまり評判が芳しくなかった翔だったが、それでも、一部の美麗と仲の良い常連の何人かは、「美麗の新しい彼、かっこいい人やね」とか言う人もいるにはいた。

特にお金遣いに関しては、なかなかいないほど、羽振りが良かったからかもしれないが…