8 / 38
軍勢(壱)
しおりを挟む
翌日、嬰がいつものように御祓と礼拝を終わらせると、幽貞は聖域の外へ向かった。
嬰は前日と同じ尾根を歩いて行く。貴重な薬草が沢山とれる場所を通るからだろうか、手に篭を掛けていた。
尾根を登りきり、最初の頂上に立つ。昨日同様、遥か彼方に都の象徴である大塔が見えた。しかし、すぐに違和感を覚える。
眼下の草紅葉の原に、昨日まではなかった立派な幕舎や陣幕が、いくつも準備されているのだ。そして、中央には巨大な祭壇が築かれている。幽貞が祭司を務める祭壇に違いなかった。
嬰はしばし凝視した後、俄に走り出した。尾根を一気にかけ降りる。下りきると、昨日喜んで摘んだ木の実の森にも目もくれず、再び尾根を登り始めた。
尾根を登りきると、また視界が広がる。真下の平原には、昨日同様に軍勢が犇めいていた。軍旗はなおまだはっきりとは見えない。
すると、弾んだ息のまま、嬰は何ともと来た道を戻り始めたのである。尾根を下り、再び登り。最初の峠に戻ってくると、草紅葉の原には陣幕が整い、祭壇からは煙が昇っていた。
すぐに、向こうの森から原に、数多の軍勢が隊列正しく入ってきた。
嬰は凝視すると、その草紅葉の原へ向かって下り始めた。人はあまり通らないのか、獣道しかない。
草木を掻き分け、獣道を下山して行くと、彼方に貞人の小屋が見えた。ならば、小屋の辺りには道があるはずである。
嬰は小屋の前まで道なき道を進んだ。小屋に至ると、確かに山道があった。それを麓に向かって進みかける。
「おや、お散歩ですか?」
背後から声をかけられ、振り返れば、小屋の入口から貞人が顔を出していた。
「ええ、今日は良い天気で、気持ちが良いですね」
嬰は愛想よく言って、再び前を向く。
「散歩日和ですが、そちらは気をつけられよ。聖域の外が近いですから。うっかり標の外に出られませぬように」
なお貞人が嬰の背中に注意してくる。どうやら、道は当たっているようである。嬰は礼を言ってさらに麓へと下りて行った。
やがて、標に行き当たった。これ以上、道を進むことはできない。
嬰は道から外れて、標に沿って草木の中を歩き出す。相変わらずの急ぎ足で。
やがて、草紅葉の原を見渡せる場所に出た。藪から顔を出すと、原全体が見渡せる。個々の顔も何となく判別できた。
中央の祭壇にいるのは、確かに幽貞であろう。日差しの下、頭髪が白銀に輝いている。
軍はどんどん草紅葉の原に集まってきて、その祭壇の前に整然と並んでいく。嬰が山中を移動している間に、大分集合していたようで、もう原は軍勢でほとんどいっぱいだった。
軍勢で埋め尽くされた原。
そこへ、大きく鮮やかな軍旗をいくつもはためかせた戦闘馬車が、続々と入ってきた。軍旗は三種あり、中の一つには韓の字が見える。
韓の旗を挿した馬車は五輌。乗っているのは女性とわかる。戦袍凛々しくはためかせている若い女性が、韓の馬車の先頭を進んでいた。
他には田の字の旗、賓の旗があり、それぞれ同様に数輌ずつ、皆女性が乗っていた。
馬車は祭壇の近くで停まると、乗っていた人は皆降りてきて、祭壇の回りに集まる。
続いて、宮殿の貞人たちの集団が入ってきた。そして、それらに護衛されるように回りを囲まれた、美しい馬に乗った貴人──子解が現れたのである。
大きな箕の旗が、雄々しく風に揺られている。甲冑姿の子解は非常に美しかった。
子解に続いて現れたのは、司母辛を乗せた戦闘馬車だ。
金色の箕の旗が目に眩しい。
司母辛には、顔が判別できない遠距離からでも、それとはっきりわかる、他の者にはない圧倒的な存在感があった。司母辛を包む空気が、そこだけ違っている。
司母辛も年齢を感じさせないほどしゃきっとして、甲冑を見事に着こなしていた。
