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すると悠人からアイス珈琲を渡された。いいタイミングだ。これで黒崎が離してくれる。狙った風はなく、あれ?だめだった?と、ポカンとしている。俺達のことを見慣れているから、何とも思わないそうだ。
さすがに黒崎から離してもらえた。そばの椅子に腰かけて休憩を始めた。会場を見ている横顔は仕事モードだが、左手に触れられた。すでに習慣になっている。
(俺がどこか行きそうなのかな?そんなことないよ……)
握り返して指を絡ませた。黒崎が視線を向けて来たから笑った。そして、戸惑うように目を逸らせた後、手を撫でられた。これが返事の代わりだ。言葉を交わさなくても伝わる。この時間が好きだ。テーブルの下で足を蹴ってやると、強く握り返された。やり合っているうちに言葉が出てきて、周りから笑われた。
「あんたのせいだよ~」
「うるさい。ガキ」
バカヤロウより優しい言い方だと納得してあげた。すると、誰かを見つけたようだ。ここに居ろと立ち上った。視力が良くないから分からず、黒崎の方を向いた。眉をひそめて怒っている。如月と二葉が言い争うのを見つけたから、様子を見て来るそうだ。それなら俺も一緒に行った方がいい。黒崎だけでは、彼女が委縮するかもしれない。
二葉は迷惑を掛けられた側なのに、この反応では両成敗だと思っていると思った。彼女は遊び回らない子だし、如月とは友達だったのに。
「黒崎さん。叱らないでね。二葉ちゃんを」
「約束できない」
「やっぱり……。悠人、見てくるよ。連れてくるかも」
「分かった、待機するよ」
黒崎は女性関係が乱れていたのに、二葉には目を光らせている。女性だから腕力に勝てないと言っていた。そして、やっと分かって来た。それだけが理由ではないことを。今の段階から醜聞を避けるためだ。些細なことでも噂には尾ひれがつく。本人の為にならないからだ。
「分かった。お前もついて来い。口は出すな」
「うん。理久もいるなら大丈夫だよ。冷静だし」
「もうすぐで枝川が到着する。理久君を任せる」
喧嘩の仲裁はしない。それを飲み込み、如月が争っている方へ向かった。言い争いの場所は人目を避けていた。大きな柱のそばで、通りかかる人からは見えづらい。俺たちが到着した時には、奥の広い移動していた。理久が如月へ詰め寄るようにしているからだ。
緊迫した空気の中、女の子が二葉のことを止めている。たしか北岡さんだ。都内に来た時の、唯一の友達だ。黒崎が二葉たちをこっちに来るように促した。北岡さんがホッとした。しかし二葉は理久と如月の元に行こうとしている。
「2人ともこっちへ来い」
「夏樹君。行っちゃだめ!」
「行かないよ。一緒に待とうね」
すでにタイマン状態だ。黒崎が向かった時には、理久が如月の胸倉をつかんだ。如月の足元がふらついている。こんなに力があったのか。さらに怒号まで飛び出した。
「俺の親友だ!殴ろうとしただろう!」
そんなことをしようとしたのか。如月から二葉が腕を掴まれて転んだそうだ。二葉が右手を握りしめて堪えている。殴り返そうとしたそうだ。それを北岡さんが必死で止めた。
理久の振り上げた拳が、如月の肩を打った。わざと外したと分かる。黒崎が掴んで止めさせた。2人を引き離した後、黒崎が理久の肩を抱いた。
後ろから平田さんが走って来た。役割分担すると、如月のことを連れ出した。冷却させるために。
さすがに黒崎から離してもらえた。そばの椅子に腰かけて休憩を始めた。会場を見ている横顔は仕事モードだが、左手に触れられた。すでに習慣になっている。
(俺がどこか行きそうなのかな?そんなことないよ……)
握り返して指を絡ませた。黒崎が視線を向けて来たから笑った。そして、戸惑うように目を逸らせた後、手を撫でられた。これが返事の代わりだ。言葉を交わさなくても伝わる。この時間が好きだ。テーブルの下で足を蹴ってやると、強く握り返された。やり合っているうちに言葉が出てきて、周りから笑われた。
「あんたのせいだよ~」
「うるさい。ガキ」
バカヤロウより優しい言い方だと納得してあげた。すると、誰かを見つけたようだ。ここに居ろと立ち上った。視力が良くないから分からず、黒崎の方を向いた。眉をひそめて怒っている。如月と二葉が言い争うのを見つけたから、様子を見て来るそうだ。それなら俺も一緒に行った方がいい。黒崎だけでは、彼女が委縮するかもしれない。
二葉は迷惑を掛けられた側なのに、この反応では両成敗だと思っていると思った。彼女は遊び回らない子だし、如月とは友達だったのに。
「黒崎さん。叱らないでね。二葉ちゃんを」
「約束できない」
「やっぱり……。悠人、見てくるよ。連れてくるかも」
「分かった、待機するよ」
黒崎は女性関係が乱れていたのに、二葉には目を光らせている。女性だから腕力に勝てないと言っていた。そして、やっと分かって来た。それだけが理由ではないことを。今の段階から醜聞を避けるためだ。些細なことでも噂には尾ひれがつく。本人の為にならないからだ。
「分かった。お前もついて来い。口は出すな」
「うん。理久もいるなら大丈夫だよ。冷静だし」
「もうすぐで枝川が到着する。理久君を任せる」
喧嘩の仲裁はしない。それを飲み込み、如月が争っている方へ向かった。言い争いの場所は人目を避けていた。大きな柱のそばで、通りかかる人からは見えづらい。俺たちが到着した時には、奥の広い移動していた。理久が如月へ詰め寄るようにしているからだ。
緊迫した空気の中、女の子が二葉のことを止めている。たしか北岡さんだ。都内に来た時の、唯一の友達だ。黒崎が二葉たちをこっちに来るように促した。北岡さんがホッとした。しかし二葉は理久と如月の元に行こうとしている。
「2人ともこっちへ来い」
「夏樹君。行っちゃだめ!」
「行かないよ。一緒に待とうね」
すでにタイマン状態だ。黒崎が向かった時には、理久が如月の胸倉をつかんだ。如月の足元がふらついている。こんなに力があったのか。さらに怒号まで飛び出した。
「俺の親友だ!殴ろうとしただろう!」
そんなことをしようとしたのか。如月から二葉が腕を掴まれて転んだそうだ。二葉が右手を握りしめて堪えている。殴り返そうとしたそうだ。それを北岡さんが必死で止めた。
理久の振り上げた拳が、如月の肩を打った。わざと外したと分かる。黒崎が掴んで止めさせた。2人を引き離した後、黒崎が理久の肩を抱いた。
後ろから平田さんが走って来た。役割分担すると、如月のことを連れ出した。冷却させるために。
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