俺の装備は拾い物

豪之伸

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73話 瞬く星のようだ

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 ダンジョンに行くために街の東側にやって来た。


 本来なら街を横断すれば良いのだが、うちは人数も多いしほぼ人外なので、余計な混乱を起こさないように、街をぐるっと迂回して東側にやって来た。
 ダンジョンに入る分には従魔登録さえしていれば、何を連れていっても良い。
 入り口では、冒険者ギルドから派遣された職員が、ダンジョンへの入退場を管理しているらしい。


 俺たちは、ダンジョンを目指して歩いていたが、俺は少し違和感を感じていた。
 ダンジョンは街から1km程の所にあるのだが、 そこまでの 土地がすべて草原だった。

 ただ草原があるだけなら違和感は感じない。

 唐突に5 m ほど盛り上がった、岩のような質感を持った ダンジョンの入り口。
 確かにこれは違和感だ。だが、そこを起点にして、街へ向かって奥義状に草原が広がっているのだ。その扇城に広がった草原の周りは、かなり大きな木が生えている。

 俺の推測だが、これはスタンピードの跡なんじゃないか?

 スタンピードで溢れた魔物はむやみやたらと暴れまわったりしないのだそうだ。
 では何をするかと言うと、人の気配を感じ取り、一番近くの人が多く集まる場所を目指すのだ。

 この辺りならばヤマトの街だな。

 だからこそ、ヤマトが王都の盾に成りうるのだ。


 実は、さっきから俺の「拾い物」が、大変なことになっている。
 まだ皆には知らせてないが、この草原中のあちこちで、無数の光点が俺の視界を埋め尽くしている。
 俺の拾い物も随分と成長してきて、俺と従魔として繋がっている物には、拾い物の感覚を共有することができる。


 俺は一旦みんなの歩みを止めた。


 皆「どうかしましたか」 という顔をしていたが、

「実は、今俺のスキルが大変なことになってる」

 こう言って、皆に繋いでいいか確認した。いきなり繋ぐとびっくりするからな。


 繋いだ途端みんな驚いていた。 この光点ひとつひとつが、拾い物が厳選した力を持ったアイテムだからな。

 話についてこれないナオヤ達は、何の話?って顔をしている。

 ナオヤ達も、転移者って秘密を打ち明けてくれたし、いいかな…

「説明が難しいんだが…俺のスキルで拾い物ってのがあってな…このスキルは俺に関係する物や人を知らせてくれるんだよ。で、今は物の方で地面に埋まってる物に反応して教えてくれてるんだ。ちなみに、俺の装備品は拾い物で掘り出したものなんだ。」


 ナオヤ達は理解するのに暫く掛かったが、理解するとなぜ冒険者に成り立てで今の装備を持っているか、ということに納得したようだ。
 納得したらこんなことを言ってきた。

「なぁ、提案なんだが…その反応しているアイテムを幾つか掘り出さないか?」
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