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黒崎のことを見送った後、リビングのソファーに座った。そして、パソコンを開いた。なんとなくヴィジブルレイのホームページを開いた。そこの写真は先月撮影した分だ。悠人が髪の毛をアップしているところの写真や、俺がステージサイドで話しているところも使われている。カメラ嫌いが直り、仙頭さんの前では緊張する場面が減っていた。しかし、今、外に出ると違う。遠藤さんの家の周りには記者が待機しているから、昔のことを思い出してしまう。
「だめだなあ。俺って……」
このリビングの時計はアナログ式だ。長針が動くのが遅く感じる。こういう時は大学のレポート課題をやることがいいだろう。そう思って立ち上がり、準備をした。そこで、悠人に連絡を取ろうと思った。熱は上がっていないだろうか。
早速悠人に電話をかけると、すぐに出てくれた。ちょうど向こうからも連絡を取ろうとしていたということだった。俺達は大学が始まったけれど、まだ行けそうにも無くて、来週まで休むことにしている。
「なつきー。ゆっくりしている?」
「うん。しているよ。大学は来週からだね」
「真羽にノートを頼んでいるからね。ふむふむ。レポート課題を仕上げようとしていたのかーー。真面目な夏樹らしいよ」
「悠人も頑張っているじゃん。佳代子さんから聞いたよ。掃除も自分の方からやってくれているって」
「何かしないと落ち着かないもん。裕理さんから、よーく言い聞かされているんだ。お手伝いしろって。家が変わると新鮮だよ。ここに佐久弥のサイン色紙があるんだ。デビュー当時のやつだよ。TAKAが1回目に捕まったとき、俺みたいに、ここで泊まったんだってさ。理久が中学生の時だったからだそうだよ」
「そうだったんだね。そっか。記者を避けたんだね」
「わわわっ。今日もいるみたい!」
悠人が窓から外を覗くと、数人の記者がいたそうだ。こっちのリビングからは少ししか見えない。佐久弥の家の方にも来ているらしい。理久は大丈夫だろうかと連絡を取ると、大丈夫だと元気な返事が返ってきた。記者がくるのはこれで3度目だと言っていた。佐久弥はスタジオ入りする手前に記者からコメントを求められているそうだ。しかし、笑顔で対応し、騒ぎにはなっていないということだった。俺の場合はまだ慣れていないから、外には出されていない。
「黒崎さんが可燃ゴミを出してきてくれたんだ。俺は危ないからって」
「いつも言っていたよね。なかなか出してきてくれないって。こういう時は甘えると良いよ。あああ。ごめん。俺のせいなのに」
「ゆうとー。違うよ。一緒に乗り越えようよ。今日、佐久弥がうちに来てくれるんだ。新曲の楽譜を持って。後で悠人のところにも寄るって言っていたよ」
「うん。連絡が入ったよ。ミカベーカリーのパンプキンタルトとチーズケーキを持ってきてくれるってさ。夏樹が好きそうだって言っていたよ」
「そうなんだね。楽しみだなあ」
「なつきーー。俺の曲の歌詞は書いてくれた?」
「まだ半分しかできていないよ」
ふと、時計を見ると、あっという間に時間が過ぎていた。悠人と話すのが楽しいからだ。そこで気がついた。悠人が少し鼻声になっていることを。
「ゆうとー。寝ていなくていい?俺から電話したんだけど。ごめんね」
「気にするなよ!俺の方も落ち着かなくてさ。へへへ。森本から、新しいスイーツの店を見つけたって、ラインが入っていたよ」
「あの店だろ。いいねえ。スイーツビュッフェもあるなんてさ」
この騒ぎが収まった後、みんなで行こうという話になっている。リビングの窓からは遠藤さんの家が見える。近い距離にいるのに遠くにいるみたいだと、最初はそう思っていた。しかし、料理を届けたり、電話で話したりしているうちに、すごく近い距離にいるのだと実感した。俺に何が出来るだろう?話し相手になることだ。
「御園クリニックに行くとき、一緒に行こうか?」
「佳代子さんが付き添ってくれるよ。大丈夫だよ。ありがとう」
「後でポトフを持って行くからね」
「うん。裕理さんが、スパニッシュオムレツを作っていこうかって言っていたよ。明日になるけどって」
「やったーー。美味しいんだよねえ」
また時計を見ると、さらに長針が進んでいた。俺達はお互いに美味しい物の話をしながら長電話をして過ごした。今日も何事も無く過ごせたら良いねと話しながら。
「だめだなあ。俺って……」
このリビングの時計はアナログ式だ。長針が動くのが遅く感じる。こういう時は大学のレポート課題をやることがいいだろう。そう思って立ち上がり、準備をした。そこで、悠人に連絡を取ろうと思った。熱は上がっていないだろうか。
早速悠人に電話をかけると、すぐに出てくれた。ちょうど向こうからも連絡を取ろうとしていたということだった。俺達は大学が始まったけれど、まだ行けそうにも無くて、来週まで休むことにしている。
「なつきー。ゆっくりしている?」
「うん。しているよ。大学は来週からだね」
「真羽にノートを頼んでいるからね。ふむふむ。レポート課題を仕上げようとしていたのかーー。真面目な夏樹らしいよ」
「悠人も頑張っているじゃん。佳代子さんから聞いたよ。掃除も自分の方からやってくれているって」
「何かしないと落ち着かないもん。裕理さんから、よーく言い聞かされているんだ。お手伝いしろって。家が変わると新鮮だよ。ここに佐久弥のサイン色紙があるんだ。デビュー当時のやつだよ。TAKAが1回目に捕まったとき、俺みたいに、ここで泊まったんだってさ。理久が中学生の時だったからだそうだよ」
「そうだったんだね。そっか。記者を避けたんだね」
「わわわっ。今日もいるみたい!」
悠人が窓から外を覗くと、数人の記者がいたそうだ。こっちのリビングからは少ししか見えない。佐久弥の家の方にも来ているらしい。理久は大丈夫だろうかと連絡を取ると、大丈夫だと元気な返事が返ってきた。記者がくるのはこれで3度目だと言っていた。佐久弥はスタジオ入りする手前に記者からコメントを求められているそうだ。しかし、笑顔で対応し、騒ぎにはなっていないということだった。俺の場合はまだ慣れていないから、外には出されていない。
「黒崎さんが可燃ゴミを出してきてくれたんだ。俺は危ないからって」
「いつも言っていたよね。なかなか出してきてくれないって。こういう時は甘えると良いよ。あああ。ごめん。俺のせいなのに」
「ゆうとー。違うよ。一緒に乗り越えようよ。今日、佐久弥がうちに来てくれるんだ。新曲の楽譜を持って。後で悠人のところにも寄るって言っていたよ」
「うん。連絡が入ったよ。ミカベーカリーのパンプキンタルトとチーズケーキを持ってきてくれるってさ。夏樹が好きそうだって言っていたよ」
「そうなんだね。楽しみだなあ」
「なつきーー。俺の曲の歌詞は書いてくれた?」
「まだ半分しかできていないよ」
ふと、時計を見ると、あっという間に時間が過ぎていた。悠人と話すのが楽しいからだ。そこで気がついた。悠人が少し鼻声になっていることを。
「ゆうとー。寝ていなくていい?俺から電話したんだけど。ごめんね」
「気にするなよ!俺の方も落ち着かなくてさ。へへへ。森本から、新しいスイーツの店を見つけたって、ラインが入っていたよ」
「あの店だろ。いいねえ。スイーツビュッフェもあるなんてさ」
この騒ぎが収まった後、みんなで行こうという話になっている。リビングの窓からは遠藤さんの家が見える。近い距離にいるのに遠くにいるみたいだと、最初はそう思っていた。しかし、料理を届けたり、電話で話したりしているうちに、すごく近い距離にいるのだと実感した。俺に何が出来るだろう?話し相手になることだ。
「御園クリニックに行くとき、一緒に行こうか?」
「佳代子さんが付き添ってくれるよ。大丈夫だよ。ありがとう」
「後でポトフを持って行くからね」
「うん。裕理さんが、スパニッシュオムレツを作っていこうかって言っていたよ。明日になるけどって」
「やったーー。美味しいんだよねえ」
また時計を見ると、さらに長針が進んでいた。俺達はお互いに美味しい物の話をしながら長電話をして過ごした。今日も何事も無く過ごせたら良いねと話しながら。
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