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第二章
第15話 作戦会議② (Side:アルヴィン)
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そんな午前中の作戦会議は、午後の警邏隊長からの聞き取りによって、大幅に軌道修正をせざるを得なくなった。
「――え?も、もう一度言ってください」
「いえあの……ですから……」
警邏隊長の発言を信じられず聞き返すと、いかつい顔をした警邏隊長は困った顔でもう一度同じことを繰り返した。
「竜のいる山脈周辺でも、恐化現象は一つも確認されていません。毎日、朝も夜も我々が目を光らせていますが、魔物なんて見たことはないし、植物や土壌が毒に汚染されたという報告もありません」
「で、でも――近隣住民が逃げ出していると、トビアス氏は――」
僕の質問に、警邏隊長は「あぁそれは」と答える。
「得体の知れない術で精鋭の黒騎士を退ける竜がいるんですから、戦いが激化して巻き込まれるのは御免でしょう。それに、山の付近は田舎で保守的――竜神教信者や傭兵など、見知らぬ人間が領内に多くなると治安悪化を恐れ、逃げ出す者もいます」
「じゃ……じゃぁ、近隣が廃墟になっているとか、そんなことは――」
「ないですよ。先祖代々の土地を守る年寄り連中は、むしろ竜と断固として戦う覚悟です。警邏隊としては、何かある前に逃げて安全を確保してほしいと思いますが」
驚いたのは、僕だけじゃない。カルロも、珍しく目を瞬いている。肝が据わったカルロがこんな反応をするのは、とても珍しい。
「各地で恐化が進行し、酷い地域では地獄絵図だと聞きますが、正直、本当に同じ世界で起きていることなのかと疑わしいくらいですよ」
警邏隊長はため息を吐いて続ける。
「レーヴ領では魔物より竜神教の方が問題です。妙な集会を開いたり、勝手に山に入ろうとして遭難したり。最近じゃ、恐化による世界滅亡から救われたければ竜神を讃えよ、と言って世界各地で宗教勧誘をしているらしく、他国や他領から入信希望者がレーヴ領に転居しようと殺到しています。質が悪いったらありゃしません。全く……信仰禁止の掟を知らんのかと説教したいくらいですよ」
「な……なるほど……」
本当に、竜のいる山脈周辺だけ恐化現象が発生していないのなら、竜神教の謳い文句は効果絶大だ。激化した恐化の脅威を目の当たりにした人間は、彼らの言葉を信じてしまうだろう。
「どう思う?カルロ」
「どう思うも何も……あえてやってるんだとしたらなかなかうまい戦略だな。ただ、信仰なんぞを集めて、どうしたいのかは知らんが」
言いながら、カルロは腕を組んで考え込む。
竜が、信者に指示してそんなことをするとも思えない。勝手に信者が動いているだけだろう。
しばらく考え込んでいたカルロは、ふと顔を上げて仮説を口にした。
「可能性があるとしたら、竜も白魔法を使う――とかか?」
「え?」
「白魔法は、信仰心を基にするって教わるんだろう。もし、正教の神以外――竜への信仰でも、魔法の力に変えられるなら、信者たちが信仰を集めることに意味が出る」
言いながら、カルロは警邏隊長へと向き直った。
「アンタ、竜の討伐作戦には関与してたのか」
「は、はぁ……戦闘員として参加したわけではなく、道案内の役割でしたが」
「竜は見たか?戦闘はどんなふうに行われた?竜は魔法を使うのか、爪や牙で戦うのか」
トビアス氏に聞こうと思っていた内容をぶつけると、警邏隊長はごくりと唾をのんだ。
「竜の影を見たのは一度だけ――すぐに逃げていってしまいましたから、良くは見ていません。ただ、魔法……のような何かを、使っているのを見ました」
「何?」
カルロが鋭い視線を投げる。
警邏隊長は恐ろしい記憶を呼び起こしているのか、蒼い顔で震えながら口にした。
「黒騎士団たちが一斉に攻撃魔法を放ったのですが――竜は、それを一瞥しただけで全て無効化したのです」
「無効化……?反射や防御ではなく?」
「は、はい。空中で、こう、ふっと何もなかったように掻き消えて――」
身振り手振りで一生懸命伝える警邏隊長に、カルロはぎゅっと眉根を寄せて考え込む。
「カルロ……そ、そんなこと、できるものなの……?」
「……いや。常識的に考えれば不可能だ。魔法が放たれる前に、魔法使いの演算を妨害して不発にする、とかならまだわかるが――一度効果を発現させた魔法を、空中で跡形もなく四散させるなんて、あり得ない」
言いながら、カルロは組んだ腕の上で軽く指を上下させる。カルロが何かを深く考えている時の癖だ。
ぶつぶつと口の中で呟くようにして、思考を纏めている。
「黒魔法は、演算に則る。攻撃を弾く盾を生み出す、効果を反射する障壁を作る――これらはまぁ、わかる」
「この指輪に付与されてる魔法や、カルロが考えた反射の魔法?」
「そうだ。一度放たれた攻撃を防いだり反射したりするのは、理論上不可能じゃない。だが、一度演算が完成した効果を、途中で無かったことにするなんて、意味が分からん」
カルロは、ここ数百年ほど全く進まなかった黒魔法の進化を、一人で五段階くらい進めたと評された天才だ。彼が「分からない」というからには、きっと、本当に意味不明なことなのだろう。
討伐作戦に参加した黒騎士達も、同様の気持ちだったに違いない。
「俺の管轄じゃ考えられないとなると――おい、アルヴィン。白魔法でそんなことが出来ると思うか?」
「まさか。白魔法でそんなことをしようと思ったら、神様に祈って『消えろ!』って念じるしかないけど、そんなことで向かってくる攻撃魔法が消えるなら、貴族はもっと昔から戦場に立ってるし、死者も出ているはず」
「……だよな」
白魔法は、補助魔法でしかない。戦場では、貴族が使う「指揮官の魔法」と呼ばれる。
実戦向きの黒魔法は平民の魔法――前線に立つのは、平民だからだ。
「ってことは、竜は黒魔法でも白魔法でもない、全く別の体系の魔法を使う可能性がある……クソ、厄介だな」
カルロが大きく舌打ちをする。
無手で真正面から竜に会いに行くには、リスクが高すぎるようだ。大幅に計画を見直す必要がある。
指を上下させながら真剣な横顔で考え込んでしまったカルロの代わりに、僕は警邏隊長に質問した。
「竜が攻撃を無力化するとわかって、討伐隊はどう対抗したのですか?」
警邏隊長は、ふるふると首を横に振る。
「何も。攻撃を無効化され、成す術なく立ち尽くす黒騎士には目もくれず、竜はそのまま翼を広げ飛び去って行きました。もともと竜には争う意思がなかったのかもしれません」
「追いかけなかったのですか?」
「最初は、茫然として追いつけず……体勢を立て直して臨んだ二度目の作戦以降は、頂上付近に人間の侵入を阻む光の障壁が現れて、それ以上進めなくなってしまったのです……」
警邏隊長の言葉に、カルロの眉間の皺が深くなる。光の障壁とやらも、魔法では実現が難しいのだろう。
「光の障壁の先に竜がいることはわかっていますが、障壁を破壊することも乗り越えることも出来ず……そもそも標高が高すぎて、素人が簡単に登れるものではありません。登れるのは真夏のほんの少しの期間だけ。野生動物すら殆ど生息していないほどの厳しい寒さですから――」
「そんなに凄い所なんですね」
想像以上の厳しさだ。
シャロンは、そんな環境で無事に生きていけているのだろうか。
「じゃあ、今の季節は、竜に会いに行くのは難しいのでしょうか」
「そ、そりゃあ勿論!こんな冬の入り口に山頂を目指すなんて、命がいくつあっても足りやしませんよ!」
信じられない、と言わんばかりに警邏隊長に叱られ、がっかりする。
竜が山脈に居続けてくれるのであれば、来年の真夏まで討伐されることはなさそうだが、僕たちも会いに行けないというのは困る。
せめて何か――と考えた僕は、今朝カルロと眺めた地図を警邏隊長の前に持っていった。
「最後に竜を見た位置と、竜が飛び去って行った方角を覚えていますか?せめて、連なる山々の、どのあたりにいるのか当たりをつけたくて――」
言いながら身を乗り出して地図を机に広げる。かなり大きな地図だから、端まで広げようと思うと前かがみにならないといけないのが厄介だ。
ぐっと身体を伸ばしていると、ふと斜め上から視線を感じた。
目を上げると、警邏隊長が顔を赤くしてこちらを覗き込んでいる。
「……?何か――」
僕の胸元当たりに視線を注ぎ、茹蛸かと思うほど顔を赤くした警邏隊長に疑問符を上げると同時――
バチバチバチッ
「おい。てめぇ、どこ見てやがる」
「ひぃっ――!?」
後ろから特大の静電気が発生しているような物騒な音とともに、地の底から響くようなカルロの声が飛んだ。
「忠告は一回だけだ。消し炭にされるか、証言に専念するか、選べ」
「カルロ!?屋内で何考えてるんだ!?」
カルロの掌の上で放電し始めた何かの攻撃魔法に肝を冷やして、僕は必死に親友を制止したのだった。
「――え?も、もう一度言ってください」
「いえあの……ですから……」
警邏隊長の発言を信じられず聞き返すと、いかつい顔をした警邏隊長は困った顔でもう一度同じことを繰り返した。
「竜のいる山脈周辺でも、恐化現象は一つも確認されていません。毎日、朝も夜も我々が目を光らせていますが、魔物なんて見たことはないし、植物や土壌が毒に汚染されたという報告もありません」
「で、でも――近隣住民が逃げ出していると、トビアス氏は――」
僕の質問に、警邏隊長は「あぁそれは」と答える。
「得体の知れない術で精鋭の黒騎士を退ける竜がいるんですから、戦いが激化して巻き込まれるのは御免でしょう。それに、山の付近は田舎で保守的――竜神教信者や傭兵など、見知らぬ人間が領内に多くなると治安悪化を恐れ、逃げ出す者もいます」
「じゃ……じゃぁ、近隣が廃墟になっているとか、そんなことは――」
「ないですよ。先祖代々の土地を守る年寄り連中は、むしろ竜と断固として戦う覚悟です。警邏隊としては、何かある前に逃げて安全を確保してほしいと思いますが」
驚いたのは、僕だけじゃない。カルロも、珍しく目を瞬いている。肝が据わったカルロがこんな反応をするのは、とても珍しい。
「各地で恐化が進行し、酷い地域では地獄絵図だと聞きますが、正直、本当に同じ世界で起きていることなのかと疑わしいくらいですよ」
警邏隊長はため息を吐いて続ける。
「レーヴ領では魔物より竜神教の方が問題です。妙な集会を開いたり、勝手に山に入ろうとして遭難したり。最近じゃ、恐化による世界滅亡から救われたければ竜神を讃えよ、と言って世界各地で宗教勧誘をしているらしく、他国や他領から入信希望者がレーヴ領に転居しようと殺到しています。質が悪いったらありゃしません。全く……信仰禁止の掟を知らんのかと説教したいくらいですよ」
「な……なるほど……」
本当に、竜のいる山脈周辺だけ恐化現象が発生していないのなら、竜神教の謳い文句は効果絶大だ。激化した恐化の脅威を目の当たりにした人間は、彼らの言葉を信じてしまうだろう。
「どう思う?カルロ」
「どう思うも何も……あえてやってるんだとしたらなかなかうまい戦略だな。ただ、信仰なんぞを集めて、どうしたいのかは知らんが」
言いながら、カルロは腕を組んで考え込む。
竜が、信者に指示してそんなことをするとも思えない。勝手に信者が動いているだけだろう。
しばらく考え込んでいたカルロは、ふと顔を上げて仮説を口にした。
「可能性があるとしたら、竜も白魔法を使う――とかか?」
「え?」
「白魔法は、信仰心を基にするって教わるんだろう。もし、正教の神以外――竜への信仰でも、魔法の力に変えられるなら、信者たちが信仰を集めることに意味が出る」
言いながら、カルロは警邏隊長へと向き直った。
「アンタ、竜の討伐作戦には関与してたのか」
「は、はぁ……戦闘員として参加したわけではなく、道案内の役割でしたが」
「竜は見たか?戦闘はどんなふうに行われた?竜は魔法を使うのか、爪や牙で戦うのか」
トビアス氏に聞こうと思っていた内容をぶつけると、警邏隊長はごくりと唾をのんだ。
「竜の影を見たのは一度だけ――すぐに逃げていってしまいましたから、良くは見ていません。ただ、魔法……のような何かを、使っているのを見ました」
「何?」
カルロが鋭い視線を投げる。
警邏隊長は恐ろしい記憶を呼び起こしているのか、蒼い顔で震えながら口にした。
「黒騎士団たちが一斉に攻撃魔法を放ったのですが――竜は、それを一瞥しただけで全て無効化したのです」
「無効化……?反射や防御ではなく?」
「は、はい。空中で、こう、ふっと何もなかったように掻き消えて――」
身振り手振りで一生懸命伝える警邏隊長に、カルロはぎゅっと眉根を寄せて考え込む。
「カルロ……そ、そんなこと、できるものなの……?」
「……いや。常識的に考えれば不可能だ。魔法が放たれる前に、魔法使いの演算を妨害して不発にする、とかならまだわかるが――一度効果を発現させた魔法を、空中で跡形もなく四散させるなんて、あり得ない」
言いながら、カルロは組んだ腕の上で軽く指を上下させる。カルロが何かを深く考えている時の癖だ。
ぶつぶつと口の中で呟くようにして、思考を纏めている。
「黒魔法は、演算に則る。攻撃を弾く盾を生み出す、効果を反射する障壁を作る――これらはまぁ、わかる」
「この指輪に付与されてる魔法や、カルロが考えた反射の魔法?」
「そうだ。一度放たれた攻撃を防いだり反射したりするのは、理論上不可能じゃない。だが、一度演算が完成した効果を、途中で無かったことにするなんて、意味が分からん」
カルロは、ここ数百年ほど全く進まなかった黒魔法の進化を、一人で五段階くらい進めたと評された天才だ。彼が「分からない」というからには、きっと、本当に意味不明なことなのだろう。
討伐作戦に参加した黒騎士達も、同様の気持ちだったに違いない。
「俺の管轄じゃ考えられないとなると――おい、アルヴィン。白魔法でそんなことが出来ると思うか?」
「まさか。白魔法でそんなことをしようと思ったら、神様に祈って『消えろ!』って念じるしかないけど、そんなことで向かってくる攻撃魔法が消えるなら、貴族はもっと昔から戦場に立ってるし、死者も出ているはず」
「……だよな」
白魔法は、補助魔法でしかない。戦場では、貴族が使う「指揮官の魔法」と呼ばれる。
実戦向きの黒魔法は平民の魔法――前線に立つのは、平民だからだ。
「ってことは、竜は黒魔法でも白魔法でもない、全く別の体系の魔法を使う可能性がある……クソ、厄介だな」
カルロが大きく舌打ちをする。
無手で真正面から竜に会いに行くには、リスクが高すぎるようだ。大幅に計画を見直す必要がある。
指を上下させながら真剣な横顔で考え込んでしまったカルロの代わりに、僕は警邏隊長に質問した。
「竜が攻撃を無力化するとわかって、討伐隊はどう対抗したのですか?」
警邏隊長は、ふるふると首を横に振る。
「何も。攻撃を無効化され、成す術なく立ち尽くす黒騎士には目もくれず、竜はそのまま翼を広げ飛び去って行きました。もともと竜には争う意思がなかったのかもしれません」
「追いかけなかったのですか?」
「最初は、茫然として追いつけず……体勢を立て直して臨んだ二度目の作戦以降は、頂上付近に人間の侵入を阻む光の障壁が現れて、それ以上進めなくなってしまったのです……」
警邏隊長の言葉に、カルロの眉間の皺が深くなる。光の障壁とやらも、魔法では実現が難しいのだろう。
「光の障壁の先に竜がいることはわかっていますが、障壁を破壊することも乗り越えることも出来ず……そもそも標高が高すぎて、素人が簡単に登れるものではありません。登れるのは真夏のほんの少しの期間だけ。野生動物すら殆ど生息していないほどの厳しい寒さですから――」
「そんなに凄い所なんですね」
想像以上の厳しさだ。
シャロンは、そんな環境で無事に生きていけているのだろうか。
「じゃあ、今の季節は、竜に会いに行くのは難しいのでしょうか」
「そ、そりゃあ勿論!こんな冬の入り口に山頂を目指すなんて、命がいくつあっても足りやしませんよ!」
信じられない、と言わんばかりに警邏隊長に叱られ、がっかりする。
竜が山脈に居続けてくれるのであれば、来年の真夏まで討伐されることはなさそうだが、僕たちも会いに行けないというのは困る。
せめて何か――と考えた僕は、今朝カルロと眺めた地図を警邏隊長の前に持っていった。
「最後に竜を見た位置と、竜が飛び去って行った方角を覚えていますか?せめて、連なる山々の、どのあたりにいるのか当たりをつけたくて――」
言いながら身を乗り出して地図を机に広げる。かなり大きな地図だから、端まで広げようと思うと前かがみにならないといけないのが厄介だ。
ぐっと身体を伸ばしていると、ふと斜め上から視線を感じた。
目を上げると、警邏隊長が顔を赤くしてこちらを覗き込んでいる。
「……?何か――」
僕の胸元当たりに視線を注ぎ、茹蛸かと思うほど顔を赤くした警邏隊長に疑問符を上げると同時――
バチバチバチッ
「おい。てめぇ、どこ見てやがる」
「ひぃっ――!?」
後ろから特大の静電気が発生しているような物騒な音とともに、地の底から響くようなカルロの声が飛んだ。
「忠告は一回だけだ。消し炭にされるか、証言に専念するか、選べ」
「カルロ!?屋内で何考えてるんだ!?」
カルロの掌の上で放電し始めた何かの攻撃魔法に肝を冷やして、僕は必死に親友を制止したのだった。
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