司母辛の後には数十輌の戦闘馬車が続く。さらにその後方には女性のみの歩兵がぞろぞろと数百は続いていた。皆、殺気のような鋭い空気を纏った女性で、すでに祭壇の前に集っていた男の兵たちよりも強そうな雰囲気がある。
その間にも子解は祭壇の前に至り、司母辛と共に祭壇に歩いて上っていく。そして、幽貞に並んだ。
「ああ、子解……」
木陰から嬰が嘆息を漏らしていた。手を伸ばさなくても触れられる距離にある標を、ちらと見やる。この標を恨めしく思っているのだろう。
嬰はそれから祭壇の前にいる娘たちに目を向けた。彼女たちが子解の妻の候補なのだろう。
賓の軍旗の娘は、嬰が候補から外れたので補足された者に違いなかった。
「……羨ましい……」
嬰はついそう独り言を口にしていた。本来、あそこには嬰がいたはずなのだ。
「あっ!」
一人の男に釘付けになった。祭壇の前の娘たちの近くに立っている。高官で、甲冑は身につけていない。背が高く、風貌の立派な中年である。
「張大夫」
嬰は聞こえもしない相手に、そっと話しかけた。
「せっかく貴方がご推薦下さいましたのに、こんなことになってしまいました。すみません……」
嬰が詫びる男が、以前の周雅の目となっていた者の正体だった。
狩の前の儀式が始まった。嬰はじっと長時間、それを見ていた。
幽貞と司母辛中心に行われる儀式。狩の成功と安全を祈願してのものである。狩の後には獲物をほふって、また祭壇に捧げ、感謝の儀式を行うことになろう。
しかし、今回はそれだけではない。子解の妻となる者が選ばれるのだ。そのための儀式もある。
狩の開始前には、天にその候補の娘たちを紹介するのだろう。狩の成功を祈願する儀式が終わると、三人の娘たちが祭壇に上って、拝礼した。
子解はそれをどこか上の空で眺めている。ふと、こんこん咳き込んだ。鼎の煙に噎せたのではあるまい。
嬰ははっとして、俄に森の中に走って行った。そして、薬草を摘み始めたのだ。
持っていた籠いっぱい薬草で満たすと、また原に戻りかけた。
「そういえば……おかしいわ、張大夫のお姿が儀式の途中で見えなくなって……それに……」
独り言に続いて、嬰は別の道を走り始める。
「旗の色が違う。軍の様子もまるで違う……」
走りながら向かうのは、沢山の木の実がある低い場所だ。そこから峠を登ると、昨日のうちから幕舎、陣幕が広げられ、多数の兵で犇めいていた平原が見下ろせる場所に着く。
しかし、途中ではっと嬰は足を止め、岩陰に身を隠した。木の実溢れる場所は標も近い。その標の向こう側、聖域との境ぎりぎりの所を数名の兵が進んでいたのだ。
兵はいかにも忍び足といった様子で、辺りを窺いながら、そっと行く。彼らは子解の狩に参加している兵とは身形が違っていた。
すると、反対側から女兵が三人やって来た。こちらは子解の狩の兵だろう。両者は出会うなり、こそこそ耳打ちして、頷き合っている。そうかと思うと、さっと四散した。
行ってしまうのを確認してから、嬰は急いだ。息切れも何のその、尾根をかけ上がって峠の天辺へ。そして、眼下を覗き込んだ。
嬰は前日と同じ尾根を歩いて行く。貴重な薬草が沢山とれる場所を通るからだろうか、手に篭を掛けていた。
尾根を登りきり、最初の頂上に立つ。昨日同様、遥か彼方に都の象徴である大塔が見えた。しかし、すぐに違和感を覚える。
眼下の草紅葉の原に、昨日まではなかった立派な幕舎や陣幕が、いくつも準備されているのだ。そして、中央には巨大な祭壇が築かれている。幽貞が祭司を務める祭壇に違いなかった。
嬰はしばし凝視した後、俄に走り出した。尾根を一気にかけ降りる。下りきると、昨日喜んで摘んだ木の実の森にも目もくれず、再び尾根を登り始めた。
尾根を登りきると、また視界が広がる。真下の平原には、昨日同様に軍勢が犇めいていた。軍旗はなおまだはっきりとは見えない。
