241 / 265
28-4
しおりを挟む
店へ入るまでに、泣き止まないといけない。顔が赤いのは諦めておく。いや、堂々としようとまで思えた。後ろ向きな理由でなくて、良いことで泣いたからだ。
看板が近づいて行くにつれて、お客さんが見えてきた。なんせ限定だ。人が多くてやっぱり恥ずかしい。黒崎の後ろに隠れると、笑われた。
「黒崎さん……」
「どうしよう?悠人君がいるぞ」
「え?」
「シュークリームを買いに来たんじゃないのか?……ということは、佳代子さんも居るのか。……泣き止め。心配する人が増えたぞ。裕理のお母さんも一緒だ」
「玲子おばさんが……。心配かけるね……」
「もう遅い。心配されている」
店の入り口には、たしかに2人が立っていた。悠人は、早瀬さんのお母さんと仲良くなった。家族全体として優しい空気に包まれている。その中に俺たちも入り、可愛がって貰っている。
後ろから早瀬さんがやって来た。あれ?という顔をしている。まさか近くに居たとは思わなかったと言っている。お互いに用件しか話さないからだと、悠人が呆れた声を出していた。
「圭一さん。ここへ来ていたのか。これから遠藤さんの家へ訪ねるんだ。限定のカボチャシュークリームが発売だから。予約しておいた。ああ、夏樹君。泣いていたのかー?」
「うん……。もうバレたね。ゆうとー」
どうしよう?また涙で視界が揺れて、悠人の姿が見えない。黒崎から促された時に、身体が温かくなった。悠人から抱きしめられていた。
「どうしよう?夏樹が泣いてるよー」
「”どうしよう?”黒崎さんが困っているよ……」
言ってみただけだ。笑っているから困っていない。すぐに端の方へ移動して話をした。カボチャシュークリームのことだけで、バンド活動には触れなかった。ありがとうと、店へ入る時にだけ伝えた。
看板が近づいて行くにつれて、お客さんが見えてきた。なんせ限定だ。人が多くてやっぱり恥ずかしい。黒崎の後ろに隠れると、笑われた。
「黒崎さん……」
「どうしよう?悠人君がいるぞ」
「え?」
「シュークリームを買いに来たんじゃないのか?……ということは、佳代子さんも居るのか。……泣き止め。心配する人が増えたぞ。裕理のお母さんも一緒だ」
「玲子おばさんが……。心配かけるね……」
「もう遅い。心配されている」
店の入り口には、たしかに2人が立っていた。悠人は、早瀬さんのお母さんと仲良くなった。家族全体として優しい空気に包まれている。その中に俺たちも入り、可愛がって貰っている。
後ろから早瀬さんがやって来た。あれ?という顔をしている。まさか近くに居たとは思わなかったと言っている。お互いに用件しか話さないからだと、悠人が呆れた声を出していた。
「圭一さん。ここへ来ていたのか。これから遠藤さんの家へ訪ねるんだ。限定のカボチャシュークリームが発売だから。予約しておいた。ああ、夏樹君。泣いていたのかー?」
「うん……。もうバレたね。ゆうとー」
どうしよう?また涙で視界が揺れて、悠人の姿が見えない。黒崎から促された時に、身体が温かくなった。悠人から抱きしめられていた。
「どうしよう?夏樹が泣いてるよー」
「”どうしよう?”黒崎さんが困っているよ……」
言ってみただけだ。笑っているから困っていない。すぐに端の方へ移動して話をした。カボチャシュークリームのことだけで、バンド活動には触れなかった。ありがとうと、店へ入る時にだけ伝えた。
0
あなたにおすすめの小説
【完結・BL】胃袋と掴まれただけでなく、心も身体も掴まれそうなんだが!?【弁当屋×サラリーマン】
彩華
BL
俺の名前は水野圭。年は25。
自慢じゃないが、年齢=彼女いない歴。まだ魔法使いになるまでには、余裕がある年。人並の人生を歩んでいるが、これといった楽しみが無い。ただ食べることは好きなので、せめて夕食くらいは……と美味しい弁当を買ったりしているつもりだが!(結局弁当なのかというのは、お愛嬌ということで)
だがそんなある日。いつものスーパーで弁当を買えなかった俺はワンチャンいつもと違う店に寄ってみたが……────。
凄い! 美味そうな弁当が並んでいる!
凄い! 店員もイケメン!
と、実は穴場? な店を見つけたわけで。
(今度からこの店で弁当を買おう)
浮かれていた俺は、夕飯は美味い弁当を食べれてハッピ~! な日々。店員さんにも顔を覚えられ、名前を聞かれ……?
「胃袋掴みたいなぁ」
その一言が、どんな意味があったなんて、俺は知る由もなかった。
******
そんな感じの健全なBLを緩く、短く出来ればいいなと思っています
お気軽にコメント頂けると嬉しいです
■表紙お借りしました
不夜島の少年~兵士と高級男娼の七日間~
四葉 翠花
BL
外界から隔離された巨大な高級娼館、不夜島。
ごく平凡な一介の兵士に与えられた褒賞はその島への通行手形だった。そこで毒花のような美しい少年と出会う。
高級男娼である少年に何故か拉致されてしまい、次第に惹かれていくが……。
※以前ムーンライトノベルズにて掲載していた作品を手直ししたものです(ムーンライトノベルズ削除済み)
■ミゼアスの過去編『きみを待つ』が別にあります(下にリンクがあります)
竜人息子の溺愛!
神谷レイン
BL
コールソン書店の店主レイ(三十七歳)は、十八歳になったばかりの育て子である超美形の竜人騎士であるルークに結婚を迫られていた。
勿論レイは必死に断るがルークは全然諦めてくれず……。
だが、そんな中で竜国から使者がやってくる。
そしてルークはある事実を知らされ、レイはそれに巻き込まれてしまうのだが……。
超美形竜人息子×自称おじさん
【完結】君の手を取り、紡ぐ言葉は
綾瀬
BL
図書委員の佐倉遥希は、クラスの人気者である葉山綾に密かに想いを寄せていた。しかし、イケメンでスポーツ万能な彼と、地味で取り柄のない自分は住む世界が違うと感じ、遠くから眺める日々を過ごしていた。
ある放課後、遥希は葉山が数学の課題に苦戦しているのを見かける。戸惑いながらも思い切って声をかけると、葉山は「気になる人にバカだと思われるのが恥ずかしい」と打ち明ける。「気になる人」その一言に胸を高鳴らせながら、二人の勉強会が始まることになった。
成績優秀な遥希と、勉強が苦手な葉山。正反対の二人だが、共に過ごす時間の中で少しずつ距離を縮めていく。
不器用な二人の淡くも甘酸っぱい恋の行方を描く、学園青春ラブストーリー。
【爽やか人気者溺愛攻め×勉強だけが取り柄の天然鈍感平凡受け】
[BL]憧れだった初恋相手と偶然再会したら、速攻で抱かれてしまった
ざびえる
BL
エリートリーマン×平凡リーマン
モデル事務所で
メンズモデルのマネージャーをしている牧野 亮(まきの りょう) 25才
中学時代の初恋相手
高瀬 優璃 (たかせ ゆうり)が
突然現れ、再会した初日に強引に抱かれてしまう。
昔、優璃に嫌われていたとばかり思っていた亮は優璃の本当の気持ちに気付いていき…
夏にピッタリな青春ラブストーリー💕
ある少年の体調不良について
雨水林檎
BL
皆に好かれるいつもにこやかな少年新島陽(にいじまはる)と幼馴染で親友の薬師寺優巳(やくしじまさみ)。高校に入学してしばらく陽は風邪をひいたことをきっかけにひどく体調を崩して行く……。
BLもしくはブロマンス小説。
体調不良描写があります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる