REUNION´S LOVE

野部来斗

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第1章

懐かしい思い出とタイムカプセル3

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駄菓子屋を出てから、友里が顔を膨らませながら俺の前を歩いていた。
 あちゃ~、ちょっと笑いすぎたかなぁ?
 「なあ、友里 許してよ。悪かったよ、笑いすぎた。」
 謝りはしたが、友里はプイッっと顔を横に振った。
 「知らないっ!」
 歩きながら顔だけを俺に向けて怒る友里を見て、さすがにガチで罪悪感を俺は覚えた。これはマズイなあ・・・・・・・。
 「なあ友里、本当に ごめん、もう笑ったりしないから許してよ。 」
 俺がそう言った時、友里が歩く足を止め、俺の方を振り向いた。
 「本当に?」
 「ああ、だからお願いだよ。」
 両手を自分の顔の前に持ってきて、お願いする俺に、
 「・・・・・。クスッ。分かったわ。いいわよ。」
 友里は許してくれた。
 ホッ!良かった。再開初日で喧嘩は嫌だしな。 

 グイッ!

 「え?なっ何!?」
 友里が俺の左腕にしがみついてきた。
 「クスッ。別に。こうして歩きたいだけ。」
 「でっでも、それじゃあ歩きにくいじゃないか!」
 「いいじゃない。ダメ?」
 可愛い笑顔で言う友里に、俺はダメとはとても言えなかった。
 ったく、そんな笑顔を見せられると弱いじゃないか・・・・!
 「しょうがないな。分かったよ。」
 「やった~。」
 俺の左腕にしがみついている友里は、両腕に離さないと言わんばかりに力が入っていた。
 でも、俺の鞄を持った右手は肩に乗せてるのに、両腕塞がりの状態で歩きにくいよ。
 「ん?あ、あそこって・・・・・」
 しばらく歩いていると、俺の腕にしがみついていた友里が離れて、目の前にある突き当りの所を駆け足で走って行った。
 俺も後に続いて走った。
 突き当りの所で走る足を止めた友里のいる所は、愛野宮公園だった。
 「ここ、愛野宮公園だけどどうかしたのか?」
 「龍ちゃん、ここの公園の事、覚えてる?」
 「え?」
 「昔、よくここの公園にアタシと一緒に来たよね。」
 「友里と?・・・・・あ!」
 思い出した。確かに俺は、小学生の時、友里と一緒に この公園に来ていた。
学校の帰りに遊んだり、待ち合わせ場所や、雨宿りに穴の開いたドームに入ったりと、色々な事で この公園に来てたな。
 「そう言えば、俺たちの遊び場って、いつも この公園って決めてたっけ?
いつもここでお前と一緒に遊んでたよ。」
 「うん。懐かしい・・・・」
 昔に来ていたことを思い出して、俺と友里は思い出に浸っていた。
 「あ、そうだ!」
 俺は、ある事を思い出した。
 「え、なに?」
 俺の言葉に友里が驚いた。
 「昔この公園の木の下に、俺と友里の2人だけのタイムカプセルを埋めただろ?」
 「タイムカプセル・・・・・、あ!そうよ、確かに埋めた。」
 「それを今すぐ、掘り起こそう」
 「うん!」
 俺たちは胸を躍らせながら、公園に入り木の下へ行った。
 木の下に着き、俺と友里は手でタイムカプセルを掘り起こした。
 「掘り起こす日が今日だったなんて思わなかったね。」
 「そうだな。昔、お前が転校するって聞いた時に、2人で埋めて いつか再会した時に掘り起こそうって決めてた約束が、今 果たすときが来たんだな。」
 そう言っていた直後、何か固い物が指に触れた。
 「ん?」
 その固い物があるところの周りを掘り続けると、赤い円柱の缶の容器が出てきた。
 「あ、あった。」
 「良かった、見つかって。」
 そう、これが俺と友里の二人のタイムカプセルだ。
 蓋を開け、中にある2枚の手紙を取り出し、俺と友里を1枚ずつ手に取り、そして互いに手紙の中を呼んだ。
 「友里は、なんて書いたんだ?」
 「え?あ、ああああの・・・・・・あたしは・・・・。」
 顔全体を真っ赤にした友里は、書いた手紙で顔を隠した。
 一体どうしたんだ?何か言えないようなことを書いたのかな??
 友里が恥かし気に紙の上の端から目だけを出していた。
 「あの・・・・龍ちゃん。今この手紙ここで読みあげてもいい・・・?」
 「え?それはいいけど。」
 本当にどうしたんだ?
 「じゃあ、読むね。」
 「ああ。」 
 
 
 未来の あたしへ。
 この手紙を読んでいるということは、龍ちゃんと再会できたってことかな?
もしそうなら、今ここで覚悟を決めて はっきり自分の気持ちを伝えてほしいの。
あたしが龍ちゃんの事を好きだってことを。
 あたしは人見知りで人付き合いが苦手だから、中々友達ができなかった。他の男の子達に いじめられた時は、いつも龍ちゃんが助けてくれたし、一人で学校から帰るのが怖くて一緒に帰ろう思う友達がいなくて困っていた時、龍ちゃんが一緒に帰ってくれた。そして龍ちゃんは、あたしと一緒に遊びにも連れていってくれた。 龍ちゃんは、いつもあたしと関わってくれた。そこからアタシは、龍ちゃんの優しい所に惹かれて好きになった。ずっと龍ちゃんと一緒にいたいって思ったの。
 でもそんな時、あたしのお父さんが仕事の都合で転校しなくちゃならなくなって、せっかく龍ちゃんと仲良くなれたのに離れるのが嫌で いつも部屋で泣いてわ。龍ちゃんにそのことを話したら、龍ちゃんは悲しんでくれた。
 そこで、龍ちゃんの提案でタイムカプセルに あたしと龍ちゃんの手紙を入れていつか再会をしたとときに、掘り起こしてその手紙を読もうって決めた時に思ったの。未来のあたしに、龍ちゃんの事が好きだって気持ちを伝えるのを託そうって。
 だからあたしは、未来の あたしにその思いを伝える事を託します。私は、未来の私が龍ちゃんの彼女になれるように祈っています。
                       
                            小学生の あたしより



 友里が読んだ手紙の内容を聞いた俺は、胸を打たれた。
 「友里、お前 俺の事を・・・・・」
 「うん、あの時はとても恥ずかしくて中々 告白する勇気がなくて・・・・・、ずっと龍ちゃんの事を意識しちゃってたの・・・・・・。」
 「・・・・・・・」
 その言葉を聞いて俺は顔が赤くなった。友里が俺の事をそう思っていてくれてたことが嬉しくて言葉が出ないくらいだった。

 ・・・・・・・・・・・・・・・。

 「りゅう・・・・ちゃん」
 「はっはいっ!!」
 数分の沈黙の後、友里に名前を呼ばれた俺は、気持ちが落ち着けないでいた。
 「やっと・・・・・・・、気持ちを伝える事ができる。」
 一粒の涙を流し、赤い顔をした友里。




 そして、友里は俺に言った。




 「あなたの事が大好きです。私と付き合ってください。」




 そして友里は俺に抱き付いた。
 はじめて女の子に抱き付かれ、俺の心臓はバクバクだった。
 たまらず俺は、抱き付く友里を一度離した。
 「友里・・・・・。本当に、俺でいいのか?」
 「うん・・・・。あたしは、龍ちゃんと一緒が良い。」
 友里が俺を思う気持ちに俺は たまらなかった。
 「友里・・・・・、ありがとう。友里が、俺の事を必要としてくれるなら、俺は友里をずっと大事にするよ。」

 今の俺にはこれしか言えなかった。
 友里は俺の言葉に涙を流して、両手を口に当てていた。
 「はい!」
 友里は俺に近づき寄り添い、俺はそんな友里を抱きしめた。


 そして、2人でキスをした。


 こうして俺と友里は彼氏 彼女となった。
                     
                              第2章へ続く 
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