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ここは黒崎に任せるほうがベストだ。それが分かっていながらも、モヤモヤしているのはどうしてだろう?会話が遠くの方から聞こえている感覚がある。ジンジンと体が痺れて感覚がない。進んで行くにつれて、黒崎の表情が落ち着いたものになった。
「……よろしく願いします。……夏樹君。聞いていた?念のための対応だからね。社長宅にいるほうが、余計な誤解を生まなくて済むの。それは手慣れたものよ。大丈夫だからねーー」
「はい。悠人に連絡を取ってもいい?」
「もっと後にしてほしいの。連絡が行き違いになるから。悠人君達は遊園地に出かけているの。一時間後には到着するから。私から、あなたに電話をするわ」
「はい!」
ここは指示に従おう。アタフタしたところで始まらない。すると、キャッチが画面に表示された。悠人からの着信だ。すぐに出たい。
「悠人からキャッチが入ったんだ。出ててもいい?」
「分かったわ。後でかけ直してね。佐久弥さんとの調整後に連絡を入れるからね。じゃあね!」
「はい。……もしもし、悠人?長谷部さんから聞いたんだ。大丈夫?」
「なつきー。ごめんね……」
「ゆうとー……」
その声は元気のないものだ。当たり前のことだ。関係ないことで巻き込まれる可能性が出てきたことを知った。まさか悠人まで疑われるのか?それを食い止めるための対応策なのか。
「なつきー。ごめんね。お母さんから、会社の横領事件は聞いていたんだ。麻薬まであるって知らなくて。IKU側には相談していたんだ。言わなくてごめん。余計な心配をさせたくなかったんだ……」
「謝るなよ。悠人のことは分かっているからさ。ご近所さんになるね。収録に行く時に便利になったじゃん。いっぺんに行けるから……」
「……へへへ。リクとも遊べるし!」
「俺達、今から帰ろうかって思っているんだ。黒崎さんも同じ意見だよ。今から遠藤さんの家に行くんだろ?」
「……いいってばー。明日になったら帰るだろ?そうだ。お土産のリクエストがあるんだよー。ジャコ天が売っているんだ。真空パックの。美味しいって聞いたんだーー」
「うんうん。買っていくよ。この旅館で注文できるんだよ」
「ふむふむ……。観光地ですねー」
「そうだー。そっちで何に乗ろうとしたんだよー?」
「月夜のレンジャー、ゴーゴーマシンZだよ。言ってたやつ。迎えが来るから、また今度になったよ」
「一番の目的じゃん。並んでいただろ?」
「そうだよーー。もうーー」
「うちで早瀬さんに泊まってもらおうか?遠藤さん家より気を使わないから」
「いいよー。毎日会いに来てくれるから。長くても一週間だよ。そこまで報道陣は暇じゃないそうだよー」
「うん……」
「……ごめんね。思い出した?」
「大丈夫だよ。それはそれだからさ」
気を遣わせてしまった。だったら俺もやることがある。週刊誌系には嫌な記憶がある。子供時代のトラウマだ。万理の事件で俺達は週刊誌の記者から写真を撮られた。カメラ嫌いはクリアしても、許せない思いは残っている。開明高校の礼拝堂で教わった言葉があるのに、まだクリアできないでいる。
黒崎製菓グループは、スポンサーとして報道系との繋がりがある。何もかもではないが、報道をストップさせることが出来る。黒崎からそう聞いたことがある。圧力というものだ。悠人の事を記事にされたくない。こんな事で注目されたくない。物事を円滑に進める ”姑息な手段” が存在する。伊吹からの教えだ。お義父さんに頭を下げて、頼み込もう。それしか方法がない。
電話が終わった後、黒崎のそばへ行った。まだ電話で誰かと話している最中だ。とりあえず落ち着こうと、座椅子に腰かけてお茶を飲んでいたら、ニュースが終わっていた。
(遠藤さんかな?お義父さんと話しているのか……)
それはそうだろう。長谷部さんとの話では、お義父さんに話を通しておくと言っていた。この後でかわってもらおう。ニュースアプリを開くと、すでに記事が載っていた。
「……『株主総会後に逮捕に踏み切るなど……配慮も……。役員の逮捕を受け、新たな課題に直面している』……」
逮捕されたということは、事件の解決に繋がる。しかし、こんな気分では、何を見てもマイナスに受け取ってしまう。今の自分に出来ることは何だろう?
「……よろしく願いします。……夏樹君。聞いていた?念のための対応だからね。社長宅にいるほうが、余計な誤解を生まなくて済むの。それは手慣れたものよ。大丈夫だからねーー」
「はい。悠人に連絡を取ってもいい?」
「もっと後にしてほしいの。連絡が行き違いになるから。悠人君達は遊園地に出かけているの。一時間後には到着するから。私から、あなたに電話をするわ」
「はい!」
ここは指示に従おう。アタフタしたところで始まらない。すると、キャッチが画面に表示された。悠人からの着信だ。すぐに出たい。
「悠人からキャッチが入ったんだ。出ててもいい?」
「分かったわ。後でかけ直してね。佐久弥さんとの調整後に連絡を入れるからね。じゃあね!」
「はい。……もしもし、悠人?長谷部さんから聞いたんだ。大丈夫?」
「なつきー。ごめんね……」
「ゆうとー……」
その声は元気のないものだ。当たり前のことだ。関係ないことで巻き込まれる可能性が出てきたことを知った。まさか悠人まで疑われるのか?それを食い止めるための対応策なのか。
「なつきー。ごめんね。お母さんから、会社の横領事件は聞いていたんだ。麻薬まであるって知らなくて。IKU側には相談していたんだ。言わなくてごめん。余計な心配をさせたくなかったんだ……」
「謝るなよ。悠人のことは分かっているからさ。ご近所さんになるね。収録に行く時に便利になったじゃん。いっぺんに行けるから……」
「……へへへ。リクとも遊べるし!」
「俺達、今から帰ろうかって思っているんだ。黒崎さんも同じ意見だよ。今から遠藤さんの家に行くんだろ?」
「……いいってばー。明日になったら帰るだろ?そうだ。お土産のリクエストがあるんだよー。ジャコ天が売っているんだ。真空パックの。美味しいって聞いたんだーー」
「うんうん。買っていくよ。この旅館で注文できるんだよ」
「ふむふむ……。観光地ですねー」
「そうだー。そっちで何に乗ろうとしたんだよー?」
「月夜のレンジャー、ゴーゴーマシンZだよ。言ってたやつ。迎えが来るから、また今度になったよ」
「一番の目的じゃん。並んでいただろ?」
「そうだよーー。もうーー」
「うちで早瀬さんに泊まってもらおうか?遠藤さん家より気を使わないから」
「いいよー。毎日会いに来てくれるから。長くても一週間だよ。そこまで報道陣は暇じゃないそうだよー」
「うん……」
「……ごめんね。思い出した?」
「大丈夫だよ。それはそれだからさ」
気を遣わせてしまった。だったら俺もやることがある。週刊誌系には嫌な記憶がある。子供時代のトラウマだ。万理の事件で俺達は週刊誌の記者から写真を撮られた。カメラ嫌いはクリアしても、許せない思いは残っている。開明高校の礼拝堂で教わった言葉があるのに、まだクリアできないでいる。
黒崎製菓グループは、スポンサーとして報道系との繋がりがある。何もかもではないが、報道をストップさせることが出来る。黒崎からそう聞いたことがある。圧力というものだ。悠人の事を記事にされたくない。こんな事で注目されたくない。物事を円滑に進める ”姑息な手段” が存在する。伊吹からの教えだ。お義父さんに頭を下げて、頼み込もう。それしか方法がない。
電話が終わった後、黒崎のそばへ行った。まだ電話で誰かと話している最中だ。とりあえず落ち着こうと、座椅子に腰かけてお茶を飲んでいたら、ニュースが終わっていた。
(遠藤さんかな?お義父さんと話しているのか……)
それはそうだろう。長谷部さんとの話では、お義父さんに話を通しておくと言っていた。この後でかわってもらおう。ニュースアプリを開くと、すでに記事が載っていた。
「……『株主総会後に逮捕に踏み切るなど……配慮も……。役員の逮捕を受け、新たな課題に直面している』……」
逮捕されたということは、事件の解決に繋がる。しかし、こんな気分では、何を見てもマイナスに受け取ってしまう。今の自分に出来ることは何だろう?
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