75 / 97
美しく咲かせるために
誘導された相談
しおりを挟む
一週間後、打ち合わせ通りアインバッハ公爵家に滞在しているララスティが体調不良になったということで、カイルがお見舞いに行った。
そのタイミングで偶然エミリアもララスティのお見舞いに訪ねてきた。
という前提でコールストと仕事の話で訪れていたルドルフとの話し合いが行われた。
「なるほど、それで王命で婚約を円満に解消したいということか」
ルドルフが一連の話を聞いてため息交じりに言うと、カイルが神妙な顔をして頷く横で、エミリアが自慢気な顔をしてカイルの腕に抱き着いた。
ララスティはそんな二人を優しい笑みを浮かべて一瞥すると、ルドルフに頷いてみせた。
「ララスティも同意しているようだし、婚約解消はいいが……私がそれに協力するメリットは?」
「メリットって、そんなの王太子のカイル殿下の役に立つんだからそれでいいじゃないですか」
エミリアがルドルフにそう言うが、そんなエミリアに対してルドルフは冷めた視線を向けた。
「王命に逆らう行動に協力をするんだ。私の立場を考えれば、下手をすれば叛意を疑われるかもしれない。その状況で、あえてカイルに協力する意味は? ララスティが王太子妃に選ばれたのは様々な理由があるが、君がすぐに取って代われるものではない。わかりやすく言えば、君がララスティの代わりに王太子妃になるメリットがないんだよ」
「なっ!」
ルドルフの言葉にエミリアが顔を真っ赤にするが、ララスティがエミリアが何かを言う前に口を開く。
「ルドルフ様、わたくしはカイル殿下と婚約当初に約束をしております。確かに陛下には承諾を得ていませんが、どちらかに好きな人ができれば円満に婚約解消するために協力すると言っておりますの」
「ふむ」
ララスティの言葉にルドルフは考えるそぶりを見せ、ララスティが納得しているのなら仕方がないとため息をついた。
「婚約を円満に解消するにあたり、少なくともエミリア嬢がララスティよりも優れていると周囲に納得させる必要がある」
「お姉様より優れてるって……、同じランバルト公爵家の娘なんだからそういうの必要なくないですか?」
エミリアはあくまでもララスティがランバルト公爵家の娘だから婚約者になっていると思っているため文句を言おうとするが、カイルが「確かに」と頷いたので何も言えなくなってしまう。
「何か一つでもいいんだ。ララスティ嬢よりも僕の婚約者にふさわしいと示すことができれば、周囲も納得してくれると思う」
「そんな……」
エミリアは苦々しい顔でララスティを睨みつけるが、カイルが横に居るからか何も言うことが出来ない。
その様子を見て、ルドルフはクスリと笑う。
「もしくは、ララスティの評判が王太子妃にふさわしくないとなれば……かな」
「叔父上、ララスティ嬢は何も悪くないのに」
カイルがそうルドルフに文句を言う横で、エミリアが秘かに顔を輝かせたが、もちろんララスティとルドルフはしっかりとそれを見ている。
このルドルフの台詞は事前の打ち合わせ通りであり、ララスティとしてはこの後のエミリアの行動を手助けすべく次の言葉を放つ。
「わたくしの評判はともかく、エミリアさんの評判をあげることは必要だと思いますわ。以前の騒ぎのせいでお父様やお義母様だけではなく、エミリアさんも評判を落としておりますもの」
言うまでもなく、四月に行われたパーティーでの騒ぎだ。
あれ以来ランバルト公爵家の評判は地に落ちている。
もちろん評判を回復させようとシシルジアが各所のお茶会に出席してフォローをしたが、クロエがそれを上回る醜態をさらし続けたため何の意味もなかった。
アーノルトも貴族間で評判を下げたが、それ以上にその後に自分で挽回をしなかったこと、なによりもルドルフに対する文句を周囲に話したことで、より評判を悪くしている。
エミリア自身はそのことは知らないが、招待されるお茶会で、自分に対するよそよそしさを察することが出来ないあたり、やはり二人の血を引いているのだとわかってしまう。
「評判を落としてるとか、そんなの関係なくないですか? あたしとカイル殿下は愛し合ってるんですよ!」
「なんの地位も責任もない平民であれば関係ないかもしれませんが、わたくし達はそうはいきませんわ」
ララスティがそう言うと、カイルも頷く。
「ララスティ嬢の言う通りだよ。貴族である以上責任が発生してしまう。もちろん、エミリア嬢がそんなものはどうでもいいと言うのなら、方法はあるけど……」
「そうなんですか!? だったらその方法を選びましょうよ!」
エミリアが満面の笑みを浮かべて言うと、カイルがにっこりと微笑む。
その微笑みを見てルドルフが一瞬だけ目を細めるが、すぐに元の表情になる。
「まあ、どちらにせよ婚約解消をするには兄上を納得させる必要がある。それに、私はララスティとカイルの仲を取り持つように動いていたから、急に態度を変えれば兄上が疑ってしまうだろうな」
「確かに」
カイルがそう言って考え込んだタイミングで、ルドルフが「仕方がない」とため息をついた。
「社交界ではカイルがランバルト公爵家に通っていることも不評だ」
「え!?」
そのことは初耳なのか、カイルが驚いたようにルドルフを見る。
「当然だろう。エミリア嬢とカイルのことは社交界では有名な醜聞だ。むしろララスティに会うという建前にして、堂々と逢瀬をするようになったと言われているぞ」
「そんな! 言いがかりです!」
エミリアがルドルフの言葉に反論するように言うが、カイルはそのような噂があるのかとため息を吐くだけだった。
「この状態でカイルとララスティの仲を進めるために、婚約者の交流のためのお茶会は、王宮に限定すべきだと言おうと思っていたところなんだ」
ルドルフはそう言って、「それもこの状況では難しいな」と肩を落とす。
「かといって、今の状態でランバルト公爵家で逢瀬を重ねても、カイルとエミリア嬢の仲は認められないだろうな」
「どうしてですか!」
「正式な婚約者であるララスティから、君がカイルを略奪したと言われるからだ」
「だから! あたしたちは愛し合って結ばれてるんです! 愛の無いお姉様とは違います!」
エミリアの主張にルドルフは「そんなことはどうでもいい」とあっさりと切り捨てるように言う。
「大切なのは建前だ。特に、ララスティは帝国の後ろ盾が強くなってきているしね」
ルドルフの言葉にエミリアが首をかしげる。
「わたくしの又従弟であるクルルシュ皇子が、年に二度ほど公式訪問することが決定しておりますの。その接待役として、わたくしが選ばれておりますのよ」
「ふーん」
意味を理解していないエミリアに、カイルが苦笑する。
「エミリア嬢、ララスティ嬢が帝国皇族の血を引いているのは知っているよね」
「へえ、そうなんですか」
興味がなさそうに言うエミリアにカイルは一瞬だけ目を細めるが、子供に言い聞かせるように優しく言葉を続ける。
「そんなララスティ嬢が改めて帝国との繋がりを示しているんだ」
「……え? どうしてですか?」
理解していないエミリアにカイルが帝国の皇子の接待をするというのは、帝国との繋がりを示していると改めて説明する。
「特に今回は向こうからララスティ嬢を指名してのことなんだ。帝国がララスティ嬢を重視しているのは……わかるよね?」
「えっ……あー、はい」
理解しているのか微妙な返事ではあるが、エミリアに期待していないのかルドルフ達が気にしていない。
ララスティの後ろに帝国という大きな存在があり、そのララスティと王太子であるカイルがいずれ結婚することは、国にとって重要な意味がある。
アインバッハ公爵家が途絶えてしまえば、アマリアスが持参金として持って来た穀倉地帯をどうするか国際問題になる可能性があるが、ララスティとカイルの結婚祝いとして正式にアンソニアン王家にその土地が譲渡されれば、国は当面安泰と言えるのだ。
そこまで説明しても、エミリアはいまいちわかっていないようで、とにかくララスティとカイルの結婚が周囲に望まれているとだけ理解し、機嫌を悪くしている。
「エミリアさんがカイル殿下の婚約者として認められるには、そういったメリットを越えるなにかを示さなければいけませんのよ」
何度目かになる言葉に、エミリアが苛立ったように大きく息を吐きだす。
「でもそれって、そっちの勝手な言い分ですよね? 愛し合うあたしとカイル殿下が努力するのっておかしいと思うんです!」
