俺と彼女と幼馴染と

kanikui

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第一章

えっと.....あの…その

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人には言えること、言えない事いろいろあると思う。あんなことこんなことが人にはあるわけで。誰だってそうだ。
実は小学校低学年までおむつを付けていたとか。毎日女子をこっそり観察しているとか隠れホモだったりだとか。
それを、無理やり聞き出そうとか解決しようとか。そんなおこがましい事してはいけないと思う。相手が助けを求めているならともかく。

当然、俺こと新宮新にも人には言えない秘密や隠し事があるわけで。

それに目の前の彼女も同じことではないだろうか。

目の前の彼女。そう、学校で有名なこの子、目の前で可愛く心配してくれている琴坂玲奈さんにも当然あるはずだ。

「ねぇ、本当に大丈夫?保健室行く?」
「大丈夫ですから。ほんとに、マジで」
「新宮君が明日学校休んだりしたら私悲しいな」
「うっ.....」

そんな純粋な瞳を向けられたら余計に言えるはずがない。えぇ子や。

だから、そんな子に。そんな子に!!授業寝て起きたら、男の中の男が勃っていたなんて言えるはずがないのだ.....っ!!!

「新帰ろー」
「おおぉ。沙月」

空いていたドアから元気よく出てきたのは幼馴染の中月沙月。見た目はまぁ贔屓目に見てきれいで、そこそこモテる。かなり持てる。
好きなものはプリン、実用性があるもの。きれいなもの。
嫌いなものはニンジンと何でも可愛いって言っている女子って言っていたような。

そんな沙月がこの状況に来てくれたのでいろいろ助かる。

よくやった、沙月。お兄さん帰りにプリン買ってあげちゃう。

「あら?お邪魔だった?」

と思ったらにやにやしてこっちを見てUターンを決めようとする。後でニンジンだけの炒め物食べてもらうからな。

俺は慌てて止めに入る。

「全然邪魔じゃないからそこから動くな。ずっと俺のそばにいてくれ」

色々まずいから。あんたが今帰るとすごくめんどくさいから。

「え、それって.....うそっ」
「えぇー!」

どうしよう、収まらない。どうしよう。どうしよう。

目の前の琴坂さんの事を見ると、おどおどして顔を赤くしている。

え!?まさかば、ばれた!?あと可愛い!

「あの.....!新宮君」
「は、はい」

頬を赤くして俯いていた顔を上げ、決心した面持ちで口を開く。

や、やめてぇー。お願いします。本当に。女子がそんな事口走っちゃダメー。

「私と付き合ってください!」
「……は?」
「は?」
「……え?だ、だから私と付き合ってくれませんか」
「「えーーーーーー!!!」」
「……じゃあ、私も」
「じゃあ、私も!?」

は?えぇーー






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