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アーレント王国の南に位置する領地を持つアルト子爵家の長女として生まれた私、リルメリア・アルトは幼少の頃から優しい両親と使用人に囲まれ、のびのびと生きてきた。
8歳の頃、長く伸びた髪を侍女に優しくタオルで乾かしてもらっていた時、ふと髪を温風で乾かす光景が脳裏に浮かぶ。
やってみようかな。
なんだか出来そうな気がする。
私はまだ習い始めたばかりの魔法を使ってみることにした。
最近やっとお父様からの許可が下りて、私にも魔法の先生が来てくれた。
リヴァン・リビー先生。
リヴァン先生は、かつて我が国の魔法士の最高峰である宮廷魔法士だった。けれど、研究にのめり込み、任務を放棄しまくってクビになったそうだ。もっさりした栗色の髪が特徴の優しい先生。
先生曰く、私はどうやら魔力は多い方で、魔力の扱いも上手いらしい。今の私は俄然やる気が漲っている。
まずは左手に風の、右手には火の魔法陣を浮かび上がらせる。風はそよ風程度に、火の魔力も極々少量で調整する。難しいけれど、不可能じゃない。
5分ぐらい経っただろうか。右手と左手の魔法陣が融合し、新たな魔法陣が完成した。上手く風と火の魔力が混じっている。
完成した魔法陣にゆっくり魔力を流してみると、ふんわりと私の髪が舞った。大成功。
私は満面の笑みで後ろの侍女に振り返ると、彼女がすごい勢いで部屋を出て行った。
あれ?なんで?どうかした?
しばらくすると、お父様が侍女と共に駆けつける。そして、少し遅れてリヴァン先生も部屋に入ってきた。
興奮気味のお父様とリヴァン先生を抑えて、私はなんとか経緯を説明する。
「「天才だ。」」
お父様と先生の言葉が、綺麗に重なった。
8歳の頃、長く伸びた髪を侍女に優しくタオルで乾かしてもらっていた時、ふと髪を温風で乾かす光景が脳裏に浮かぶ。
やってみようかな。
なんだか出来そうな気がする。
私はまだ習い始めたばかりの魔法を使ってみることにした。
最近やっとお父様からの許可が下りて、私にも魔法の先生が来てくれた。
リヴァン・リビー先生。
リヴァン先生は、かつて我が国の魔法士の最高峰である宮廷魔法士だった。けれど、研究にのめり込み、任務を放棄しまくってクビになったそうだ。もっさりした栗色の髪が特徴の優しい先生。
先生曰く、私はどうやら魔力は多い方で、魔力の扱いも上手いらしい。今の私は俄然やる気が漲っている。
まずは左手に風の、右手には火の魔法陣を浮かび上がらせる。風はそよ風程度に、火の魔力も極々少量で調整する。難しいけれど、不可能じゃない。
5分ぐらい経っただろうか。右手と左手の魔法陣が融合し、新たな魔法陣が完成した。上手く風と火の魔力が混じっている。
完成した魔法陣にゆっくり魔力を流してみると、ふんわりと私の髪が舞った。大成功。
私は満面の笑みで後ろの侍女に振り返ると、彼女がすごい勢いで部屋を出て行った。
あれ?なんで?どうかした?
しばらくすると、お父様が侍女と共に駆けつける。そして、少し遅れてリヴァン先生も部屋に入ってきた。
興奮気味のお父様とリヴァン先生を抑えて、私はなんとか経緯を説明する。
「「天才だ。」」
お父様と先生の言葉が、綺麗に重なった。
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