クロエはなんの努力もしていなかったが、アーノルトと結ばれた。とエミリアは主張する。
その言葉にララスティだけでなくカイルも苦笑してしまうが、エミリアの中では正当性を持った言葉なのだ。
「…………つまり君は努力することなくカイルと結ばれたいと?」
「あたしは努力する必要がないって言ってるんです!」
エミリアの言葉にルドルフは笑う。
「なんともあの親の子供らしい言葉だ」
その言葉にエミリアは眉間にしわを寄せるが、何か言う前にルドルフが次の言葉を放った。
「君が努力しないでカイルの婚約者として認められる方法はいくつかある」
「それってなんですか!?」
食らいつくように言うエミリアに、ルドルフはにっこりと笑う。
「さっきも言ったように、ララスティの評判を落とすことも手段の一つ。君が有力貴族を味方につけるという方法もある。つまりは、ランバルト公爵家以外の後見を見つけると言う事だ。そもそも、努力をしない貴族など論外だし、貴族として残るのであればこの二つが効果的な方法だな」
「ふーん、そうなんですね。じゃあ、お姉様の評判を下げるにはどうしたらいいですか?」
悪気もなく当然のように言うエミリアに、ルドルフとララスティは大笑いしそうになるのを堪え、困ったように微笑む。
「何事にも準備と段階が必要なのはわかるかな?」
「なんですか、それ」
ルドルフの言葉に眉を顰めるエミリア。
「ララスティとカイルの婚約解消に向けて、まずは下地を作ろうじゃないか」
「下地……」
訝し気に言うエミリアにルドルフはにっこりと頷いた。
そのタイミングで偶然エミリアもララスティのお見舞いに訪ねてきた。
という前提でコールストと仕事の話で訪れていたルドルフとの話し合いが行われた。
「なるほど、それで王命で婚約を円満に解消したいということか」
ルドルフが一連の話を聞いてため息交じりに言うと、カイルが神妙な顔をして頷く横で、エミリアが自慢気な顔をしてカイルの腕に抱き着いた。
ララスティはそんな二人を優しい笑みを浮かべて一瞥すると、ルドルフに頷いてみせた。
「ララスティも同意しているようだし、婚約解消はいいが……私がそれに協力するメリットは?」
「メリットって、そんなの王太子のカイル殿下の役に立つんだからそれでいいじゃないですか」
エミリアがルドルフにそう言うが、そんなエミリアに対してルドルフは冷めた視線を向けた。
「王命に逆らう行動に協力をするんだ。私の立場を考えれば、下手をすれば叛意を疑われるかもしれない。その状況で、あえてカイルに協力する意味は? ララスティが王太子妃に選ばれたのは様々な理由があるが、君がすぐに取って代われるものではない。わかりやすく言えば、君がララスティの代わりに王太子妃になるメリットがないんだよ」
「なっ!」
ルドルフの言葉にエミリアが顔を真っ赤にするが、ララスティがエミリアが何かを言う前に口を開く。
「ルドルフ様、わたくしはカイル殿下と婚約当初に約束をしております。確かに陛下には承諾を得ていませんが、どちらかに好きな人ができれば円満に婚約解消するために協力すると言っておりますの」
「ふむ」
ララスティの言葉にルドルフは考えるそぶりを見せ、ララスティが納得しているのなら仕方がないとため息をついた。
「婚約を円満に解消するにあたり、少なくともエミリア嬢がララスティよりも優れていると周囲に納得させる必要がある」
「お姉様より優れてるって……、同じランバルト公爵家の娘なんだからそういうの必要なくないですか?」
エミリアはあくまでもララスティがランバルト公爵家の娘だから婚約者になっていると思っているため文句を言おうとするが、カイルが「確かに」と頷いたので何も言えなくなってしまう。
「何か一つでもいいんだ。ララスティ嬢よりも僕の婚約者にふさわしいと示すことができれば、周囲も納得してくれると思う」
「そんな……」
エミリアは苦々しい顔でララスティを睨みつけるが、カイルが横に居るからか何も言うことが出来ない。
その様子を見て、ルドルフはクスリと笑う。
「もしくは、ララスティの評判が王太子妃にふさわしくないとなれば……かな」
