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十章「霧介の溜息」
43. 破綻寸前の冥王星
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「そう言えば飛高は、谷沢準一級先生を尊敬しておったな」
「そうだ。それがどうした?」
谷沢準一級と言うのは、もうずっと前に亡くなっておられる有名な小説家じゃ。
「実は冥王星の図書館で『文章読本2』と言う本を見つけんじゃ。それが谷沢先生が書かれたものでな、お前の文章が引用されておった」
「何だと! それでその本を持ってきたのか!」
「いや持ち出し禁止じゃったわい。じゃがその頁だけ、図書館の許可を得て複写させてもらったんじゃ」
「まじか、まじでまじなのか! はひゃー、すっかっかぁのすっぽんぽん、ついでにべろぉ~ん。さあ見せろ今見せろすぐ見せろ! 今でしょ見せるのはっ!」
「おいこら落ち着け」
ワシは複写してきた紙を飛高に手渡した。と言うか横から強引に奪い取りやがった。もう乱暴なんだからっ。
『次の文章は地球の落花傘飛高といふ作家の書いた物です。
風呂に入りながらこう考えた。
小説に、使えそうなちょっとした材料なんかを、考えたりする訳だ。
が、そうするとやっぱり、体を洗う事に意識が集中しない訳であって、処々洗い忘れる、処が出てくる物だあなあ。であるから、先日から四、五回程立て続けに足の裏ばかしを忘れちゃってて、痒くて痒くて、もうたまんにゃい。おお、あいやいや水虫などになったのではないのだから、ねっ!
とまあ、こんな吾輩は、崇高な考えを何とかしてでも小説の材料にでもして、すらすらばりばり書けないかなあと今も考えているんだよう。あそこと足の裏をしこしこぼりぼり掻きながらね。
えへへ、へへへへ。そんでもって、ずっぴゅ~~ん。あああ。
この文章を皆様は如何に思われますか。』
「はひぃーふへぇーほぉにょ。誠に吾輩が書いた文章だ。やったぞ、谷沢先生に認めて貰えたーっ!」
「騒ぐな騒ぐな。その先をちゃんと読め」
『これは駄文といふより、まるでウマとシカのフンのような代物なのです。
つまり馬鹿文といふことになります。こんなのを書いてゐるようでは売れる訳がありません。』
「ひひぃーん、そんなあーっ!」
飛高の文章は悪い例として引用されていただけなのじゃ。
「あははは。ウマシカめ」
「おいこら、それよりも今度その『文章読本2』を全頁複写して持ってこい。吾輩も是非全部読みたい。是非に是非にぃーっ!」
「う~ん、じゃがなあ一頁複写させてもらうのに二百億冥王星ドル必要なんじゃ」
「にひゃっにひゃっにひゃっにひゃっにひゃっにひゃっにひゃっにひゃっ」
「おい」
「にひゃっにひゃっにひゃっにひゃっにひゃっにひゃっにひゃっにひゃっ」
「こら、いい加減にしろっ」
「にひゃっにひゃっにひゃっにひゃっ、にひゃくおくめいおうせいどる!?」
「わざとらしいんじゃ、お前は」
「おお済まぬ済まぬ。こうでもして行数を増やさなければ、枚数足りぬのだ。いつもいつもな」
「せこいな」
こんなだから谷沢先生に批判されるんじゃ。
「それより二百億冥王星ドルと云うのは滅茶苦茶高いと云う事か?」
「いや、日本円にすると十円程度じゃ。アメ玉一個くらいしか買えんわい」
「は? 大丈夫なのか冥王星?」
「まぁかなり危ない。すでに準惑星に格下げされとるし、何しろ星の借金が一溝冥王星ドルを越えたらしいからなあ。日本円だと……えーっと確か五百兆円の一億倍じゃとかなんとか」
「ななな、何だとそれは! どれだけ無駄遣いをしておるのだ、冥王星は!」
「ああまあ色々な。ほんの少しだけ例を挙げると福祉・医療費、教育費、道路修復費、軍事費、従軍慰安婦賠償金、賄賂、嫁はんへのプレゼント代、愛人の生活費、息子の裏口入学費、援助交際費、堕胎費用、選挙費用、ゴルフ会員費、SMクラブ支払い、パーティー券代、STAP細胞代、おやつ代(一日二千兆冥王星ドル)、女子中学生達から買い取るブルマー代、居眠りヤジ飛ばし水かけ論的泣き叫びアホ開き直り嘘つき失言暴言わいせつ行為カス馬鹿インポ盗撮セクハラ間抜け議員の給与・賞与、それと政党助成金とかも」
「何とまあ! もう終わりだな冥王星。この日本国よりも酷いではないか」
「ああ、もう破綻寸前じゃ」
「そうだ。それがどうした?」
谷沢準一級と言うのは、もうずっと前に亡くなっておられる有名な小説家じゃ。
「実は冥王星の図書館で『文章読本2』と言う本を見つけんじゃ。それが谷沢先生が書かれたものでな、お前の文章が引用されておった」
「何だと! それでその本を持ってきたのか!」
「いや持ち出し禁止じゃったわい。じゃがその頁だけ、図書館の許可を得て複写させてもらったんじゃ」
「まじか、まじでまじなのか! はひゃー、すっかっかぁのすっぽんぽん、ついでにべろぉ~ん。さあ見せろ今見せろすぐ見せろ! 今でしょ見せるのはっ!」
「おいこら落ち着け」
ワシは複写してきた紙を飛高に手渡した。と言うか横から強引に奪い取りやがった。もう乱暴なんだからっ。
『次の文章は地球の落花傘飛高といふ作家の書いた物です。
風呂に入りながらこう考えた。
小説に、使えそうなちょっとした材料なんかを、考えたりする訳だ。
が、そうするとやっぱり、体を洗う事に意識が集中しない訳であって、処々洗い忘れる、処が出てくる物だあなあ。であるから、先日から四、五回程立て続けに足の裏ばかしを忘れちゃってて、痒くて痒くて、もうたまんにゃい。おお、あいやいや水虫などになったのではないのだから、ねっ!
とまあ、こんな吾輩は、崇高な考えを何とかしてでも小説の材料にでもして、すらすらばりばり書けないかなあと今も考えているんだよう。あそこと足の裏をしこしこぼりぼり掻きながらね。
えへへ、へへへへ。そんでもって、ずっぴゅ~~ん。あああ。
この文章を皆様は如何に思われますか。』
「はひぃーふへぇーほぉにょ。誠に吾輩が書いた文章だ。やったぞ、谷沢先生に認めて貰えたーっ!」
「騒ぐな騒ぐな。その先をちゃんと読め」
『これは駄文といふより、まるでウマとシカのフンのような代物なのです。
つまり馬鹿文といふことになります。こんなのを書いてゐるようでは売れる訳がありません。』
「ひひぃーん、そんなあーっ!」
飛高の文章は悪い例として引用されていただけなのじゃ。
「あははは。ウマシカめ」
「おいこら、それよりも今度その『文章読本2』を全頁複写して持ってこい。吾輩も是非全部読みたい。是非に是非にぃーっ!」
「う~ん、じゃがなあ一頁複写させてもらうのに二百億冥王星ドル必要なんじゃ」
「にひゃっにひゃっにひゃっにひゃっにひゃっにひゃっにひゃっにひゃっ」
「おい」
「にひゃっにひゃっにひゃっにひゃっにひゃっにひゃっにひゃっにひゃっ」
「こら、いい加減にしろっ」
「にひゃっにひゃっにひゃっにひゃっ、にひゃくおくめいおうせいどる!?」
「わざとらしいんじゃ、お前は」
「おお済まぬ済まぬ。こうでもして行数を増やさなければ、枚数足りぬのだ。いつもいつもな」
「せこいな」
こんなだから谷沢先生に批判されるんじゃ。
「それより二百億冥王星ドルと云うのは滅茶苦茶高いと云う事か?」
「いや、日本円にすると十円程度じゃ。アメ玉一個くらいしか買えんわい」
「は? 大丈夫なのか冥王星?」
「まぁかなり危ない。すでに準惑星に格下げされとるし、何しろ星の借金が一溝冥王星ドルを越えたらしいからなあ。日本円だと……えーっと確か五百兆円の一億倍じゃとかなんとか」
「ななな、何だとそれは! どれだけ無駄遣いをしておるのだ、冥王星は!」
「ああまあ色々な。ほんの少しだけ例を挙げると福祉・医療費、教育費、道路修復費、軍事費、従軍慰安婦賠償金、賄賂、嫁はんへのプレゼント代、愛人の生活費、息子の裏口入学費、援助交際費、堕胎費用、選挙費用、ゴルフ会員費、SMクラブ支払い、パーティー券代、STAP細胞代、おやつ代(一日二千兆冥王星ドル)、女子中学生達から買い取るブルマー代、居眠りヤジ飛ばし水かけ論的泣き叫びアホ開き直り嘘つき失言暴言わいせつ行為カス馬鹿インポ盗撮セクハラ間抜け議員の給与・賞与、それと政党助成金とかも」
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