7 / 66
2
しおりを挟む
キス一つで恥ずかしくて真っ赤になるエリーナに、カールは困った顔をした。
「まいったな。キス一つでこの反応かー」
「す、すみません……」
ついさっき結婚式でキスを交わしたが、あの時とは違う熱っぽい空気にエリーナはつい身構えてしまった。
小さくなるエリーナにカールは苦笑を洩らして頭を振る。
「謝るな。ただ、その反応が可愛すぎて困っただけだ」
やさしくベッドに押し倒され、おでこ、鼻の先、頬、唇とキスが落とされる。
その度にエリーナの細い身体はぴくぴくと震えた。
この先何をするかまさか知らないわけでもない。淑女のたしなみとしてそのことは教わっている。その先のことを思うと息が止まりそうだった。
カールは壊れ物のガラスのようにエリーナに触れる。一つ何かする度にエリーナの反応を気遣う。
だがその余裕があったのは、最初のうちだけだった。
カールが再びエリーナの唇にキスをする。
さすがに目を閉じなければと、目を閉じて受け入れていたがすぐに離れると思っていた唇は離れることなくぬるりとしたものが侵入してきた。
「っつ……!?」
それが舌だということが分かって、エリーナは瞠目し目を見開いた。
歯列を割り、舌を絡めとり吸われる。濃厚な口づけにエリーナは眩暈がした。
息苦しくなって酸素を求めるように喘ぐエリーナに、カールは箍が外れたように貪りつく。
「んっ、ふっ、あ……」
「っつ、エリーナ。私の舌を、舐めるんだ」
エリーナの頬に手を添えながら掠れた声で言われ、エリーナは言われるまま舌を舐めた。
舌先をこすり合わせこぼれた唾液ごと吸われる。
こんなキスは知らない。
角度を変えて何度も食らいつく唇に、身体の力が抜けていく。
ついさっきまで優しく紳士的に接していたカールの余裕はなくなっていて、キスに溺れていた。
「ん、ふっ……」
たっぷりと口内を蹂躙した唇はちゅっ、と音を立ててようやく離れた。
ぐったりとしたエリーナにカールは少し罰が悪そうな顔で口にした。
「-すまない。年甲斐もなく、興奮した」
「い、いえ……。だいじょうぶ、です」
真っ赤な顔でそう答えるとカールはエリーナのサラサラの長い髪をそっと撫でた。
「君の体調を気遣ってはいるが、もっと、乱れるエリーナをみたいのが本音だ」
カールの息が乱れている。熱っぽい瞳に見据えられながらエリーナの背中に手を伸ばして、ドレスが脱がされていく。
「あっ……」
エリーナの身体を圧迫しているコルセットの紐も緩められ、シュミーズごと脱がされて一糸まとわぬ姿になった。
カールの青い瞳がじっとエリーナの乳房に注がれている。
恥ずかしくて恥ずかしくて、どうにかなりそうだった。
「あ、やっ……」
生理的な涙が零れて思わず両手で顔を隠す。
「綺麗な肌だ」
そっとカールの手のひらがエリーナの肌の上を這う。
それだけでぞくっと肌が粟立った。
カールの大きな手のひらが形を確かめるように乳房に触れ、やわやわと揉み、先端の乳首を指で摘まむ。
「っあっ……」
ぴくん、とエリーナの細い身体が揺れた。
「刺激、強すぎるか?」
気遣うように問いかけられて、エリーナは懸命にぷぷると首を振った。
「よかった。ここでやめてと泣かれても困るからな」
エリーナの体調を配慮して聞いてくれるけれど、ここで素直にやめてとは言えない空気がカールにはあった。
カールが赤子のように乳首に吸い付いく。エリーナはまさかそんなことをされるとは思ってもいなくて動揺した。
舐めているー。カールがエリーナの乳首をー。
ちゅ、くちゅ、と音を立てながら吸い付くカールを物珍しいものでも見るかのように、エリーナは潤んだ瞳で見つめた。
もう片方の胸はくりくりと指の腹で乳首を転がしたり摘まんだりを繰り返す。全身に甘い痺れがおこって身を震わせ、ふとエリーナは下半身の違和感に気づいた。
そこはじっとりと粗相でもしたかのように濡れていて、かっと頬を赤くする。
(や、うそっー…)
エリーナはいたたまれない気持ちになって、カールに気づかれないように足をぎゅっと閉じた。
「まいったな。キス一つでこの反応かー」
「す、すみません……」
ついさっき結婚式でキスを交わしたが、あの時とは違う熱っぽい空気にエリーナはつい身構えてしまった。
小さくなるエリーナにカールは苦笑を洩らして頭を振る。
「謝るな。ただ、その反応が可愛すぎて困っただけだ」
やさしくベッドに押し倒され、おでこ、鼻の先、頬、唇とキスが落とされる。
その度にエリーナの細い身体はぴくぴくと震えた。
この先何をするかまさか知らないわけでもない。淑女のたしなみとしてそのことは教わっている。その先のことを思うと息が止まりそうだった。
カールは壊れ物のガラスのようにエリーナに触れる。一つ何かする度にエリーナの反応を気遣う。
だがその余裕があったのは、最初のうちだけだった。
カールが再びエリーナの唇にキスをする。
さすがに目を閉じなければと、目を閉じて受け入れていたがすぐに離れると思っていた唇は離れることなくぬるりとしたものが侵入してきた。
「っつ……!?」
それが舌だということが分かって、エリーナは瞠目し目を見開いた。
歯列を割り、舌を絡めとり吸われる。濃厚な口づけにエリーナは眩暈がした。
息苦しくなって酸素を求めるように喘ぐエリーナに、カールは箍が外れたように貪りつく。