「叔父上、ララスティ嬢は何も悪くないのに」
カイルがそうルドルフに文句を言う横で、エミリアが秘かに顔を輝かせたが、もちろんララスティとルドルフはしっかりとそれを見ている。
このルドルフの台詞は事前の打ち合わせ通りであり、ララスティとしてはこの後のエミリアの行動を手助けすべく次の言葉を放つ。
「わたくしの評判はともかく、エミリアさんの評判をあげることは必要だと思いますわ。以前の騒ぎのせいでお父様やお義母様だけではなく、エミリアさんも評判を落としておりますもの」
言うまでもなく、四月に行われたパーティーでの騒ぎだ。
あれ以来ランバルト公爵家の評判は地に落ちている。
もちろん評判を回復させようとシシルジアが各所のお茶会に出席してフォローをしたが、クロエがそれを上回る醜態をさらし続けたため何の意味もなかった。
アーノルトも貴族間で評判を下げたが、それ以上にその後に自分で挽回をしなかったこと、なによりもルドルフに対する文句を周囲に話したことで、より評判を悪くしている。
エミリア自身はそのことは知らないが、招待されるお茶会で、自分に対するよそよそしさを察することが出来ないあたり、やはり二人の血を引いているのだとわかってしまう。
「評判を落としてるとか、そんなの関係なくないですか? あたしとカイル殿下は愛し合ってるんですよ!」
「なんの地位も責任もない平民であれば関係ないかもしれませんが、わたくし達はそうはいきませんわ」
ララスティがそう言うと、カイルも頷く。
「ララスティ嬢の言う通りだよ。貴族である以上責任が発生してしまう。もちろん、エミリア嬢がそんなものはどうでもいいと言うのなら、方法はあるけど……」
「そうなんですか!? だったらその方法を選びましょうよ!」
エミリアが満面の笑みを浮かべて言うと、カイルがにっこりと微笑む。
その微笑みを見てルドルフが一瞬だけ目を細めるが、すぐに元の表情になる。
「まあ、どちらにせよ婚約解消をするには兄上を納得させる必要がある。それに、私はララスティとカイルの仲を取り持つように動いていたから、急に態度を変えれば兄上が疑ってしまうだろうな」
「確かに」
カイルがそう言って考え込んだタイミングで、ルドルフが「仕方がない」とため息をついた。
「社交界ではカイルがランバルト公爵家に通っていることも不評だ」
「え!?」
そのことは初耳なのか、カイルが驚いたようにルドルフを見る。
「当然だろう。エミリア嬢とカイルのことは社交界では有名な醜聞だ。むしろララスティに会うという建前にして、堂々と逢瀬をするようになったと言われているぞ」
「そんな! 言いがかりです!」
エミリアがルドルフの言葉に反論するように言うが、カイルはそのような噂があるのかとため息を吐くだけだった。
「この状態でカイルとララスティの仲を進めるために、婚約者の交流のためのお茶会は、王宮に限定すべきだと言おうと思っていたところなんだ」
ルドルフはそう言って、「それもこの状況では難しいな」と肩を落とす。
「かといって、今の状態でランバルト公爵家で逢瀬を重ねても、カイルとエミリア嬢の仲は認められないだろうな」
「どうしてですか!」
「正式な婚約者であるララスティから、君がカイルを略奪したと言われるからだ」
「だから! あたしたちは愛し合って結ばれてるんです! 愛の無いお姉様とは違います!」
エミリアの主張にルドルフは「そんなことはどうでもいい」とあっさりと切り捨てるように言う。
「大切なのは建前だ。特に、ララスティは帝国の後ろ盾が強くなってきているしね」
ルドルフの言葉にエミリアが首をかしげる。
「わたくしの又従弟であるクルルシュ皇子が、年に二度ほど公式訪問することが決定しておりますの。その接待役として、わたくしが選ばれておりますのよ」
「ふーん」
意味を理解していないエミリアに、カイルが苦笑する。
「エミリア嬢、ララスティ嬢が帝国皇族の血を引いているのは知っているよね」
「へえ、そうなんですか」
興味がなさそうに言うエミリアにカイルは一瞬だけ目を細めるが、子供に言い聞かせるように優しく言葉を続ける。
「そんなララスティ嬢が改めて帝国との繋がりを示しているんだ」
