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アリア編
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「ライト様、どうか信じてください。私はこのアリア様に虐められていたんです。この傷だって、彼女の指示を受けた女生徒に受けた傷なんですよ」
「メリッサ…」
「ライト様、メリッサ様の傷は自分でも付けられるもののみですわね。それに、メリッサ様はコデック様とも親しくなさっておいででしたので、女生徒から多少の嫉妬はあったかもしれませんが、それだけですわ」
「コデックとも仲が良かった?初耳だな。学園生活はそれはもう地獄のようだったと聞いているが?」
「違います!本当に地獄のようだったんです。ただ、コデック様がお優しくしてくださったと言うだけなんです」
「そうか」
あら、それで終わりですか?こう、二人の関係について言及するかと思いましたけども、そこまで感情移入するほど親しくはないということでしょうか?
なんにせよ、ライト様を言いくるめられてよかったですわ。
さて、予定ではライト様とメリッサ様の仲を後押しする予定だったのですけれども、これではその必要はなさそうですわね。
メリッサ様が自分でアピールなさっているようですわ。
どうしてライト様にご執心なのかはわかりませんが、私どもと致しましては好都合というものですわね。
ライト様が病死か事故死にならないようにメリッサ様にはせいぜい頑張ってほしいものですわ。
「メリッサ様とライト様は随分仲がよろしい様ですのね」
「そうだな。メリッサを見ているとパラディを思い出す」
「まあそうですの?お辛いようでしたら離宮を辞させていただきますけれども」
「いやかまわない。今の私にはメリッサが癒しだ」
「ライト様、嬉しいです」
「そうですか?では申し上げにくいのですがライト様、万が一パラディ様が戻ったとしても、一度投げ出した大公妃の地位に収めることはもう不可能なんですの。ですから新しい大公妃が必要になりますわ。誰にするかよくお考えになってくださいますでしょうか?時間はあまりありませんので、なるべく早くお考え下さいませね」
実際は空位でも構わない大公妃のことを言って起きますわ。
メリッサ様の目が輝きましたけれども、やはり大公妃の座を狙っていたということでしょうか。
大した価値はないというのに不思議ですわね。
ライト様の噂と言えば、恋に狂った男だの、道を誤った暗愚だのと言われておりますのに、なにがいいのでしょうか?
まったくわかりませんわね。
まぁ、こちらの様子は使用人として紛れ込ませている影たちに見張らせるとして、私はコデック様を見ることにいたしましょう。
徐々に落ち着きを取り戻しているとはいえ、いつトーリア先生の言うように動くかはわかりませんものね。
「メリッサ…」
「ライト様、メリッサ様の傷は自分でも付けられるもののみですわね。それに、メリッサ様はコデック様とも親しくなさっておいででしたので、女生徒から多少の嫉妬はあったかもしれませんが、それだけですわ」
「コデックとも仲が良かった?初耳だな。学園生活はそれはもう地獄のようだったと聞いているが?」
「違います!本当に地獄のようだったんです。ただ、コデック様がお優しくしてくださったと言うだけなんです」
「そうか」
あら、それで終わりですか?こう、二人の関係について言及するかと思いましたけども、そこまで感情移入するほど親しくはないということでしょうか?
なんにせよ、ライト様を言いくるめられてよかったですわ。
さて、予定ではライト様とメリッサ様の仲を後押しする予定だったのですけれども、これではその必要はなさそうですわね。
メリッサ様が自分でアピールなさっているようですわ。
どうしてライト様にご執心なのかはわかりませんが、私どもと致しましては好都合というものですわね。
ライト様が病死か事故死にならないようにメリッサ様にはせいぜい頑張ってほしいものですわ。
「メリッサ様とライト様は随分仲がよろしい様ですのね」
「そうだな。メリッサを見ているとパラディを思い出す」
「まあそうですの?お辛いようでしたら離宮を辞させていただきますけれども」
「いやかまわない。今の私にはメリッサが癒しだ」
「ライト様、嬉しいです」
「そうですか?では申し上げにくいのですがライト様、万が一パラディ様が戻ったとしても、一度投げ出した大公妃の地位に収めることはもう不可能なんですの。ですから新しい大公妃が必要になりますわ。誰にするかよくお考えになってくださいますでしょうか?時間はあまりありませんので、なるべく早くお考え下さいませね」
実際は空位でも構わない大公妃のことを言って起きますわ。
メリッサ様の目が輝きましたけれども、やはり大公妃の座を狙っていたということでしょうか。
大した価値はないというのに不思議ですわね。
ライト様の噂と言えば、恋に狂った男だの、道を誤った暗愚だのと言われておりますのに、なにがいいのでしょうか?
まったくわかりませんわね。
まぁ、こちらの様子は使用人として紛れ込ませている影たちに見張らせるとして、私はコデック様を見ることにいたしましょう。
徐々に落ち着きを取り戻しているとはいえ、いつトーリア先生の言うように動くかはわかりませんものね。
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