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16-6(黒崎視点)
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午前11時。
夏樹をリビングで待たせて、書斎に入った。さっそく早瀬へ電話をかけた。この時間は会議の合間だろうに、よっぽどの急ぎだ。
「何かあったのか?」
「あったよ。夏樹君のお父さん……、中山弁護士が担当した案件を知っているだろう?傷害事件で無罪判決を受けた事件だ。さっきの会議で、R&Wの高野と会った。夏樹君が中学時代に起こした暴力事件を、週刊誌が嗅ぎ回っているそうだ」
「今頃になってか……」
R&W社は広告業界にいる分、情報が早い。いつか蒸し返されるとは予想していた。そうならないことを願っていたが。学生時代に荒れていた子は、いくらでもいる。活躍している芸能人にも、珍しくないと聞いた。
傷害事件が冤罪であることや、無罪判決が下りたことで、ワイドショーでも取り上げられた。その担当弁護士の息子が、過去に喧嘩三昧だったことを、嗅ぎつけたのか。
以前、その話を伊吹から聞くと、パンチ程度だったそうだ。夏樹も殴られており、喧嘩両成敗になる程度だったという。ほとんどが因縁をつけられてのことだ。同級生のタレコミや、記者が聞き込みをしたことも考えられる。
「記事になるなら名前を出さないだろう。それと分かるようにはするだろうけど。高野から指示を出して動きを見てもらう。悠人には伏せておく。佐久弥には、IKUから伝えてもらうよ」
「分かった。すまない。……ああ、これから墓参りへ出かける。一貴からは何かあったか?」
「変わりないよ。ゆっくり休んでください」
「ありがとう。夏樹の実家へ伝えておく」
「……そうだ。放送を観たよ。黒崎社長が、R&Wの役員へ連絡したそうだよ。”明日放送されるから見てくれ”って。かなり広まったそうだ。夏樹君、カッコ良かったよ。悠人は目を回していたけど。圭一さんを誘惑したつもりかな」
「当たり前だ。他に誰が居る……」
まさかああいう形で歌うとは、想像していないはずだ。これから連絡を取る人もだ。夏樹が成長したと笑うだろうか?
通話を終えた後、中山の義父へ連絡を取った。こちらで動きを観察すること、夏樹には伏せていることをだ。了解をもらった。
そこで、義母の体調をたずねた。安定しており、普段通りの生活に戻っているそうだ。事務所への問い合わせが多く、それもあって疲れが出ているそうだ。
義父は、元同級生が夏樹の噂を広めていることは知っていた。それは想定済みのことで、受け止めている。
父も中山の両親とは連絡を取り合っている。この話が出ていたそうだ。本人だけが知らない。後々、落ち込むだろうが、この方法を選ぼうと話し合った。決して、大ごとにはさせないと伝えた。
「夏樹、おまたせ。何をやっているんだ?」
「アンのサイズを測っているんだよ。服を作るから」
「無理にするな」
「ウーン。モコモコだもんな。計れないなあ~」
リビングへ下りていくと、夏樹がアンの身体のサイズを測っていた。じっとしていなさいと言いながら抱き上げている姿を見て、心がほぐれた。
夏樹をリビングで待たせて、書斎に入った。さっそく早瀬へ電話をかけた。この時間は会議の合間だろうに、よっぽどの急ぎだ。
「何かあったのか?」
「あったよ。夏樹君のお父さん……、中山弁護士が担当した案件を知っているだろう?傷害事件で無罪判決を受けた事件だ。さっきの会議で、R&Wの高野と会った。夏樹君が中学時代に起こした暴力事件を、週刊誌が嗅ぎ回っているそうだ」
「今頃になってか……」
R&W社は広告業界にいる分、情報が早い。いつか蒸し返されるとは予想していた。そうならないことを願っていたが。学生時代に荒れていた子は、いくらでもいる。活躍している芸能人にも、珍しくないと聞いた。
傷害事件が冤罪であることや、無罪判決が下りたことで、ワイドショーでも取り上げられた。その担当弁護士の息子が、過去に喧嘩三昧だったことを、嗅ぎつけたのか。
以前、その話を伊吹から聞くと、パンチ程度だったそうだ。夏樹も殴られており、喧嘩両成敗になる程度だったという。ほとんどが因縁をつけられてのことだ。同級生のタレコミや、記者が聞き込みをしたことも考えられる。
「記事になるなら名前を出さないだろう。それと分かるようにはするだろうけど。高野から指示を出して動きを見てもらう。悠人には伏せておく。佐久弥には、IKUから伝えてもらうよ」
「分かった。すまない。……ああ、これから墓参りへ出かける。一貴からは何かあったか?」
「変わりないよ。ゆっくり休んでください」
「ありがとう。夏樹の実家へ伝えておく」
「……そうだ。放送を観たよ。黒崎社長が、R&Wの役員へ連絡したそうだよ。”明日放送されるから見てくれ”って。かなり広まったそうだ。夏樹君、カッコ良かったよ。悠人は目を回していたけど。圭一さんを誘惑したつもりかな」
「当たり前だ。他に誰が居る……」
まさかああいう形で歌うとは、想像していないはずだ。これから連絡を取る人もだ。夏樹が成長したと笑うだろうか?
通話を終えた後、中山の義父へ連絡を取った。こちらで動きを観察すること、夏樹には伏せていることをだ。了解をもらった。
そこで、義母の体調をたずねた。安定しており、普段通りの生活に戻っているそうだ。事務所への問い合わせが多く、それもあって疲れが出ているそうだ。
義父は、元同級生が夏樹の噂を広めていることは知っていた。それは想定済みのことで、受け止めている。
父も中山の両親とは連絡を取り合っている。この話が出ていたそうだ。本人だけが知らない。後々、落ち込むだろうが、この方法を選ぼうと話し合った。決して、大ごとにはさせないと伝えた。
「夏樹、おまたせ。何をやっているんだ?」
「アンのサイズを測っているんだよ。服を作るから」
「無理にするな」
「ウーン。モコモコだもんな。計れないなあ~」
リビングへ下りていくと、夏樹がアンの身体のサイズを測っていた。じっとしていなさいと言いながら抱き上げている姿を見て、心がほぐれた。
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