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乱声
十拍・述懐(参)
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ところで、今年は資子(すけこ)内親王の年忌に当たる。資子内親王は院の准母であった宮で、院の実の御叔母だ。
院は宝算八十を迎えていたが、故白河の大宮におくれて、すっかり弱くなり、昨年末から病みがちであった。天寿尽きる日の近いことを察していて、
「これが最後となるだろう」
と、資子内親王の法要が公の場に出る最後だと、周囲へ洩らしていた。
「何を仰せられます!」
周囲は無論そう言うが、院の思い込みは強い。
せめてこの世の名残に盛大な法要をしたいと、念入りな準備をしていた。法要とは別に、資子内親王が喜ぶような、何か華やかなことをしたいとも思う。
資子内親王は生前、秦箏(箏の琴)をこよなく愛していた。自分でもその道を極めたが、才能ある童女達をよく召し出しては、演奏させ、喜んでいたものだ。
「幼い人は将来がある。この先どうなってゆくのか、まだ楽しみがある。希望のある幼い人の秦箏を聴くのは嬉しいものです。皆、夢を持ち続けなさい。夢を持って、己の才を信じて、努力すれば、夢は必ず叶うものよ。夢を捨てないで、いつまでも」
童女達に向けられたやさしい微笑みと眼差しと、言葉と。
それを思い出して、院は童女達の箏を競い合う大会を発案した。
「身分は問わぬ。全国の箏の上手な童女を集めよ。それらを競わせ、まず七、八十名に絞り込み、さらに法要の三日前までに二十名に絞り込め。これら上位二十名を法要の後、その場に召し出し、亡き宮のご霊前にて一人ずつ弾かせん。血脉に記載のある人、楽人、管絃者を召して、童女に順位をつけさせよ」
この院の布告には、公卿から地下(じげ)まで、町の民から田舎の農夫までもが俄に色めき立った。国じゅうをあげて、皆これを面白いと囃し立てた。
締め切りの日までに全国から、腕に自慢の少女達が都に集まってきた。
俄かに、血脉に名のある管絃者や伶人達が、大会の審査役に定められ、旧冷泉院を掃き清めてその会場とした。
連日大会は行われ、五日後、ようやく終了した。結果の発表は一日隔てて行われ、上位六十九名が二次審査に進むことが決定した。
二次に進んだ者は、さすがに楽家の娘や大夫以上の身分の人の息女が多かった。だが、中には地方の在庁の子女や、公家の下級侍女などもいたし、猿楽などの賤民の子や商人の子も含まれていたのである。
二次は二日間行われ、結果、上位十七名が法要に参加することを許された。法要の五日前のことであった。
この十七名の中には、民部卿局の姪・あすも含まれていた。姪といっても、民部卿局は祖父の養女として育ったので、実父頼時の娘であるあすは、彼女の実妹ではあるのだが。
あすは箏の天才少女として、少し評判になっている子であった。自分より弾ける子を、今までに一度も見たことがなかったのだが、今回の法要に参加する子の中には、思いもよらぬ才能の持ち主もいる。
で、いつになく沈んでいるあすを見た民部卿局が察して、
「あす。どうしたの?」
と、声をかけてやった。
あすの悩みを聞いてやろうと思ったのである。
「私、あの子が嫌い……」
ぽつりとあすは、呟くように言った。
「あの子って、誰?」
「……そが」
「そが?──ああ、左衛門の吉上(きちじょう)の姪とかいう。大変な才能、鋭い耳の持ち主だと評判になった子ね。法要の日は、こなたと互角の勝負になるであろうと言われているわね」
そがという九歳になる少女は、無名ながらも今回の大会で、審査役の人々から評判を得ていた。いきなり注目されるようになった、天賦の才に恵まれた童女である。
庶民の子だが、母方の叔父が吉上であるとかないとか。名を菊の某云々というので、そがと呼ばれているらしい。そがとは、承和菊(そがぎく)という黄花の菊に由来する。
法要の日には、幼時より英才教育を受けた天才のあすが、他者を圧倒するだろうとの前評判である。あすは三秘調の盤渉調を弾く予定である。この歳で秘調を弾くのだ。他者とは天と地ほどの差ができるに違いない。
それなのに、そがに対して嫉妬するあすの気持ちは何なのか。
