29 / 90
29話 ゴシン、待ち伏せされる
しおりを挟む売却が済んで、お金は明日用意してもらうことにして、俺たちは一旦家に戻ることにした。ダンジョン探索前に準備していた物がほぼそっくりしていたため、食料ぐらいしか補充するものが無かったからだ。
その道中に、ミサの大槍が目立つのでアイテムボックスに入れようか?と提案したところ、ミサが作り出す装備品は自分から離してしまうと、その形が保てなくなるらしい。何か力場とかの関係で、自分を中心に半径3mの範囲までしか無理らしい。だから槍を投げつけるとかはダメ。まあ、壊れた、破けたという時でも瞬時に作り治せるという利点もあるが。
どうやら魔力での起動の弊害らしい。装備品のランクも、今持っている鉄の大槍と軽鎧でほぼ上限ということだ。ちなみに神力だったら?と聞いたら、距離での弊害はなくなるし、装備品もオリハルコン100%のフルプレートでも作り出すことが可能になってたらしい。神様の力だしな、そのくらいありえるかも。
とりあえずミサには街中では、大槍と軽鎧を分解してもらうことにした。武装したメイドって悪目立ちしすぎるからな。
そうこうしている内にもう少しで家に着くという所で、拾い物から家の周りに展開している者たちの反応があった。ミサも探索能力があるのか、
「マスターこのまま進みますと、武装した集団の待ち伏せに合う可能性があります。許可が頂けるのであれば即座に殲滅いたしますが。」
「村の中だし殺しちゃダメだよ。無力化ならいいけど。あと俺たちが村を出るまで拘束しときたいかも。できる?」
「はい、マスター!」
言うが早いか静かに駆け出して、ものの5分で完全無力化に成功していた。あちら索敵能力よりこちらの索敵能力の方が上回っていた為に、不意を付けたのも大きいだろう。とりあえず喋るかどうかわからないが、待ち伏せされた理由が知りたい。
「この中で一番偉いの誰だ?待ち伏せされた理由が知りたいんだが・・」
「・・・・」「・・・・」「・・・・」
案の定誰も話さない。仕方ない。
「話したくないなら良いけど、このままだったら犯罪者で鉱山奴隷落ちだぜ?仕方ないだろ?武装して待ち伏せされて、理由を聞いても答えないんだもん。冒険者ギルドか領主様の警備兵にでも知らせれば野盗扱いにして報奨金ぐらい貰えるかもだし。」
雇い主に人望が無いのか、鉱山奴隷が聞いたのかはわからないが、捕えた者の中でも一番年上の者が話してくれた。
その話の内容は、俺の想像どうりの人物だったがその理屈が理解できなかった・・
「俺たちはオカマス子爵の私兵だ。
一目見てお前の連れているメイドとトカゲが気に入ったんだとよ。貴族である自分に気に入られたんだから、平民であるお前は喜んで差し出さねばならない所、差し出すどころか逃げ出したって癇癪を起こしてな・・俺はやめとけって止めたんだぜ?一応な。まあ聞く耳持たずで、特徴からお前に行き着いて、待ち伏せしてたって訳さ・・
こいつらは子爵に命令されてただけで、俺が現場責任者だ。こいつらの減刑を頼みたい。頼む。」
まったく人騒がせな貴族だ!この隊長さん?には、明日冒険者ギルドに行くからもう一度同じ話をして貰うよう話して、家の横にモカに頼んで土魔法で簡易小屋を作ってもらい、そこに入ってもらった。出入口は作らなかったので拘束は解いている。釘を指す意味で、索敵持ちが居るから逃げても無駄だと言ってある。
旅立つ理由になった案件が、思いのほかシツコソウだと思いながら眠りについた。
1
あなたにおすすめの小説
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
わたくしがお父様に疎まれている?いいえ、目に入れても痛くない程溺愛されております。
織り子
ファンタジー
王国貴族院の卒業記念パーティーの場で、大公家の令嬢ルクレツィア・アーヴェントは王太子エドワードから突然の婚約破棄を告げられる。
父であるアーヴェント大公に疎まれている――
噂を知った王太子は、彼女を公衆の面前で侮辱する。
腹違いの妹にすべてを奪われた薄幸の令嬢が、義理の母に殴られた瞬間、前世のインテリヤクザなおっさんがぶちギレた場合。
灯乃
ファンタジー
十二歳のときに母が病で亡くなった途端、父は後妻と一歳年下の妹を新たな『家族』として迎え入れた。
彼らの築く『家族』の輪から弾き出されたアニエスは、ある日義母の私室に呼び出され――。
タイトル通りのおっさんコメディーです。
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
捨てられ侯爵令嬢ですが、逃亡先で息子と幸せに過ごしていますので、邪魔しないでください。
蒼月柚希
恋愛
公爵様の呪いは解かれました。
これで、貴方も私も自由です。
……だから、もういいですよね?
私も、自由にして……。
5年後。
私は、ある事情から生まれ育った祖国を離れ、
親切な冒険者パーティーと、その地を治める辺境伯様のご家族に守られながら、
今日も幸せに子育てをしています。
だから貴方も勝手に、お幸せになってくださいね。
私のことは忘れて……。
これは、すれ違いの末に離れ離れになった夫婦の物語。
再会したとき、二人が選ぶのは「離婚」か、それとも「再構築」か。
妻を一途に想い続ける夫と、
その想いを一ミリも知らない妻。
――攻防戦の幕が、いま上がる。
「お前を愛する事はない」を信じたので
あんど もあ
ファンタジー
「お前を愛することは無い。お前も私を愛するな。私からの愛を求めるな」
お互いの利益のために三年間の契約結婚をしたアヴェリンとロデリック。楽しく三年を過ごしたアヴェリンは屋敷を出ていこうとするのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる