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三章「奥様はラノベ作家」
13. 谷沢辛子の話
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私は今、夫と小説家・落花傘飛高先生の二人から、短編小説の執筆を依頼されているのです。
「なあやってみたらどうだカラコ」
「そうだ。なせばなる。なさねばならぬ執筆は」
「うーん。どうしようかしらぁ」
短編小説といっても、今回はライトノベルというジャンルに属するような軽い感じの作品だそうです。しかも私一人で書くのではなく落花傘先生と合作とのこと。
「無理そうなら、まあ仕方ないけどね」
「カラコさんは、吾輩との合作は嫌かな」
「え、いえ……そのう」
「先生、そんな露骨な聞き方はよくないですよ。それだとカラコも断りにくくなってしまうでしょ」
「おおそうか。済まぬ済まぬ。ふぉふぉふぉ」
本当はすごくイヤなのです。だってこの先生って変態作家なんですもの。しかももう落ちぶれているし。
主にエッセイを書いている私は、最近では小説なんかも書いてみたいと思っています。先日、掌編を一本書いてみたりもしました。
だから、すでに売れなくなってしまっている変態でも小説家であることは事実なので、少しくらい勉強になるはずだと考えて挑戦してみることにします。なさねばならぬ執筆はという先生のお言葉も、確かにその通りだと思うし。
それで、なぜ私にこの話がきたかというと、それは私が私立・秀香学園出身だからです。そこでの学園生活を描きたいとのこと。
書き上げた作品は、夫の会社から創刊されたばかりの男性週刊誌『木星エッチ』に掲載されるそうです。
その雑誌に「多人駁論【たじんばくろん】」という連載小説を落花傘先生が執筆なさっているのですが、その四回目にして、もう題材がつきたのだそうです。さすが落ちぶれた変態作家だけのことはあるわ。
◇ ◇ ◇
こんにちは。そしてこの週刊誌の読者様にとっては、たぶん初めまして。フリーライターの谷沢辛子です。
このたび私は、変態小説をお書きになっている落花傘先生と合作しました。でも念のためお断りしておきますが、落花傘先生と合体まではしておりません。そんなのは断固、お断りですから。
で、その合作短編小説をひゅう~~ん、ぱっぱんと掲載しちゃいまーす。
すごいですか? うれしいですか? 読みたいですかあ?
それではさっそく読んでください。(いやあん小説って本とおもしろいわねえ)
「なあやってみたらどうだカラコ」
「そうだ。なせばなる。なさねばならぬ執筆は」
「うーん。どうしようかしらぁ」
短編小説といっても、今回はライトノベルというジャンルに属するような軽い感じの作品だそうです。しかも私一人で書くのではなく落花傘先生と合作とのこと。
「無理そうなら、まあ仕方ないけどね」
「カラコさんは、吾輩との合作は嫌かな」
「え、いえ……そのう」
「先生、そんな露骨な聞き方はよくないですよ。それだとカラコも断りにくくなってしまうでしょ」
「おおそうか。済まぬ済まぬ。ふぉふぉふぉ」
本当はすごくイヤなのです。だってこの先生って変態作家なんですもの。しかももう落ちぶれているし。
主にエッセイを書いている私は、最近では小説なんかも書いてみたいと思っています。先日、掌編を一本書いてみたりもしました。
だから、すでに売れなくなってしまっている変態でも小説家であることは事実なので、少しくらい勉強になるはずだと考えて挑戦してみることにします。なさねばならぬ執筆はという先生のお言葉も、確かにその通りだと思うし。
それで、なぜ私にこの話がきたかというと、それは私が私立・秀香学園出身だからです。そこでの学園生活を描きたいとのこと。
書き上げた作品は、夫の会社から創刊されたばかりの男性週刊誌『木星エッチ』に掲載されるそうです。
その雑誌に「多人駁論【たじんばくろん】」という連載小説を落花傘先生が執筆なさっているのですが、その四回目にして、もう題材がつきたのだそうです。さすが落ちぶれた変態作家だけのことはあるわ。
◇ ◇ ◇
こんにちは。そしてこの週刊誌の読者様にとっては、たぶん初めまして。フリーライターの谷沢辛子です。
このたび私は、変態小説をお書きになっている落花傘先生と合作しました。でも念のためお断りしておきますが、落花傘先生と合体まではしておりません。そんなのは断固、お断りですから。
で、その合作短編小説をひゅう~~ん、ぱっぱんと掲載しちゃいまーす。
すごいですか? うれしいですか? 読みたいですかあ?
それではさっそく読んでください。(いやあん小説って本とおもしろいわねえ)
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