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平田さんと如月の後ろ姿を見送った後、人通りの多い場所へ移動した。人目が少ない方がいいのに。何があったのかと、黒崎がストレートに聞いた。
二葉の方は気持ちを落ち着かせて、淡々と話した。まるで報告するかのようで、お兄ちゃんと妹のように見えない。ここではプライベートの関係なのに。ひと通り聞いた後、黒崎が頷いた。
「今後のことは俺が対処する。連絡も大学での会話もするな。……次に起こせば見合いをさせる。いいな?」
「はい……」
何て言い方なのか。二葉一人だけ悪いかのように聞こえる。さすがに止めようとすると、黒崎が肩を回す仕草をした。
「二葉。背筋が曲がっている」
「はい」
二葉が肩を回して下ろし姿勢を正した。よしと黒崎が頷き、本部へ歩き始めた。俺たちの後ろの方では、理久が二葉の肩を抱いていた。無邪気で憎めない子だったのに、印象が変わった。二葉は頑なになった。如月のことで振り回されたせいのか。いや、それだけではない。
黒崎の態度のせいだ。少しは優しい言い方をするべきだ。さっきはお義父さんの姿が重なった。秘書時代を実際に見ていないが、今の黒崎のようだったと思う。頑なで、冷たい目をしていた。
「黒崎さん。二葉ちゃんだけが悪いのかよ?あんたみたいになってもいいのかよ?」
「必要な教育だ。それを理解した上で黒崎製菓へ入った」
「それこそ必要ないよ。心の中まで冷たくならなくていい。泣いてすがる相手がいるべきだよ!」
「今は必要ない。乗り越えさせる。これから歩いて行けないからだ」
「だったら俺は何だよ?優しくされてさ……。お飾りだからだよね?」
「それぞれに合った育て方をする。お前は静かな環境が合い、秘書には不向きだ。二葉は反対だ」
それなら優しい言葉をかけない理由にならない。きっと当時のお父さんも同じ考えだった。乗り越えられないからと抑えたのだろう。だったら俺が背中を押そう。お節介だと言われてもいい。黒崎の背中を押して二葉へと促した。顔は見えないが、気まずそうにしているはずだ。
「今からはプライベートの関係。はいはい……。妹に謝ってください。言い過ぎたって」
「いいのよ。わたしが悪いんだから!」
二葉が両目に涙を溜めているから、どっちを見ているのか分からない。理久が俺のせいだと言い出した。さらに黒崎へ頭を下げたから、慌てて止めた。
「如月とのことを、強く止めるべきでした」
「謝るなよ。……北岡さんは?あれ?」
彼女の姿がない。如月達について行ったそうだ。まさか二股の相手なのかと思っていると、その通りだと知った。いっそう強く黒崎の背中を押した。本人もそのつもりだ。
「お兄ちゃん。妹を慰めろよ。失恋だよ」
「いいの。ごめんなさい……。本部へ行きます……。常務……、あの」
「お兄ちゃんでいい。言い過ぎた」
黒崎がハンカチ取り出して、二葉の涙を拭いた。だんだん大雑把になり、ゴシゴシ拭き始めた。後の仕上げをやるから、自分で片づけて来いと言った。それを聞いてヒヤッとしたが、口出ししなかった。
二葉の方は気持ちを落ち着かせて、淡々と話した。まるで報告するかのようで、お兄ちゃんと妹のように見えない。ここではプライベートの関係なのに。ひと通り聞いた後、黒崎が頷いた。
「今後のことは俺が対処する。連絡も大学での会話もするな。……次に起こせば見合いをさせる。いいな?」
「はい……」
何て言い方なのか。二葉一人だけ悪いかのように聞こえる。さすがに止めようとすると、黒崎が肩を回す仕草をした。
「二葉。背筋が曲がっている」
「はい」
二葉が肩を回して下ろし姿勢を正した。よしと黒崎が頷き、本部へ歩き始めた。俺たちの後ろの方では、理久が二葉の肩を抱いていた。無邪気で憎めない子だったのに、印象が変わった。二葉は頑なになった。如月のことで振り回されたせいのか。いや、それだけではない。
黒崎の態度のせいだ。少しは優しい言い方をするべきだ。さっきはお義父さんの姿が重なった。秘書時代を実際に見ていないが、今の黒崎のようだったと思う。頑なで、冷たい目をしていた。
「黒崎さん。二葉ちゃんだけが悪いのかよ?あんたみたいになってもいいのかよ?」
「必要な教育だ。それを理解した上で黒崎製菓へ入った」
「それこそ必要ないよ。心の中まで冷たくならなくていい。泣いてすがる相手がいるべきだよ!」
「今は必要ない。乗り越えさせる。これから歩いて行けないからだ」
「だったら俺は何だよ?優しくされてさ……。お飾りだからだよね?」
「それぞれに合った育て方をする。お前は静かな環境が合い、秘書には不向きだ。二葉は反対だ」
それなら優しい言葉をかけない理由にならない。きっと当時のお父さんも同じ考えだった。乗り越えられないからと抑えたのだろう。だったら俺が背中を押そう。お節介だと言われてもいい。黒崎の背中を押して二葉へと促した。顔は見えないが、気まずそうにしているはずだ。
「今からはプライベートの関係。はいはい……。妹に謝ってください。言い過ぎたって」
「いいのよ。わたしが悪いんだから!」
二葉が両目に涙を溜めているから、どっちを見ているのか分からない。理久が俺のせいだと言い出した。さらに黒崎へ頭を下げたから、慌てて止めた。
「如月とのことを、強く止めるべきでした」
「謝るなよ。……北岡さんは?あれ?」
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「お兄ちゃん。妹を慰めろよ。失恋だよ」
「いいの。ごめんなさい……。本部へ行きます……。常務……、あの」
「お兄ちゃんでいい。言い過ぎた」
黒崎がハンカチ取り出して、二葉の涙を拭いた。だんだん大雑把になり、ゴシゴシ拭き始めた。後の仕上げをやるから、自分で片づけて来いと言った。それを聞いてヒヤッとしたが、口出ししなかった。
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