すると、弾んだ息のまま、嬰は何ともと来た道を戻り始めたのである。尾根を下り、再び登り。最初の峠に戻ってくると、草紅葉の原には陣幕が整い、祭壇からは煙が昇っていた。
すぐに、向こうの森から原に、数多の軍勢が隊列正しく入ってきた。
嬰は凝視すると、その草紅葉の原へ向かって下り始めた。人はあまり通らないのか、獣道しかない。
草木を掻き分け、獣道を下山して行くと、彼方に貞人の小屋が見えた。ならば、小屋の辺りには道があるはずである。
嬰は小屋の前まで道なき道を進んだ。小屋に至ると、確かに山道があった。それを麓に向かって進みかける。
「おや、お散歩ですか?」
背後から声をかけられ、振り返れば、小屋の入口から貞人が顔を出していた。
「ええ、今日は良い天気で、気持ちが良いですね」
嬰は愛想よく言って、再び前を向く。
「散歩日和ですが、そちらは気をつけられよ。聖域の外が近いですから。うっかり標の外に出られませぬように」
なお貞人が嬰の背中に注意してくる。どうやら、道は当たっているようである。嬰は礼を言ってさらに麓へと下りて行った。
やがて、標に行き当たった。これ以上、道を進むことはできない。
嬰は道から外れて、標に沿って草木の中を歩き出す。相変わらずの急ぎ足で。
やがて、草紅葉の原を見渡せる場所に出た。藪から顔を出すと、原全体が見渡せる。個々の顔も何となく判別できた。
中央の祭壇にいるのは、確かに幽貞であろう。日差しの下、頭髪が白銀に輝いている。
軍はどんどん草紅葉の原に集まってきて、その祭壇の前に整然と並んでいく。嬰が山中を移動している間に、大分集合していたようで、もう原は軍勢でほとんどいっぱいだった。
軍勢で埋め尽くされた原。
そこへ、大きく鮮やかな軍旗をいくつもはためかせた戦闘馬車が、続々と入ってきた。軍旗は三種あり、中の一つには韓の字が見える。
韓の旗を挿した馬車は五輌。乗っているのは女性とわかる。戦袍凛々しくはためかせている若い女性が、韓の馬車の先頭を進んでいた。
他には田の字の旗、賓の旗があり、それぞれ同様に数輌ずつ、皆女性が乗っていた。
馬車は祭壇の近くで停まると、乗っていた人は皆降りてきて、祭壇の回りに集まる。
続いて、宮殿の貞人たちの集団が入ってきた。そして、それらに護衛されるように回りを囲まれた、美しい馬に乗った貴人──子解が現れたのである。
大きな箕の旗が、雄々しく風に揺られている。甲冑姿の子解は非常に美しかった。
子解に続いて現れたのは、司母辛を乗せた戦闘馬車だ。
金色の箕の旗が目に眩しい。
司母辛には、顔が判別できない遠距離からでも、それとはっきりわかる、他の者にはない圧倒的な存在感があった。司母辛を包む空気が、そこだけ違っている。
司母辛も年齢を感じさせないほどしゃきっとして、甲冑を見事に着こなしていた。
司母辛の後には数十輌の戦闘馬車が続く。さらにその後方には女性のみの歩兵がぞろぞろと数百は続いていた。皆、殺気のような鋭い空気を纏った女性で、すでに祭壇の前に集っていた男の兵たちよりも強そうな雰囲気がある。
その間にも子解は祭壇の前に至り、司母辛と共に祭壇に歩いて上っていく。そして、幽貞に並んだ。
「ああ、子解……」
木陰から嬰が嘆息を漏らしていた。手を伸ばさなくても触れられる距離にある標を、ちらと見やる。この標を恨めしく思っているのだろう。
嬰はそれから祭壇の前にいる娘たちに目を向けた。彼女たちが子解の妻の候補なのだろう。
賓の軍旗の娘は、嬰が候補から外れたので補足された者に違いなかった。
「……羨ましい……」
嬰はついそう独り言を口にしていた。本来、あそこには嬰がいたはずなのだ。
「あっ!」
一人の男に釘付けになった。祭壇の前の娘たちの近くに立っている。高官で、甲冑は身につけていない。背が高く、風貌の立派な中年である。
「張大夫」
嬰は聞こえもしない相手に、そっと話しかけた。
「せっかく貴方がご推薦下さいましたのに、こんなことになってしまいました。すみません……」
嬰が詫びる男が、以前の周雅の目となっていた者の正体だった。
狩の前の儀式が始まった。嬰はじっと長時間、それを見ていた。
幽貞と司母辛中心に行われる儀式。狩の成功と安全を祈願してのものである。狩の後には獲物をほふって、また祭壇に捧げ、感謝の儀式を行うことになろう。
しかし、今回はそれだけではない。子解の妻となる者が選ばれるのだ。そのための儀式もある。
狩の開始前には、天にその候補の娘たちを紹介するのだろう。狩の成功を祈願する儀式が終わると、三人の娘たちが祭壇に上って、拝礼した。
子解はそれをどこか上の空で眺めている。ふと、こんこん咳き込んだ。鼎の煙に噎せたのではあるまい。
嬰ははっとして、俄に森の中に走って行った。そして、薬草を摘み始めたのだ。
持っていた籠いっぱい薬草で満たすと、また原に戻りかけた。
「そういえば……おかしいわ、張大夫のお姿が儀式の途中で見えなくなって……それに……」
独り言に続いて、嬰は別の道を走り始める。
「旗の色が違う。軍の様子もまるで違う……」
走りながら向かうのは、沢山の木の実がある低い場所だ。そこから峠を登ると、昨日のうちから幕舎、陣幕が広げられ、多数の兵で犇めいていた平原が見下ろせる場所に着く。
しかし、途中ではっと嬰は足を止め、岩陰に身を隠した。木の実溢れる場所は標も近い。その標の向こう側、聖域との境ぎりぎりの所を数名の兵が進んでいたのだ。
兵はいかにも忍び足といった様子で、辺りを窺いながら、そっと行く。彼らは子解の狩に参加している兵とは身形が違っていた。
すると、反対側から女兵が三人やって来た。こちらは子解の狩の兵だろう。両者は出会うなり、こそこそ耳打ちして、頷き合っている。そうかと思うと、さっと四散した。
行ってしまうのを確認してから、嬰は急いだ。息切れも何のその、尾根をかけ上がって峠の天辺へ。そして、眼下を覗き込んだ。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
別れし夫婦の御定書(おさだめがき)
佐倉 蘭
歴史・時代
★第11回歴史・時代小説大賞 奨励賞受賞★
嫡男を産めぬがゆえに、姑の策略で南町奉行所の例繰方与力・進藤 又十蔵と離縁させられた与岐(よき)。
離縁後、生家の父の猛反対を押し切って生まれ育った八丁堀の組屋敷を出ると、小伝馬町の仕舞屋に居を定めて一人暮らしを始めた。
月日は流れ、姑の思惑どおり後妻が嫡男を産み、婚家に置いてきた娘は二人とも無事与力の御家に嫁いだ。
おのれに起こったことは綺麗さっぱり水に流した与岐は、今では女だてらに離縁を望む町家の女房たちの代わりに亭主どもから去り状(三行半)をもぎ取るなどをする「公事師(くじし)」の生業(なりわい)をして生計を立てていた。
されどもある日突然、与岐の仕舞屋にとっくの昔に離縁したはずの元夫・又十蔵が転がり込んできて——
※「今宵は遣らずの雨」「大江戸ロミオ&ジュリエット」「大江戸シンデレラ」「大江戸の番人 〜吉原髪切り捕物帖〜」にうっすらと関連したお話ですが単独でお読みいただけます。
与兵衛長屋つれあい帖 お江戸ふたり暮らし
かずえ
歴史・時代
旧題:ふたり暮らし
長屋シリーズ一作目。
第八回歴史・時代小説大賞で優秀短編賞を頂きました。応援してくださった皆様、ありがとうございます。
十歳のみつは、十日前に一人親の母を亡くしたばかり。幸い、母の蓄えがあり、自分の裁縫の腕の良さもあって、何とか今まで通り長屋で暮らしていけそうだ。