「こなたには実力がある。誰もこなたとは比べものにならないくらいの実力。大人の達者よりも優っている。その歳で盤渉調を知っている、それだけで一等間違いなきことを」
民部卿局は一応そう言った。
だが、あすは俯く。左手に持った扇を持て余しぎみに揺り動かす。
「……そう、私は誰よりも秀でています。でも、そがは……大人の達者にもない発想と感覚があるんです。あの感性は私にはありません」
「こなたとそがとの差は歴然。そがに才能があったとしても、実力ではこなたには到底及ばない。こなたとそがには千里の差があり、そがはこなたには決して勝てぬ」
「でも、私には才能なんかない。私は天才と呼ばれているけれど、本当の天才はそがで、私の場合は早熟なだけ。才能でも何でもない。ただ、他人より遥かに早くから箏の修行を始め、口をきくようになる前から、素晴らしい師について、努力してきたから。才能ではなくて、ただの努力の結果です!」
最後は叫びになって、あすはわっと泣き伏した。
そんな姪の背を眼下に見て、何だか民部卿局にはそれが自分の背に見えた。
あすにとっての最初の挫折。天才少女と謳われた十歳のあすが、初めて知る他者への嫉妬心。
それは、民部卿局の敏平に対するそれに似ていた。
あすは泣きじゃくりながら、憎しみを込めて訴える。
「審査の人の中に侍従命婦(じじゅうのみょうぶ)がいらしたんです。当世随一の箏の名手だから、私はそんな大変な方に聴いて頂けて、名誉なことだと思った。でも、命婦は私に仰有った。『こなたは実力があると思い込んではいけない。もっと謙虚に。力をつけなさい』そして、そがには、『こなたはとても鋭い耳の持ち主ね。これからも、もっと精進しなさい。いつか灌頂を得られよう』と、微笑みながら仰有った……」
「あす」
民部卿局は毅然としていた。たとえ可愛い姪でも、慰めてやる優しい叔母ではない。
「屈辱に苦しみ、命婦を怨み、そがを妬む。よいことではないか」
「え」
「早いうちに人生の真実がわかってよかった。人生は常に挫折ばかり。夢なぞ追っても、味わうのは苦汁ばかりで、成功する人などいないのだ。挫折だけ味わい、生涯を終えるもの。夢は必ず叶わないのよ。音楽を夢とする人生は、そういうこと。だから、何十回も味わう挫折を乗り越える為にも、打たれ強くなる必要がある。幼いうちに挫折を知ってよかった」
「いいことなんか!」
あすは顔を上げて、怒鳴った。叔母を命婦でも見るように睨む。
「まあ、こなたにはまだ見えていないのよ。三十がらみの頃には、私の言ったことも、思い返せばなるほどと思うようになっている筈。まあ、いいから黙って聞きなさい」
民部卿局は宥めるように、その泥眼へ言った。
「大人になって、それまで天才と呼ばれ、周囲も自分さえもそれと信じている時に、初めてどん底に落ちたら、立ち直れなくなる。この世に喜びなどない、あるのは挫折だけだと幼い時から知っていれば、強くなれる。よかったの、こなたは幸運よ」
何という叔母か。あすは本気で怒った。
「挫折しかないっていうの?どんなに努力しても?いいことなんてない、夢なんて叶わないって言うの?だったら、何のための一生?何で生涯かけて音楽するの?」
「挫折しかなくとも、生涯やるのよ。そこから喜びを見いだせなければ駄目なのよ。挫折の中にも、日々、喜びはある。それが音楽をする者よ」
「何それ!意味わかりません。悲しくないの?」
あすはそう言い捨てると、妻戸を左手で強引に開け、出て行ってしまった。
法要は盛大に行われ、その後、予定通り十七人の童女達の箏が披露された。院も出御して、御簾内より天覧する。
中央に設えられた舞台は、さっき舞人達によって舞楽が舞われたが、そこに少女が一人ずつ上がって、自慢の技を競い合った。
審査をする人達は、陪従(べいじゅう)の席に着き、真剣である。
どうした不都合か、二人が棄権したので、十五名で競われたが、優秀な者については、童(わらわ)、または半物童(はしたわらわ)として後宮で召し使うことにするという決定が急に宮中より出された。これは帝の院への心遣いである。
結果、当然、大和前司の娘・あすは他者を圧倒して皇后懿子内親王の童となった。後に「左勝ちの阿波内侍(あわのないし)」と呼ばれ、秦箏相承血脉に名を連ねることになる。
そがは女院の半物童となったのだった。だが、後に阿波内侍との覇権に敗れ、御所を追われて庶民に落ち、化野(あだしの)の吉祥尼と呼ばれる箏の名手となるのである。けれど、彼女が血脉を許されることはなかった。ただ庶民の一数寄者、隠れた名手に過ぎない。
院は宝算八十を迎えていたが、故白河の大宮におくれて、すっかり弱くなり、昨年末から病みがちであった。天寿尽きる日の近いことを察していて、
「これが最後となるだろう」
と、資子内親王の法要が公の場に出る最後だと、周囲へ洩らしていた。
「何を仰せられます!」
周囲は無論そう言うが、院の思い込みは強い。
せめてこの世の名残に盛大な法要をしたいと、念入りな準備をしていた。法要とは別に、資子内親王が喜ぶような、何か華やかなことをしたいとも思う。
資子内親王は生前、秦箏(箏の琴)をこよなく愛していた。自分でもその道を極めたが、才能ある童女達をよく召し出しては、演奏させ、喜んでいたものだ。
「幼い人は将来がある。この先どうなってゆくのか、まだ楽しみがある。希望のある幼い人の秦箏を聴くのは嬉しいものです。皆、夢を持ち続けなさい。夢を持って、己の才を信じて、努力すれば、夢は必ず叶うものよ。夢を捨てないで、いつまでも」
童女達に向けられたやさしい微笑みと眼差しと、言葉と。
それを思い出して、院は童女達の箏を競い合う大会を発案した。
「身分は問わぬ。全国の箏の上手な童女を集めよ。それらを競わせ、まず七、八十名に絞り込み、さらに法要の三日前までに二十名に絞り込め。これら上位二十名を法要の後、その場に召し出し、亡き宮のご霊前にて一人ずつ弾かせん。血脉に記載のある人、楽人、管絃者を召して、童女に順位をつけさせよ」
この院の布告には、公卿から地下(じげ)まで、町の民から田舎の農夫までもが俄に色めき立った。国じゅうをあげて、皆これを面白いと囃し立てた。
締め切りの日までに全国から、腕に自慢の少女達が都に集まってきた。
俄かに、血脉に名のある管絃者や伶人達が、大会の審査役に定められ、旧冷泉院を掃き清めてその会場とした。
連日大会は行われ、五日後、ようやく終了した。結果の発表は一日隔てて行われ、上位六十九名が二次審査に進むことが決定した。
二次に進んだ者は、さすがに楽家の娘や大夫以上の身分の人の息女が多かった。だが、中には地方の在庁の子女や、公家の下級侍女などもいたし、猿楽などの賤民の子や商人の子も含まれていたのである。
二次は二日間行われ、結果、上位十七名が法要に参加することを許された。法要の五日前のことであった。
この十七名の中には、民部卿局の姪・あすも含まれていた。姪といっても、民部卿局は祖父の養女として育ったので、実父頼時の娘であるあすは、彼女の実妹ではあるのだが。
あすは箏の天才少女として、少し評判になっている子であった。自分より弾ける子を、今までに一度も見たことがなかったのだが、今回の法要に参加する子の中には、思いもよらぬ才能の持ち主もいる。
で、いつになく沈んでいるあすを見た民部卿局が察して、
「あす。どうしたの?」
と、声をかけてやった。
あすの悩みを聞いてやろうと思ったのである。
「私、あの子が嫌い……」
ぽつりとあすは、呟くように言った。
「あの子って、誰?」
「……そが」
「そが?──ああ、左衛門の吉上(きちじょう)の姪とかいう。大変な才能、鋭い耳の持ち主だと評判になった子ね。法要の日は、こなたと互角の勝負になるであろうと言われているわね」
そがという九歳になる少女は、無名ながらも今回の大会で、審査役の人々から評判を得ていた。いきなり注目されるようになった、天賦の才に恵まれた童女である。
庶民の子だが、母方の叔父が吉上であるとかないとか。名を菊の某云々というので、そがと呼ばれているらしい。そがとは、承和菊(そがぎく)という黄花の菊に由来する。
法要の日には、幼時より英才教育を受けた天才のあすが、他者を圧倒するだろうとの前評判である。あすは三秘調の盤渉調を弾く予定である。この歳で秘調を弾くのだ。他者とは天と地ほどの差ができるに違いない。
それなのに、そがに対して嫉妬するあすの気持ちは何なのか。
「こなたには実力がある。誰もこなたとは比べものにならないくらいの実力。大人の達者よりも優っている。その歳で盤渉調を知っている、それだけで一等間違いなきことを」
民部卿局は一応そう言った。
だが、あすは俯く。左手に持った扇を持て余しぎみに揺り動かす。
「……そう、私は誰よりも秀でています。でも、そがは……大人の達者にもない発想と感覚があるんです。あの感性は私にはありません」
「こなたとそがとの差は歴然。そがに才能があったとしても、実力ではこなたには到底及ばない。こなたとそがには千里の差があり、そがはこなたには決して勝てぬ」
「でも、私には才能なんかない。私は天才と呼ばれているけれど、本当の天才はそがで、私の場合は早熟なだけ。才能でも何でもない。ただ、他人より遥かに早くから箏の修行を始め、口をきくようになる前から、素晴らしい師について、努力してきたから。才能ではなくて、ただの努力の結果です!」
最後は叫びになって、あすはわっと泣き伏した。
そんな姪の背を眼下に見て、何だか民部卿局にはそれが自分の背に見えた。
あすにとっての最初の挫折。天才少女と謳われた十歳のあすが、初めて知る他者への嫉妬心。
それは、民部卿局の敏平に対するそれに似ていた。
あすは泣きじゃくりながら、憎しみを込めて訴える。
「審査の人の中に侍従命婦(じじゅうのみょうぶ)がいらしたんです。当世随一の箏の名手だから、私はそんな大変な方に聴いて頂けて、名誉なことだと思った。でも、命婦は私に仰有った。『こなたは実力があると思い込んではいけない。もっと謙虚に。力をつけなさい』そして、そがには、『こなたはとても鋭い耳の持ち主ね。これからも、もっと精進しなさい。いつか灌頂を得られよう』と、微笑みながら仰有った……」
「あす」
民部卿局は毅然としていた。たとえ可愛い姪でも、慰めてやる優しい叔母ではない。
「屈辱に苦しみ、命婦を怨み、そがを妬む。よいことではないか」
「え」
「早いうちに人生の真実がわかってよかった。人生は常に挫折ばかり。夢なぞ追っても、味わうのは苦汁ばかりで、成功する人などいないのだ。挫折だけ味わい、生涯を終えるもの。夢は必ず叶わないのよ。音楽を夢とする人生は、そういうこと。だから、何十回も味わう挫折を乗り越える為にも、打たれ強くなる必要がある。幼いうちに挫折を知ってよかった」
「いいことなんか!」
あすは顔を上げて、怒鳴った。叔母を命婦でも見るように睨む。
「まあ、こなたにはまだ見えていないのよ。三十がらみの頃には、私の言ったことも、思い返せばなるほどと思うようになっている筈。まあ、いいから黙って聞きなさい」
民部卿局は宥めるように、その泥眼へ言った。
「大人になって、それまで天才と呼ばれ、周囲も自分さえもそれと信じている時に、初めてどん底に落ちたら、立ち直れなくなる。この世に喜びなどない、あるのは挫折だけだと幼い時から知っていれば、強くなれる。よかったの、こなたは幸運よ」
何という叔母か。あすは本気で怒った。
「挫折しかないっていうの?どんなに努力しても?いいことなんてない、夢なんて叶わないって言うの?だったら、何のための一生?何で生涯かけて音楽するの?」
「挫折しかなくとも、生涯やるのよ。そこから喜びを見いだせなければ駄目なのよ。挫折の中にも、日々、喜びはある。それが音楽をする者よ」
「何それ!意味わかりません。悲しくないの?」
あすはそう言い捨てると、妻戸を左手で強引に開け、出て行ってしまった。
法要は盛大に行われ、その後、予定通り十七人の童女達の箏が披露された。院も出御して、御簾内より天覧する。
中央に設えられた舞台は、さっき舞人達によって舞楽が舞われたが、そこに少女が一人ずつ上がって、自慢の技を競い合った。
審査をする人達は、陪従(べいじゅう)の席に着き、真剣である。
どうした不都合か、二人が棄権したので、十五名で競われたが、優秀な者については、童(わらわ)、または半物童(はしたわらわ)として後宮で召し使うことにするという決定が急に宮中より出された。これは帝の院への心遣いである。
結果、当然、大和前司の娘・あすは他者を圧倒して皇后懿子内親王の童となった。後に「左勝ちの阿波内侍(あわのないし)」と呼ばれ、秦箏相承血脉に名を連ねることになる。
そがは女院の半物童となったのだった。だが、後に阿波内侍との覇権に敗れ、御所を追われて庶民に落ち、化野(あだしの)の吉祥尼と呼ばれる箏の名手となるのである。けれど、彼女が血脉を許されることはなかった。ただ庶民の一数寄者、隠れた名手に過ぎない。
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