「……え? どうしてですか?」
理解していないエミリアにカイルが帝国の皇子の接待をするというのは、帝国との繋がりを示していると改めて説明する。
「特に今回は向こうからララスティ嬢を指名してのことなんだ。帝国がララスティ嬢を重視しているのは……わかるよね?」
「えっ……あー、はい」
理解しているのか微妙な返事ではあるが、エミリアに期待していないのかルドルフ達が気にしていない。
ララスティの後ろに帝国という大きな存在があり、そのララスティと王太子であるカイルがいずれ結婚することは、国にとって重要な意味がある。
アインバッハ公爵家が途絶えてしまえば、アマリアスが持参金として持って来た穀倉地帯をどうするか国際問題になる可能性があるが、ララスティとカイルの結婚祝いとして正式にアンソニアン王家にその土地が譲渡されれば、国は当面安泰と言えるのだ。
そこまで説明しても、エミリアはいまいちわかっていないようで、とにかくララスティとカイルの結婚が周囲に望まれているとだけ理解し、機嫌を悪くしている。
「エミリアさんがカイル殿下の婚約者として認められるには、そういったメリットを越えるなにかを示さなければいけませんのよ」
何度目かになる言葉に、エミリアが苛立ったように大きく息を吐きだす。
「でもそれって、そっちの勝手な言い分ですよね? 愛し合うあたしとカイル殿下が努力するのっておかしいと思うんです!」
クロエはなんの努力もしていなかったが、アーノルトと結ばれた。とエミリアは主張する。
その言葉にララスティだけでなくカイルも苦笑してしまうが、エミリアの中では正当性を持った言葉なのだ。
「…………つまり君は努力することなくカイルと結ばれたいと?」
「あたしは努力する必要がないって言ってるんです!」
エミリアの言葉にルドルフは笑う。
「なんともあの親の子供らしい言葉だ」
その言葉にエミリアは眉間にしわを寄せるが、何か言う前にルドルフが次の言葉を放った。
「君が努力しないでカイルの婚約者として認められる方法はいくつかある」
「それってなんですか!?」
食らいつくように言うエミリアに、ルドルフはにっこりと笑う。
「さっきも言ったように、ララスティの評判を落とすことも手段の一つ。君が有力貴族を味方につけるという方法もある。つまりは、ランバルト公爵家以外の後見を見つけると言う事だ。そもそも、努力をしない貴族など論外だし、貴族として残るのであればこの二つが効果的な方法だな」
「ふーん、そうなんですね。じゃあ、お姉様の評判を下げるにはどうしたらいいですか?」
悪気もなく当然のように言うエミリアに、ルドルフとララスティは大笑いしそうになるのを堪え、困ったように微笑む。
「何事にも準備と段階が必要なのはわかるかな?」
「なんですか、それ」
ルドルフの言葉に眉を顰めるエミリア。
「ララスティとカイルの婚約解消に向けて、まずは下地を作ろうじゃないか」
「下地……」
訝し気に言うエミリアにルドルフはにっこりと頷いた。
223
あなたにおすすめの小説
ねえ、今どんな気持ち?
かぜかおる
ファンタジー
アンナという1人の少女によって、私は第三王子の婚約者という地位も聖女の称号も奪われた
彼女はこの世界がゲームの世界と知っていて、裏ルートの攻略のために第三王子とその側近達を落としたみたい。
でも、あなたは真実を知らないみたいね
ふんわり設定、口調迷子は許してください・・・
悪役令嬢の慟哭
浜柔
ファンタジー
前世の記憶を取り戻した侯爵令嬢エカテリーナ・ハイデルフトは自分の住む世界が乙女ゲームそっくりの世界であり、自らはそのゲームで悪役の位置づけになっている事に気付くが、時既に遅く、死の運命には逆らえなかった。
だが、死して尚彷徨うエカテリーナの復讐はこれから始まる。
※ここまでのあらすじは序章の内容に当たります。
※乙女ゲームのバッドエンド後の話になりますので、ゲーム内容については殆ど作中に出てきません。
「悪役令嬢の追憶」及び「悪役令嬢の徘徊」を若干の手直しをして統合しています。
「追憶」「徘徊」「慟哭」はそれぞれ雰囲気が異なります。
お姉様のお誕生日を祝うのが、なぜ我儘なの?
月白ヤトヒコ
ファンタジー
健康で、元気なお姉様が羨ましかったの。
物心付いたときから、いつも体調が悪かった。いつもどこかが苦しかった。
お母様が側にいてくれて、ずっと看病してくれた。お父様は、わたしのお医者様の費用やお薬代を稼ぐのが大変なんだってお母様が言ってた。
わたし、知らなかったの。
自分が苦しかったから。お姉様のことを気にする余裕なんてなかったの。
今年こそは、お姉様のお誕生日をお祝いしたかった……んだけど、なぁ。
お姉様のお誕生日を祝うのが、なぜ我儘なの?
※『わたくしの誕生日を家族で祝いたい、ですか? そんな我儘仰らないでくださいな。』の、妹視点。多分、『わたくしの誕生日を~』を先に読んでないとわかり難いかもです。
設定はふわっと。
悪役令嬢は永眠しました
詩海猫(8/29書籍発売)
ファンタジー
「お前のような女との婚約は破棄だっ、ロザリンダ・ラクシエル!だがお前のような女でも使い道はある、ジルデ公との縁談を調えてやった!感謝して公との間に沢山の子を産むがいい!」
長年の婚約者であった王太子のこの言葉に気を失った公爵令嬢・ロザリンダ。
だが、次に目覚めた時のロザリンダの魂は別人だった。
ロザリンダとして目覚めた木の葉サツキは、ロザリンダの意識がショックのあまり永遠の眠りについてしまったことを知り、「なぜロザリンダはこんなに努力してるのに周りはクズばっかりなの?まかせてロザリンダ!きっちりお返ししてあげるからね!」
*思いつきでプロットなしで書き始めましたが結末は決めています。暗い展開の話を書いているとメンタルにもろに影響して生活に支障が出ることに気付きました。定期的に強気主人公を暴れさせないと(?)書き続けるのは不可能なようなのでメンタル状態に合わせて書けるものから書いていくことにします、ご了承下さいm(_ _)m
【完結】王都に咲く黒薔薇、断罪は静かに舞う
なみゆき
ファンタジー
名門薬草家の伯爵令嬢エリスは、姉の陰謀により冤罪で断罪され、地獄の収容所へ送られる。 火灼の刑に耐えながらも薬草の知識で生き延び、誇りを失わず再誕を果たす。
3年後、整形と記録抹消を経て“外交商人ロゼ”として王都に舞い戻り、裏では「黒薔薇商会」を設立。
かつて自分を陥れた者たち
――元婚約者、姉、王族、貴族――に、静かに、美しく、冷酷な裁きを下していく。
これは、冤罪や迫害により追い詰められた弱者を守り、誇り高く王都を裂く断罪の物語。
【本編は完結していますが、番外編を投稿していきます(>ω<)】
*お読みくださりありがとうございます。
ブクマや評価くださった方、大変励みになります。ありがとうございますm(_ _)m
罠にはめられた公爵令嬢~今度は私が報復する番です
結城芙由奈@コミカライズ連載中
ファンタジー
【私と私の家族の命を奪ったのは一体誰?】
私には婚約中の王子がいた。
ある夜のこと、内密で王子から城に呼び出されると、彼は見知らぬ女性と共に私を待ち受けていた。
そして突然告げられた一方的な婚約破棄。しかし二人の婚約は政略的なものであり、とてもでは無いが受け入れられるものではなかった。そこで婚約破棄の件は持ち帰らせてもらうことにしたその帰り道。突然馬車が襲われ、逃げる途中で私は滝に落下してしまう。
次に目覚めた場所は粗末な小屋の中で、私を助けたという青年が側にいた。そして彼の話で私は驚愕の事実を知ることになる。
目覚めた世界は10年後であり、家族は反逆罪で全員処刑されていた。更に驚くべきことに蘇った身体は全く別人の女性であった。
名前も素性も分からないこの身体で、自分と家族の命を奪った相手に必ず報復することに私は決めた――。
※他サイトでも投稿中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる