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7-1 寄り添うこと
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1月5日、月曜日。午前6時。
今朝の朝ご飯はいつもより早くて、もう食べ終わったところだ。黒崎の仕事が忙しいから、今朝の出勤時間がいつもより30分早いからだ。今朝の朝ご飯はポトフだった。昨夜から仕込んであった。多めに作ったから、後で遠藤さんの家に届ける予定だ。
森井物産の役員が逮捕された後、数日が経った。悠人は今、遠藤さんの家で泊まっている。最初は一週間の予定だったけれど、取材のカメラマンや記者が押しかけてくるし、逮捕されたのが悠人のお母さんの恋人だったから、悠人まで麻薬密輸の疑いをかけられそうになり、家に帰るのは先延ばしになるかも知れないと、佳代子さんが言っていた。父が弁護士についたことで、少しは静かになった。今、父は都内のホテルに滞在中だ。
俺も悠人も、あまり外に出ていない。大晦日の日から5日が経つ。悠人に連絡を取ると、風邪を引いたようだ。今日、近所の御園クリニックに行こうかと思っていると話していた。早瀬さんと離れているから、気が滅入っているのだろう。その早瀬さんは仕事の帰りに毎日、悠人に会いに行っている。しかし、別々の家になっているから、寂しそうだ。
せめて何か出来ないかと考えた。早瀬さんの手料理が一番の特効薬だろうけれど、その早瀬さんは年始の忙しさから料理を作る時間が無い。そこで、佳代子さんと話して、悠人が好きな物を作ることにした。佳代子さんはオムレツを作ってくれたそうだ。悠人も遠藤さんの家では手伝いをしていて、毎朝、味噌汁を作っている。この家にもおすそ分けがあり、大きなざく切りになったネギが面白くて、笑ってしまった。でも、悠人が落ち込むから内緒だ。
黒崎が、今、電子新聞を読んでいる。今日は各企業からの挨拶回りを受けるそうだ。営業企画部は賑わいそうだと話している。
「黒崎さーーん。お茶を飲んだら?」
「ああ。ありがとう」
リビングにお茶を持って行くと、良い香りだと言って、微笑んだ。遠藤さんの出張のお土産の茶葉だ。きっと、我が家でもお取り寄せしようと言うと思った。
「お取り寄せする?パンフレットを入れてくれていたんだ」
「ああ。頼む。いや、俺が頼んでおく。お前は休んでおけ」
「いいのに、気を遣うなよ~」
黒崎に抱きつくと、アンも膝の上に上がってきた。黒崎が気遣ってくれているのは、俺の心の面を心配してのことだ。記者達がいつも門のそばにいる状況に心は揺れ動いている。それを心配されている。今日から年末年始の休みが終わり、会社が始まる。俺を一人にするのが心配だと言っている。
「夏樹。外に出るな」
「ポトフを届けたいんだよ~」
「山崎さんに頼めないか?」
「記者達に囲まれたらいけないからさ。俺が行くよ」
「そうか……」
珍しく黒崎が納得してくれた。遠藤さんの家に届け物をする時は、必ず黒崎が一緒に行ってくれていた。その時、いくつか質問をされていた。カメラに収められそうになった時は、黒崎が断ってくれていた。俺も黒崎のような迫力があれば、そうできるようになるのかなと思った。いつかそうなりたいと思っている。
「そろそろだね。タクシー」
「出る」
「うん」
「玄関までで良いぞ」
「そうだね~」
そろそろタクシーが到着する頃になり、いつもとは違い、俺は玄関先で黒崎のことを見送った。
今朝の朝ご飯はいつもより早くて、もう食べ終わったところだ。黒崎の仕事が忙しいから、今朝の出勤時間がいつもより30分早いからだ。今朝の朝ご飯はポトフだった。昨夜から仕込んであった。多めに作ったから、後で遠藤さんの家に届ける予定だ。
森井物産の役員が逮捕された後、数日が経った。悠人は今、遠藤さんの家で泊まっている。最初は一週間の予定だったけれど、取材のカメラマンや記者が押しかけてくるし、逮捕されたのが悠人のお母さんの恋人だったから、悠人まで麻薬密輸の疑いをかけられそうになり、家に帰るのは先延ばしになるかも知れないと、佳代子さんが言っていた。父が弁護士についたことで、少しは静かになった。今、父は都内のホテルに滞在中だ。
俺も悠人も、あまり外に出ていない。大晦日の日から5日が経つ。悠人に連絡を取ると、風邪を引いたようだ。今日、近所の御園クリニックに行こうかと思っていると話していた。早瀬さんと離れているから、気が滅入っているのだろう。その早瀬さんは仕事の帰りに毎日、悠人に会いに行っている。しかし、別々の家になっているから、寂しそうだ。
せめて何か出来ないかと考えた。早瀬さんの手料理が一番の特効薬だろうけれど、その早瀬さんは年始の忙しさから料理を作る時間が無い。そこで、佳代子さんと話して、悠人が好きな物を作ることにした。佳代子さんはオムレツを作ってくれたそうだ。悠人も遠藤さんの家では手伝いをしていて、毎朝、味噌汁を作っている。この家にもおすそ分けがあり、大きなざく切りになったネギが面白くて、笑ってしまった。でも、悠人が落ち込むから内緒だ。
黒崎が、今、電子新聞を読んでいる。今日は各企業からの挨拶回りを受けるそうだ。営業企画部は賑わいそうだと話している。
「黒崎さーーん。お茶を飲んだら?」
「ああ。ありがとう」
リビングにお茶を持って行くと、良い香りだと言って、微笑んだ。遠藤さんの出張のお土産の茶葉だ。きっと、我が家でもお取り寄せしようと言うと思った。
「お取り寄せする?パンフレットを入れてくれていたんだ」
「ああ。頼む。いや、俺が頼んでおく。お前は休んでおけ」
「いいのに、気を遣うなよ~」
黒崎に抱きつくと、アンも膝の上に上がってきた。黒崎が気遣ってくれているのは、俺の心の面を心配してのことだ。記者達がいつも門のそばにいる状況に心は揺れ動いている。それを心配されている。今日から年末年始の休みが終わり、会社が始まる。俺を一人にするのが心配だと言っている。
「夏樹。外に出るな」
「ポトフを届けたいんだよ~」
「山崎さんに頼めないか?」
「記者達に囲まれたらいけないからさ。俺が行くよ」
「そうか……」
珍しく黒崎が納得してくれた。遠藤さんの家に届け物をする時は、必ず黒崎が一緒に行ってくれていた。その時、いくつか質問をされていた。カメラに収められそうになった時は、黒崎が断ってくれていた。俺も黒崎のような迫力があれば、そうできるようになるのかなと思った。いつかそうなりたいと思っている。
「そろそろだね。タクシー」
「出る」
「うん」
「玄関までで良いぞ」
「そうだね~」
そろそろタクシーが到着する頃になり、いつもとは違い、俺は玄関先で黒崎のことを見送った。
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