木曜日のスイッチ

seitennosei

文字の大きさ
12 / 58
木曜日のスイッチ。

掻き集める理性。

しおりを挟む
断じて下心ではない。
本当に純粋に細谷咲きを応援しているのだ。
極度の擽ったがりな所を目の当たりにして、苦しそうに悩んで追い詰められている所も見た。
放っておけないではないか。
しかも俺にしか頼めないって。
そんな言葉を貰って断る選択肢なんて選べないだろう。
分かっている。
助けたい気持ちからの行動だとしても、これから俺がする事は大人として、教師として間違っているって事は。
何かの拍子に明るみになれば只じゃ済まないだろう。
細谷咲の立場だって守りきれないかもしれない。
それでも、どうにかしてあげたい気持ちが勝ってしまった。
俺はこの前と同じ場所に腰掛けると前回同様、細谷咲を少し間隔を開けて前に座らせる。
必要以上に接触しない様、密着を避ける目的と。
俺の下半身にもしもの事が起こった時の為の保険。
その為の隙間。
「では…、また僕の指示に従って下さい。」
「…はい。」
「その前にウエストに手を置いても良いですか?」
「あ、はい。」
「失礼します。」
そう断りを入れ、彼女のシャツの裾から手を差し込むと、そのままウエストに両手を置いた。
「ひゃあっ。」
悲鳴をあげながら身を捩る彼女。
「すみません。動かしたりしないので、擽ったくても少し我慢してください。」
擽ったさを軽減させる為、敢えて力を込めてグッと支える様な持ち方をする。
彼女は声を我慢しながらコクコクと頷いた。
暫くそうしていると落ち着いてきたので早速指示を出す。
「下着…ブラの上から優しく両手で胸を包んでみてください。」
モゾモゾと動いている。
シャツに阻まれ目視は出来ないが、素直に言われた通りにしているのだろう。
この状況と、しっとりと手の平に馴染む肌のせいで下半身がほんのりと充血し始めてしまう。
不味い。
これはただの作業だ。
俺の感情は必要ない。
そう必死に言い聞かせる。
「痛かったり擽ったい時は直ぐに言ってくださいね。…今は大丈夫ですか?」
コクリと頷く。
俺はその反応に安心して続ける事にした。
「人差し指で、ブラの上から乳首を引っ掻いてください。カシカシって感じで。」
「…は、はい。」
「ちょっと強めにやってみてくださいね。」
「んっ…んんっ。」
ビクビクと全身を反応させながら彼女は身体を縮めた。
丸めた背中が俺のみぞおちの辺りに当たる。
そのまま動かなくなりはぁはぁと荒い息を整えてる彼女。
指は止めてしまっている様だ。
ウエストを支えたまま俺も少し身を屈め、耳元で囁く。
「勝手に止めちゃダメですよ。次の指示まで我慢して続けてください。」
細谷咲は耳と首を真っ赤にして頷くと、またピクピクと身体を反応させながら自分で刺激し始めた。
「んっ…。はぁ…。」
吐息と一緒に漏れる声。
これはミッションだ!とどれだけ言い聞かせても、呆気なく下半身は立ち上がってしまった。
自身を鎮める事は諦め、努めて冷静に振る舞う。
「乳首どうなってますか?」
「…か、固くなってます…。」
「では、僕がホックを外すので今度は手で直接胸を包んで下さい。」
成る可く肌に触れない様、手を浮かせてブラジャーのホックを探す。
「あっ…あぁ。」
それでも動くシャツが何処かに擦れて彼女は身を捩った。
何とか見付けたホックを外し、またウエストに手を戻す。
「んっ、あぁ。」
「すみません。またちょっと我慢してくださいね。」
身体に起こる擽ったさと、胸に起きている刺激に身をピクつかせながら耐えている姿が苛らしい。
「ゆっくり円を描く様に動かしてください。そうしたら手の平に固くなった乳首が当たってきませんか?」
「ふっ…、もぅ、当たってます…。」
「では、それを時々転がす様に意識しながら暫く続けてください。」
俺って気持ち悪いな…。
昔、恋人に「言葉責めがねちっこい。」と言われたのを思い出して、今急激に死んでしまいたくなった。
細谷咲とのやり取りを振り返ると、この数分だけでも擁護の仕様がない程に気持ちが悪い。
素直に従っている彼女の、真っ赤に色付いているうなじを眺める。
少し控えようか…。
そう考えていると。
「ああぁっ…。」
一際大きい嬌声を発して彼女が仰け反った。
前回同様その頭が俺の鎖骨の辺りに収まり、また目が合う。
ふわっと強くなる彼女の香り。
潤んだ瞳が俺を求めていると勘違いしてしまいそうになる。
「ごめんなさい…。勝手に止めちゃって…。」
シャツ越しに彼女の胸を見ると確かに手の動きが確認できない。
刺激が強過ぎて続けられなかったのだろう。
「あの…、多分、スイッチ…入りました。」
「そうですか…。僕も手動かしてみますね。」
ウエストを支えている両手。
その指をさわっと動かしてみた。
「きゃっ、あっ…ぅっ。」
「擽ったいですか?」
彼女は左右に首を振り「ぞくぞくする…。」と呟く。
余りの可愛さに思わず口角が上がってしまう。
ニヤける俺の顔を見て彼女は赤い顔を更に上気させ目を逸した。
ああ、俺ホント気持ち悪いな。
自覚していても止められない。
これは体質改善の為だと細谷咲も分かってくれている筈なんだ。
だから大丈夫。
「このまま手を動かすので、細谷さんも気持ちいい所触っててください。そうやって擽ったい場所も快感を感じる場所なんだって脳に教えていきましょう。」
彼女は頷いて従った。
最もらしい言葉を並べたけれど、こんなの自慰の強要だ。
心の中で謝罪しつつも今更後には退けなくて突き進む。
「人差し指で乳首を優しく下から撫で上げてみてください。」
そう指示して、腰と背中の境目辺りを親指で優しくなぞり上げる。
「んあぁっ。せんせ、ぃっ。ぞくぞくすっ、の。とまんなっ…あ。」
泣きそうな顔で見上げられ、理性が掻き消されてしまう。
ウエストの手を胸の下ギリギリまで撫で上げ耳元で囁く。
「今度は先端に指をくっ付けて、円を描くみたいに転がしてください。」
耳に俺の息が当たって彼女の肩が跳ね上がった。
そして滑らかな肌が一気に泡立つ様に鳥肌を立てる。
ああ、堪らない。
されるがまま反応している姿が本当に愛おしい。
「せんせいぃ…。ゆび、うごかせない…。きもちよすぎ…。」
「ふっ…。ダメですよ。気持ち良いなら続けてください。」
悪戯心が芽生えてしまう。
もう体質改善とか関係ない。
ここまできたらただの趣味だ。
「んっ…あ。あ…あぁ。」
自身の指の動きに合わせて身を捩っている。
ただ、間隔を空けた控えめな動き。
俺はまどろっこしくなり、彼女の手を上から包むと、人差し指を摘んで強制的に動かした。
「ひっ、ん。あ、あぁっ…あ、あ。」
「僕が良いって言うまで自分でこうしててください。」
コクコクと頷く彼女。
俺は手を離して、今度は脇の下に差し入れた。
「ひゃあっ。んっ。」
ぶわっとまた彼女の肌に鳥肌が。
しっとりと汗ばんでいる脇の下を撫で上げながら、耳元で囁く。
「ちゃんと指動かしてますか?」
「あ、ぅっ。は、はぃ…。」
脇の下や二の腕の内側を撫で摩っていると、細谷咲はトロンとした目で俺を見てきた。
目が離せなくなり暫く見つめ合う。
その間もだらしなく開いた唇から吐息混じりの嬌声を漏らし続けている。
「はぁ、あ、あ…おかしい…です。ん。」
「どうしました?」
彼女が苦しそうに訴えてきた。
心配になって様子を伺う。
だけど俺の言いつけ通り自身の指を止める事なく悶えていて。
「わきのしたっ、なのにぃ…。せんせいの手ぇ。きもちいぃ…よぉ。」
切なそうにそう吐き出した。
非常に不味い。
俺は限界だった。
パッと手を離し、ポンと彼女の肩に手を置く。
そして。
「今日はここまでにしましょう。」
そう何でも無い風に言って誤魔化した。
本当は異常に硬くなった下半身が痛くて仕方がない。
早くトイレに行きたい。
このまま続けていたら絶対にパンツの中で暴発していた。
何も分かっていいない彼女はまだ惚けていて、ぼーっと俺を見上げている。
それがまた可愛くて。
俺はまた必死に理性を掻き集めた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

処理中です...