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24-1 夏の旅行
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7月8日、月曜日。13時。
1泊2日で旅行へやって来た。黒崎と2人だ。レコーディング開始まで、あと一週間だ。それに合わせて、黒崎が休みを取ってくれた。有休を消化するためもある。今、宿泊先のホテルに到着した。
車で2時間半の場所だ。山の方にあるから、我が家よりも涼しい。本当に7月なのかと疑うほどだ。ふと実家のことを思い出した。実家も郊外にあるから涼しいはずだ。ここほどではなくても。
「もう忘れたよ。どんな感じだったか」
「都内へ来て2年半になるからな」
去年オープンしたばかりのホテルが2日間の滞在先だ。温泉も付いているから、俺たちにピッタリだ。騒がしい場所を避けて、まったり過ごす。黒崎も仕事をシャットアウトする。
チェックインをしていると、支配人がやって来た。お義父さんの知り合いがやっている系列のホテルだ。新規オープンだからと、ずっと誘われていた。やっと来られた。
「お久しぶりです。2日間、よろしくお願いします」
「こちらこそ。さっそくご案内いたします」
クラシカルな内装が落ち着いている。きょろきょろしていると、黒崎から肩を抱かれた。そっちじゃないと。いつの間にか、別の方向へ歩いていた。もうすぐで迷子になるところだった。
ふと、隣を歩く黒崎を眺めた。スタッフと会話をしている姿は、普段よりもラフな感じがする。休みの日でも隙がないのに。
(そっか。周りがリラックスしているからだね……)
全体的に、まったりした雰囲気だ。これから散歩に出かける人がいるという。少し歩いた先には、お洒落な商店街があるからだ。
「わあ。お洒落な部屋だね~」
「ああ」
部屋へ到着して、荷物を運び終えた。ホテル内の説明を受けた後、黒崎と二人きりになった。ピーチティーを飲みながら、テラス窓の向こうにある景色を眺めた。日が降り注いでいるのに、暑そうに感じない。下を歩いている人も、汗を拭いていないようだ。
「ここへ来てよかったよ。座ったら?長時間運転して、疲れているだろ?」
「あれぐらいは平気だ。2時間程度だぞ」
「まったりしてるね~。珍しいものが見られたよ。あんたがまったりしているところ。うひゃひゃひゃ」
テーブルからアイスコーヒーを取ってきて、グラスを黒崎の首筋に張り付けてやった。冷たかったのか、やめろと苦笑している。それでも続けていると、手首を掴まれた。さすがに溢してしまう。
テーブルにグラスを置き直した後、両腕が身体に回された。そして、壁にもたれ掛かった黒崎の身体にダラっともたれ掛かって、そのままの姿勢で外を眺めた。そして、夕食まで何をしようかと、ダラダラと話を続けた。
こういう状況じたいが珍しい。向こうへ行くぞ、こっちにしろと言うのが黒崎だ。さっさと予定を組んで、決めてしまうのに。そして、俺の手を強引に引く。--さっさと来い、と言いながら。
さすがに喧嘩をしたくないのか、今日は大人しくしている。なんだか面白くなり、悪戯心が芽生えた。頬をつねったり、耳たぶを引っ張ってやったりした。黒崎はくすぐったそうに身をよじるだけで、無抵抗だ。さらに何かやろうとすると、急に腕に力が込められた。
「捕まえた」
「捕まっちゃった……」
「どうされたい?」
「お好きなように。黒崎さん……」
甘い視線を向けられて、何度もキスを受け取った。啄み合うものから深くなり、長く触れ合っているから息苦しくなった。胸もとを叩いたのに、止めようとしない。笑いながら続けられた。
「さっきの仕返しだ。ほら、息をしろ」
「待ってよ……。んん、強引だって……」
「待たない。これでいいか?」
「黒崎さん。また……、もう……」
やっと息を吸ったかと思えば、唇を塞がれた。その繰り返しで、頭がぼんやりした。腕に支えられているから、安心して力を抜いた。唇が降りていき、首筋に息遣いを感じた。されるがままになっていると、抱き上げられた。誘惑するからだと耳元で囁かれて、身体が震えた。
1泊2日で旅行へやって来た。黒崎と2人だ。レコーディング開始まで、あと一週間だ。それに合わせて、黒崎が休みを取ってくれた。有休を消化するためもある。今、宿泊先のホテルに到着した。
車で2時間半の場所だ。山の方にあるから、我が家よりも涼しい。本当に7月なのかと疑うほどだ。ふと実家のことを思い出した。実家も郊外にあるから涼しいはずだ。ここほどではなくても。
「もう忘れたよ。どんな感じだったか」
「都内へ来て2年半になるからな」
去年オープンしたばかりのホテルが2日間の滞在先だ。温泉も付いているから、俺たちにピッタリだ。騒がしい場所を避けて、まったり過ごす。黒崎も仕事をシャットアウトする。
チェックインをしていると、支配人がやって来た。お義父さんの知り合いがやっている系列のホテルだ。新規オープンだからと、ずっと誘われていた。やっと来られた。
「お久しぶりです。2日間、よろしくお願いします」
「こちらこそ。さっそくご案内いたします」
クラシカルな内装が落ち着いている。きょろきょろしていると、黒崎から肩を抱かれた。そっちじゃないと。いつの間にか、別の方向へ歩いていた。もうすぐで迷子になるところだった。
ふと、隣を歩く黒崎を眺めた。スタッフと会話をしている姿は、普段よりもラフな感じがする。休みの日でも隙がないのに。
(そっか。周りがリラックスしているからだね……)
全体的に、まったりした雰囲気だ。これから散歩に出かける人がいるという。少し歩いた先には、お洒落な商店街があるからだ。
「わあ。お洒落な部屋だね~」
「ああ」
部屋へ到着して、荷物を運び終えた。ホテル内の説明を受けた後、黒崎と二人きりになった。ピーチティーを飲みながら、テラス窓の向こうにある景色を眺めた。日が降り注いでいるのに、暑そうに感じない。下を歩いている人も、汗を拭いていないようだ。
「ここへ来てよかったよ。座ったら?長時間運転して、疲れているだろ?」
「あれぐらいは平気だ。2時間程度だぞ」
「まったりしてるね~。珍しいものが見られたよ。あんたがまったりしているところ。うひゃひゃひゃ」
テーブルからアイスコーヒーを取ってきて、グラスを黒崎の首筋に張り付けてやった。冷たかったのか、やめろと苦笑している。それでも続けていると、手首を掴まれた。さすがに溢してしまう。
テーブルにグラスを置き直した後、両腕が身体に回された。そして、壁にもたれ掛かった黒崎の身体にダラっともたれ掛かって、そのままの姿勢で外を眺めた。そして、夕食まで何をしようかと、ダラダラと話を続けた。
こういう状況じたいが珍しい。向こうへ行くぞ、こっちにしろと言うのが黒崎だ。さっさと予定を組んで、決めてしまうのに。そして、俺の手を強引に引く。--さっさと来い、と言いながら。
さすがに喧嘩をしたくないのか、今日は大人しくしている。なんだか面白くなり、悪戯心が芽生えた。頬をつねったり、耳たぶを引っ張ってやったりした。黒崎はくすぐったそうに身をよじるだけで、無抵抗だ。さらに何かやろうとすると、急に腕に力が込められた。
「捕まえた」
「捕まっちゃった……」
「どうされたい?」
「お好きなように。黒崎さん……」
甘い視線を向けられて、何度もキスを受け取った。啄み合うものから深くなり、長く触れ合っているから息苦しくなった。胸もとを叩いたのに、止めようとしない。笑いながら続けられた。
「さっきの仕返しだ。ほら、息をしろ」
「待ってよ……。んん、強引だって……」
「待たない。これでいいか?」
「黒崎さん。また……、もう……」
やっと息を吸ったかと思えば、唇を塞がれた。その繰り返しで、頭がぼんやりした。腕に支えられているから、安心して力を抜いた。唇が降りていき、首筋に息遣いを感じた。されるがままになっていると、抱き上げられた。誘惑するからだと耳元で囁かれて、身体が震えた。
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