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フラグス編
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「きゃぁ!なにしてるんですか!?」
「っ!」
突然聞こえてきた声に振り向けばそこにはパラディ様とその仲の良いお友達がいらっしゃいました。もちろん皇太子様もおいでです。
嫌なシーンを見られてしまいましたが、今日はそういうことが許される日なのですからここ八見て見ぬふりをする場面なのですけれども、パラディ様は立ち去る気配はないようですわね。
「信じられません。皇太子様の婚約者なのに浮気だなんて!」
「まあ、どなたのことをおっしゃっているのでしょうか?今宵は仮面舞踏会、全ては無礼講ですわよ」
「何言ってるんですか、まんまフラグス様じゃないですか」
話しが通じませんわね。
「開いてはトゥルフ様ですよね。酷いですトゥルフ様、私と一緒にいてくれるって約束してくれたのにいないから探してたらこんなところで浮気してるなんて」
「約束した覚えなどないけれどな」
「今度の仮面舞踏会は楽しみですねってお話したじゃないですか」
「それだけで約束したことになるとは驚きだ」
「だって!一緒に行こうって言ったときに頷いて下ったじゃないですか」
「そんな覚えはないな」
「ひどい!そんなこというなんて、フラグス様の前だからって取り繕わなくっていいんですよ」
「本当にそんな覚えはない。君の妄想癖にも付き合っていられない」
「妄想癖だなんてひどいことをいわないでくださいよ!」
ぷん、と頬を膨らませたパラディ様はかわいらしいとは決して言えませんでした。妖艶な美女がやってもあまり効果はない表情なのですわね。
それにしてもトゥルフ様にまでやはりちょっかいをかけていたのですか、本当に胸がむかつきますわね。
「パラディ様、でよろしいのかしら?仮面舞踏会の意味をご存じないようでしたら今すぐお友達と一緒に帰ったほうがよろしくってよ」
「はあ?仮面舞踏会の意味ぐらい分かってますよ」
「では念のためどのようなものだと思っておりますの?」
「いい男を捕まえるための物です」
「……然様ですか。で、捕まりましたか?」
「それがなかなか。まあ、めぼしい人は見つけたんでこれからアタックするところです」
仲の良いお友達の前で堂々というから、ほら、お友達の方々が苦虫をかみつぶしたような顔になってしまっているではありませんか。
特に皇太子様、そのお顔はどうにかなさいませんと、しわが残ってしまうのではないでしょうか?
「フラグス」
「なんでしょうか、皇太子様」
「こんなところで密通をしているようなお前と結婚などできない!婚約破棄だ!」
「まあ…」
仮面舞踏会とはいえ、この舞踏会には様々な方々が参加しています。
その中で大声で私の名前と婚約破棄という単語をしてしまわれました。
どうしたものでしょうか?夜会の余興とすべきか、このまま進めてしまうべきか悩んでしまいますね。
皇太子様はおもむろに仮面を脱いで私を指さします。
「浮気女に用はない!」
「浮気でございますか」
もとより皇太子様との間に愛はないのですから浮気も何もないと思うのですけれども、どうしましょうか。
それよりも仮面を取ってしまうだなんて何を考えているのでしょうか?これでは余興にすることが出来なくなってしまいますわ。
「っ!」
突然聞こえてきた声に振り向けばそこにはパラディ様とその仲の良いお友達がいらっしゃいました。もちろん皇太子様もおいでです。
嫌なシーンを見られてしまいましたが、今日はそういうことが許される日なのですからここ八見て見ぬふりをする場面なのですけれども、パラディ様は立ち去る気配はないようですわね。
「信じられません。皇太子様の婚約者なのに浮気だなんて!」
「まあ、どなたのことをおっしゃっているのでしょうか?今宵は仮面舞踏会、全ては無礼講ですわよ」
「何言ってるんですか、まんまフラグス様じゃないですか」
話しが通じませんわね。
「開いてはトゥルフ様ですよね。酷いですトゥルフ様、私と一緒にいてくれるって約束してくれたのにいないから探してたらこんなところで浮気してるなんて」
「約束した覚えなどないけれどな」
「今度の仮面舞踏会は楽しみですねってお話したじゃないですか」
「それだけで約束したことになるとは驚きだ」
「だって!一緒に行こうって言ったときに頷いて下ったじゃないですか」
「そんな覚えはないな」
「ひどい!そんなこというなんて、フラグス様の前だからって取り繕わなくっていいんですよ」
「本当にそんな覚えはない。君の妄想癖にも付き合っていられない」
「妄想癖だなんてひどいことをいわないでくださいよ!」
ぷん、と頬を膨らませたパラディ様はかわいらしいとは決して言えませんでした。妖艶な美女がやってもあまり効果はない表情なのですわね。
それにしてもトゥルフ様にまでやはりちょっかいをかけていたのですか、本当に胸がむかつきますわね。
「パラディ様、でよろしいのかしら?仮面舞踏会の意味をご存じないようでしたら今すぐお友達と一緒に帰ったほうがよろしくってよ」
「はあ?仮面舞踏会の意味ぐらい分かってますよ」
「では念のためどのようなものだと思っておりますの?」
「いい男を捕まえるための物です」
「……然様ですか。で、捕まりましたか?」
「それがなかなか。まあ、めぼしい人は見つけたんでこれからアタックするところです」
仲の良いお友達の前で堂々というから、ほら、お友達の方々が苦虫をかみつぶしたような顔になってしまっているではありませんか。
特に皇太子様、そのお顔はどうにかなさいませんと、しわが残ってしまうのではないでしょうか?
「フラグス」
「なんでしょうか、皇太子様」
「こんなところで密通をしているようなお前と結婚などできない!婚約破棄だ!」
「まあ…」
仮面舞踏会とはいえ、この舞踏会には様々な方々が参加しています。
その中で大声で私の名前と婚約破棄という単語をしてしまわれました。
どうしたものでしょうか?夜会の余興とすべきか、このまま進めてしまうべきか悩んでしまいますね。
皇太子様はおもむろに仮面を脱いで私を指さします。
「浮気女に用はない!」
「浮気でございますか」
もとより皇太子様との間に愛はないのですから浮気も何もないと思うのですけれども、どうしましょうか。
それよりも仮面を取ってしまうだなんて何を考えているのでしょうか?これでは余興にすることが出来なくなってしまいますわ。
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