「んっ、ふっ、あ……」
「っつ、エリーナ。私の舌を、舐めるんだ」
エリーナの頬に手を添えながら掠れた声で言われ、エリーナは言われるまま舌を舐めた。
舌先をこすり合わせこぼれた唾液ごと吸われる。
こんなキスは知らない。
角度を変えて何度も食らいつく唇に、身体の力が抜けていく。
ついさっきまで優しく紳士的に接していたカールの余裕はなくなっていて、キスに溺れていた。
「ん、ふっ……」
たっぷりと口内を蹂躙した唇はちゅっ、と音を立ててようやく離れた。
ぐったりとしたエリーナにカールは少し罰が悪そうな顔で口にした。
「-すまない。年甲斐もなく、興奮した」
「い、いえ……。だいじょうぶ、です」
真っ赤な顔でそう答えるとカールはエリーナのサラサラの長い髪をそっと撫でた。
「君の体調を気遣ってはいるが、もっと、乱れるエリーナをみたいのが本音だ」
カールの息が乱れている。熱っぽい瞳に見据えられながらエリーナの背中に手を伸ばして、ドレスが脱がされていく。
「あっ……」
エリーナの身体を圧迫しているコルセットの紐も緩められ、シュミーズごと脱がされて一糸まとわぬ姿になった。
カールの青い瞳がじっとエリーナの乳房に注がれている。
恥ずかしくて恥ずかしくて、どうにかなりそうだった。
「あ、やっ……」
生理的な涙が零れて思わず両手で顔を隠す。
「綺麗な肌だ」
そっとカールの手のひらがエリーナの肌の上を這う。
それだけでぞくっと肌が粟立った。
カールの大きな手のひらが形を確かめるように乳房に触れ、やわやわと揉み、先端の乳首を指で摘まむ。
「っあっ……」
ぴくん、とエリーナの細い身体が揺れた。
「刺激、強すぎるか?」
気遣うように問いかけられて、エリーナは懸命にぷぷると首を振った。
「よかった。ここでやめてと泣かれても困るからな」
エリーナの体調を配慮して聞いてくれるけれど、ここで素直にやめてとは言えない空気がカールにはあった。
カールが赤子のように乳首に吸い付いく。エリーナはまさかそんなことをされるとは思ってもいなくて動揺した。
舐めているー。カールがエリーナの乳首をー。
ちゅ、くちゅ、と音を立てながら吸い付くカールを物珍しいものでも見るかのように、エリーナは潤んだ瞳で見つめた。
もう片方の胸はくりくりと指の腹で乳首を転がしたり摘まんだりを繰り返す。全身に甘い痺れがおこって身を震わせ、ふとエリーナは下半身の違和感に気づいた。
そこはじっとりと粗相でもしたかのように濡れていて、かっと頬を赤くする。
(や、うそっー…)
エリーナはいたたまれない気持ちになって、カールに気づかれないように足をぎゅっと閉じた。
31
あなたにおすすめの小説
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
婚約解消されたら隣にいた男に攫われて、強請るまで抱かれたんですけど?〜暴君の暴君が暴君過ぎた話〜
紬あおい
恋愛
婚約解消された瞬間「俺が貰う」と連れ去られ、もっとしてと強請るまで抱き潰されたお話。
連れ去った強引な男は、実は一途で高貴な人だった。
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
義兄に甘えまくっていたらいつの間にか執着されまくっていた話
よしゆき
恋愛
乙女ゲームのヒロインに意地悪をする攻略対象者のユリウスの義妹、マリナに転生した。大好きな推しであるユリウスと自分が結ばれることはない。ならば義妹として目一杯甘えまくって楽しもうと考えたのだが、気づけばユリウスにめちゃくちゃ執着されていた話。
「義兄に嫌われようとした行動が裏目に出て逆に執着されることになった話」のifストーリーですが繋がりはなにもありません。
お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。
下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。
またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。
あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。
ご都合主義の多分ハッピーエンド?
小説家になろう様でも投稿しています。
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
【完結】モブのメイドが腹黒公爵様に捕まりました
ベル
恋愛
皆さまお久しぶりです。メイドAです。
名前をつけられもしなかった私が主人公になるなんて誰が思ったでしょうか。
ええ。私は今非常に困惑しております。
私はザーグ公爵家に仕えるメイド。そして奥様のソフィア様のもと、楽しく時に生温かい微笑みを浮かべながら日々仕事に励んでおり、平和な生活を送らせていただいておりました。
...あの腹黒が現れるまでは。
『無口な旦那様は妻が可愛くて仕方ない』のサイドストーリーです。
個人的に好きだった二人を今回は主役にしてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる