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今回の法事での、向こうの振る舞い方は予想している。あからさまに嫌悪されるのだろう。もう慣れたと言ってもいい。
「平気だよー。これでも喧嘩三昧だったんだよ?中学生のときだけど。相手は大人だし厄介な人たちでも、根本は同じだよ。呼び出して複数人でやってくるんだ。一対一のタイマンで出来ない相手は、マジな相手じゃないよ。黒崎さんがそう教えてくれたんだよ?」
「俺のそばから離れるな。何か話しかけられても答えなくていい。すべて俺が答える。優等生のふりをするつもりで頼む」
「懐かしいな~。しばらくやっていないよ」
「そばから離れるとしたら、お互いに話しかけられるケースだ。一貴が、お前のフォローをする」
「りょーかい。晴海さんもそばに居てくれるんだ」
晴海さんがイギリスから帰ってきた。旅行に行けるぐらいには回復したから、今年は出席すると聞いた。それを黒崎が知らなくて、驚いた顔をした。
「晴海兄さんが?」
「うん。昨日の電話で聞いたよ」
「どんな話をしたんだ?」
キョトンとした顔になった。そんなに驚くことだろうか?たしかに前に意地悪なことを言われたが、黒崎家への恨みのようなものを捨てたそうだ。比べられて育ち、劣等感の塊になった記憶が思い出に変わった。晴海さんはこう言っていた。
「晴海さんはね。心の中に子供が住んでいたんだって。問題を起こすことで視線を向けてもらう子だよ。。……自分で物事を考えなくなってしまうって。裏表の激しい人にもなるんだ。親の前では“いい子”を演じ続けるんだ。お義父さんから謝られたそうだよ」
「そうか……」
「今は46歳の晴海さんになったんだ。うちのお父さんの方が近い年齢でも、俺の目線で話してくれる。思いやる人だと思った。少し話したらどうかな?これからは協力していこうよ。晴海さんも同じ気持ちだよ。拓海さんから可愛がってもらったそうだよ」
「何も知らなかった……」
「仕方ないよ。お義父さんの命令に従っていたんだろ?そういう子はね、周りが見えづらくなるんだ。親から認めてもらうことが、自分自身の価値なんだ。お義父さんが悪いなって思っていたそうだよ」
「親父がか……」
「うん。だから晴海さんには自由にして欲しくて、お飾りの役員に就かせたって、お義父さんが言っていたよ。ゆっくり出来るもん。良いか悪いかは別として、好きなことが出来るから」
黒崎から返事がない。失われた時間を取り戻せるといい。お義父さんも晴海さんも、一貴さんも。もしかすると、同じ気持ちのお兄さんが居るのかもしれない。
「他にもいるかもしれないよ。同じ気持ちのお兄さんが。今日はいい機会だと思ってるんだ。楽しそうに話していたら、向こうから来てくれる気がする。つまりはキッカケだよ。拓海さんの次に期待されていたんだろ?黒崎さんが折れるっていうか……、打ち解けてあげてよ。心が広いんだからさ。意地悪を言われても平気だよ。一緒にいるから。晴海さんも一貴さんも。あんたの味方だと断言したんだよ!」
黒崎はぼんやりしたままだ。そっと抱きしめてあげた。今度は黒崎から背中をポンポンと叩かれた。今度は頭を撫でられて、こめかみにキスをされた。俺の方が慰めているのに、どうしてだろう?言葉をかけることが出来ない。
(言葉にならないはずだ。俺の方が泣きそうだもん。どうしてかな?)
黒崎のことを励まし続けた。それが自分にとっての癒しと勇気になり、ちゃんと前を向いて歩いて来たのだと実感できた。
「平気だよー。これでも喧嘩三昧だったんだよ?中学生のときだけど。相手は大人だし厄介な人たちでも、根本は同じだよ。呼び出して複数人でやってくるんだ。一対一のタイマンで出来ない相手は、マジな相手じゃないよ。黒崎さんがそう教えてくれたんだよ?」
「俺のそばから離れるな。何か話しかけられても答えなくていい。すべて俺が答える。優等生のふりをするつもりで頼む」
「懐かしいな~。しばらくやっていないよ」
「そばから離れるとしたら、お互いに話しかけられるケースだ。一貴が、お前のフォローをする」
「りょーかい。晴海さんもそばに居てくれるんだ」
晴海さんがイギリスから帰ってきた。旅行に行けるぐらいには回復したから、今年は出席すると聞いた。それを黒崎が知らなくて、驚いた顔をした。
「晴海兄さんが?」
「うん。昨日の電話で聞いたよ」
「どんな話をしたんだ?」
キョトンとした顔になった。そんなに驚くことだろうか?たしかに前に意地悪なことを言われたが、黒崎家への恨みのようなものを捨てたそうだ。比べられて育ち、劣等感の塊になった記憶が思い出に変わった。晴海さんはこう言っていた。
「晴海さんはね。心の中に子供が住んでいたんだって。問題を起こすことで視線を向けてもらう子だよ。。……自分で物事を考えなくなってしまうって。裏表の激しい人にもなるんだ。親の前では“いい子”を演じ続けるんだ。お義父さんから謝られたそうだよ」
「そうか……」
「今は46歳の晴海さんになったんだ。うちのお父さんの方が近い年齢でも、俺の目線で話してくれる。思いやる人だと思った。少し話したらどうかな?これからは協力していこうよ。晴海さんも同じ気持ちだよ。拓海さんから可愛がってもらったそうだよ」
「何も知らなかった……」
「仕方ないよ。お義父さんの命令に従っていたんだろ?そういう子はね、周りが見えづらくなるんだ。親から認めてもらうことが、自分自身の価値なんだ。お義父さんが悪いなって思っていたそうだよ」
「親父がか……」
「うん。だから晴海さんには自由にして欲しくて、お飾りの役員に就かせたって、お義父さんが言っていたよ。ゆっくり出来るもん。良いか悪いかは別として、好きなことが出来るから」
黒崎から返事がない。失われた時間を取り戻せるといい。お義父さんも晴海さんも、一貴さんも。もしかすると、同じ気持ちのお兄さんが居るのかもしれない。
「他にもいるかもしれないよ。同じ気持ちのお兄さんが。今日はいい機会だと思ってるんだ。楽しそうに話していたら、向こうから来てくれる気がする。つまりはキッカケだよ。拓海さんの次に期待されていたんだろ?黒崎さんが折れるっていうか……、打ち解けてあげてよ。心が広いんだからさ。意地悪を言われても平気だよ。一緒にいるから。晴海さんも一貴さんも。あんたの味方だと断言したんだよ!」
黒崎はぼんやりしたままだ。そっと抱きしめてあげた。今度は黒崎から背中をポンポンと叩かれた。今度は頭を撫でられて、こめかみにキスをされた。俺の方が慰めているのに、どうしてだろう?言葉をかけることが出来ない。
(言葉にならないはずだ。俺の方が泣きそうだもん。どうしてかな?)
黒崎のことを励まし続けた。それが自分にとっての癒しと勇気になり、ちゃんと前を向いて歩いて来たのだと実感できた。
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