頼まれた繕い物を届けた帰り、くすんだ着物で座り込んでいる男の子を拾う。
一人で寂しかったみつは、拾った男の子と二人で暮らし始めた。
花嫁御寮 ―江戸の妻たちの陰影― :【第11回歴史・時代小説大賞 奨励賞】
naomikoryo
歴史・時代
名家に嫁いだ若き妻が、夫の失踪をきっかけに、江戸の奥向きに潜む権力、謀略、女たちの思惑に巻き込まれてゆく――。
舞台は江戸中期。表には見えぬ女の戦(いくさ)が、美しく、そして静かに燃え広がる。
結城澪は、武家の「御寮人様」として嫁いだ先で、愛と誇りのはざまで揺れることになる。
失踪した夫・宗真が追っていたのは、幕府中枢を揺るがす不正金の記録。
やがて、志を同じくする同心・坂東伊織、かつて宗真の婚約者だった篠原志乃らとの交錯の中で、澪は“妻”から“女”へと目覚めてゆく。
男たちの義、女たちの誇り、名家のしがらみの中で、澪が最後に選んだのは――“名を捨てて生きること”。
これは、名もなき光の中で、真実を守り抜いたひと組の夫婦の物語。
静謐な筆致で描く、江戸奥向きの愛と覚悟の長編時代小説。
全20話、読み終えた先に見えるのは、声高でない確かな「生」の姿。
甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ
朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】
戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。
永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。
信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。
この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。
*ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。
裏長屋の若殿、限られた自由を満喫する
克全
歴史・時代
貧乏人が肩を寄せ合って暮らす聖天長屋に徳田新之丞と名乗る人品卑しからぬ若侍がいた。月のうち数日しか長屋にいないのだが、いる時には自ら竈で米を炊き七輪で魚を焼く小まめな男だった。
滝川家の人びと
卯花月影
歴史・時代
勝利のために走るのではない。
生きるために走る者は、
傷を負いながらも、歩みを止めない。
戦国という時代の只中で、
彼らは何を失い、
走り続けたのか。
滝川一益と、その郎党。
これは、勝者の物語ではない。
生き延びた者たちの記録である。
【読者賞】江戸の飯屋『やわらぎ亭』〜元武家娘が一膳でほぐす人と心〜
旅する書斎(☆ほしい)
歴史・時代
【第11回歴史・時代小説大賞 読者賞(読者投票1位)受賞】
文化文政の江戸・深川。
人知れず佇む一軒の飯屋――『やわらぎ亭』。
暖簾を掲げるのは、元武家の娘・おし乃。
家も家族も失い、父の形見の包丁一つで町に飛び込んだ彼女は、
「旨い飯で人の心をほどく」を信条に、今日も竈に火を入れる。
常連は、職人、火消し、子どもたち、そして──町奉行・遠山金四郎!?
変装してまで通い詰めるその理由は、一膳に込められた想いと味。
鯛茶漬け、芋がらの煮物、あんこう鍋……
その料理の奥に、江戸の暮らしと誇りが宿る。
涙も笑いも、湯気とともに立ち上る。
これは、舌と心を温める、江戸人情グルメ劇。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる