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29-1 結婚式&To Dear Dropsへの道
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9月28日、土曜日。午前10時半。
トントン。キッチンにはほうれん草を刻む音が響いている。今日は軽めの昼ご飯にした。スープご飯とお浸しだ。15時から沙耶さんの結婚披露宴に出席する。都内の会場だから、時間に余裕がある。
「黒崎さーん。厚焼き玉子の具はどっちがいい?シラスとネギ」
「今日はノーマルがいい。久しぶりに」
「へえ。珍しいね。時間をかけないように?気を遣ってくれたんだね」
優しさを受け取り、冷蔵庫から卵を取り出した。すると後ろから伸びてきた手に、ドアを閉められた。そして、首筋や耳元に息がかかり、舐められた。時間に余裕があっても、今はやめておきたい。右足で押しのけつつ、カウンターへ逃げた。
「卵が割れるってば……」
「戻しておく」
さっと卵を取られて冷蔵庫へ戻された。そして、パタンと音が立った後、逃げる間もなく抱きつかれた。さらに、ズルズルと前に進んでも引き戻されて、カウンターへ軽く押し付けられた。左右に動こうとも阻まれて、背後には黒崎の身体がある。耳元で笑い声を立てられて、ぞくっと震えた。
今日は書類を読まないと言っていた。お祝い事だし二次会でお酒も飲む。ゆっくりするのだと思っていたが、こういうことだったのか?
「こら。寝転がっててよ。食べないとお腹すくよ?俺も食べたいから」
「会場の近くに店がある。うちの経営の新店舗だ。……おいで」
「お腹が空いているからだよね?食べたら平気になるからさ~。え?シークレットな件?あんたまで変なことを言うなよ。おじさん!」
「好きに言え」
向かい合わせになり抱き上げられた。行き先はソファーだ。下ろせと言っているのに、イヤらしく笑うばかりだ。触り方にも期待できない。
座った俺の前に跪いて、膝から下をキスされていった。軽く触れたり、強めに吸い付いたりされているうちに、息が上がってきた。
「気分じゃないもん……」
「靴下が新しいな。これはお前の勝負靴下だろう?」
「黒崎さん……。あ……」
「よく似合っている。好みの柄だ」
甘く見つめられた。微笑まれたから抵抗できない。少しだけなら時間がある。浮気防止のためにも効果的だ。しないのは分かっているが、要は気持ちの問題だ。
跪くなんて悪い方法だ。黒崎の目元に影ができて、見上げられた時の眼差しにゾクゾクする。なんて罪な人なのか。だったらこっちも負けていられない。
「黒崎さん……。靴下を脱がせてよ」
「他のリクエストは?」
「本気になるのが怖いから黙っておくよ」
「白状させてやる。ここは?こっちか……。だめなのか?俺のものだ。好きにさせろ」
顎を持ち上げられて、唇が至近距離まで迫った。それでも触れ合わない。ため息がかかるだけで、熱がこもっていることが分かった。リクエストは?と、低い声が耳元で響いた。そっと肩へ両腕を回して力を入れた。引き寄せるようにすると、悪い子だと微笑まれた。
「何もするなって言ってるくせに?」
「言うことを聞かない悪い子だ。脱がすのは靴下だけにする」
「やだって。ここまできたら。何を言わすんだよ……。黒崎さん」
「ねだってみろ。もっと。我儘でもいい」
「だったら……。キスをしてほしい。ん……」
いきなり深いものになった。お互いの体が熱いからと服を脱いだ。それは口実で、二人の肌が重なった。結婚式という言葉は、俺たちにとって大事なものだ。沙耶さんに立ち会ってもらい、誓いを立てたことがある。思い出しては唇を重ねた。
トントン。キッチンにはほうれん草を刻む音が響いている。今日は軽めの昼ご飯にした。スープご飯とお浸しだ。15時から沙耶さんの結婚披露宴に出席する。都内の会場だから、時間に余裕がある。
「黒崎さーん。厚焼き玉子の具はどっちがいい?シラスとネギ」
「今日はノーマルがいい。久しぶりに」
「へえ。珍しいね。時間をかけないように?気を遣ってくれたんだね」
優しさを受け取り、冷蔵庫から卵を取り出した。すると後ろから伸びてきた手に、ドアを閉められた。そして、首筋や耳元に息がかかり、舐められた。時間に余裕があっても、今はやめておきたい。右足で押しのけつつ、カウンターへ逃げた。
「卵が割れるってば……」
「戻しておく」
さっと卵を取られて冷蔵庫へ戻された。そして、パタンと音が立った後、逃げる間もなく抱きつかれた。さらに、ズルズルと前に進んでも引き戻されて、カウンターへ軽く押し付けられた。左右に動こうとも阻まれて、背後には黒崎の身体がある。耳元で笑い声を立てられて、ぞくっと震えた。
今日は書類を読まないと言っていた。お祝い事だし二次会でお酒も飲む。ゆっくりするのだと思っていたが、こういうことだったのか?
「こら。寝転がっててよ。食べないとお腹すくよ?俺も食べたいから」
「会場の近くに店がある。うちの経営の新店舗だ。……おいで」
「お腹が空いているからだよね?食べたら平気になるからさ~。え?シークレットな件?あんたまで変なことを言うなよ。おじさん!」
「好きに言え」
向かい合わせになり抱き上げられた。行き先はソファーだ。下ろせと言っているのに、イヤらしく笑うばかりだ。触り方にも期待できない。
座った俺の前に跪いて、膝から下をキスされていった。軽く触れたり、強めに吸い付いたりされているうちに、息が上がってきた。
「気分じゃないもん……」
「靴下が新しいな。これはお前の勝負靴下だろう?」
「黒崎さん……。あ……」
「よく似合っている。好みの柄だ」
甘く見つめられた。微笑まれたから抵抗できない。少しだけなら時間がある。浮気防止のためにも効果的だ。しないのは分かっているが、要は気持ちの問題だ。
跪くなんて悪い方法だ。黒崎の目元に影ができて、見上げられた時の眼差しにゾクゾクする。なんて罪な人なのか。だったらこっちも負けていられない。
「黒崎さん……。靴下を脱がせてよ」
「他のリクエストは?」
「本気になるのが怖いから黙っておくよ」
「白状させてやる。ここは?こっちか……。だめなのか?俺のものだ。好きにさせろ」
顎を持ち上げられて、唇が至近距離まで迫った。それでも触れ合わない。ため息がかかるだけで、熱がこもっていることが分かった。リクエストは?と、低い声が耳元で響いた。そっと肩へ両腕を回して力を入れた。引き寄せるようにすると、悪い子だと微笑まれた。
「何もするなって言ってるくせに?」
「言うことを聞かない悪い子だ。脱がすのは靴下だけにする」
「やだって。ここまできたら。何を言わすんだよ……。黒崎さん」
「ねだってみろ。もっと。我儘でもいい」
「だったら……。キスをしてほしい。ん……」
いきなり深いものになった。お互いの体が熱いからと服を脱いだ。それは口実で、二人の肌が重なった。結婚式という言葉は、俺たちにとって大事なものだ。沙耶さんに立ち会ってもらい、誓いを立てたことがある。思い出しては唇を重ねた。
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