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31-1 親愛なる人への旋律
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10月29日、火曜日。21時。
IKU国際ホールでは7500人の観客を迎えて、ラストライブの初日を迎えた。18時30分開演、セットリストでは2時間で終了だ。しかし、30分の時間延長をした。アンコールのためだ。
アンコールに応えて、メンバーと共にステージサイドへ戻ってきた。デビュー時は500人を招待した。5月は2500人を3日間で7500人だ。ラストでは、今日と明日で1万5千人を迎える。だんだん観客数が増えていき、俺と悠人にとってはいい形になった。最初は落ち込んだ。たったの500人かと思ったからだ。今では正しかったと分かる。
大歓声の中、悠人からタオルで汗を拭かれた。その話をして、佐久弥を見て悔しがっている。
「そこにいる男は出来たんだよ。ファーストコンサートで7500人だってさ。きいいいっ」
「佐久弥はそうだねー。遠藤さんから聞いたよ」
「おーい、最後の曲をやるぞー!手を振れ!」
大歓声が起きた後、ステージのスタンドマイクの前に戻った。初披露になる曲目に挑戦するために。すでに TDD のことを告知してあり、今回のコンサートでも発表した。イメージが変わるから楽しんでもらえるだろうと、アンコールのラストへ持ってきた。
メンバーがポジションについた後、間奏が始まった。頭の中は冷静だ。倒れるわけにはいかず、背中の痛みにも注意した。ママからの話を聞き、どういう時に感情が高ぶるのかを教わった。それを自覚して平常心を取り戻すコツも。
ワーーーーーーー!
「みなさーん!ラストはー、TDDでの楽曲で、今夜が初披露です!……ありがとうございまーす。……え?間違えてもOK?……ええ?バレてたのー?……5曲目を間違えたって?耳が良すぎだよ!……ああ、悠人がコードを間違えたって?あああ……」
観客からのツッコみに答えた後、ステージ照明が赤く変化した。今夜、妖艶なイメージの楽曲で佐久弥が還って来た。
「今夜、”佐久弥”が引退します。今後は佐伯久弥として活動します」
ワーーーーーーー!
ヒサヤーーーーー!
「……佐伯久弥の楽曲、”上弦の月の天使”です。聞いて下さーい!」
“久弥コール”の後で間奏が大きくなり、うねるようなリズムが流れ始めた。爽やかさとは対照的な、妖艶なイメージの楽曲だ。初めてのイメージだ。俺と悠人にとっての、生まれ変わりをイメージした。大学生から成長し、より大人になる。他の楽曲では元通りだ。バランスを取って幅を広げていく。高宮さん、そして佐伯プロデューサーの考案だ。
紅い月のイメージの照明が変化し、白い光が加わった。デビューステージ時の白い檻をイメージした。しかし、すでに檻は取り払われており、白い雫として変化した。
妖艶な旋律に歌声を乗せた後、歓声が大きくなった。向こうからは紅い月が見えているはずだ。そこから白い雫が落ちて、俺たちに降り注いでいる。悠人のバックには、大きな雫が生み出された。
「波音だけが……、満ちていく……上弦の香りを……水辺に落ちた影を……」
足元のモニター画面で確認しつつ、歌声をあげた。ステージを終えるタイミングを合わせるためだ。暗く落ちた後、ステージを下がる。
旋律が盛り上がり、俺と悠人の歌声が重なった。歓声が起きたのは成功した証だ。TDDとしての、ツインボーカルの初披露だ。
ステージの照明効果が赤い月が上弦から満ちて満月へと変わった。そして、下弦の月へ変化して消えた後、新月になった。それと同時に暗く落ちて、歓声が上がった。そして、ステージサイドへ下がった。
IKU国際ホールでは7500人の観客を迎えて、ラストライブの初日を迎えた。18時30分開演、セットリストでは2時間で終了だ。しかし、30分の時間延長をした。アンコールのためだ。
アンコールに応えて、メンバーと共にステージサイドへ戻ってきた。デビュー時は500人を招待した。5月は2500人を3日間で7500人だ。ラストでは、今日と明日で1万5千人を迎える。だんだん観客数が増えていき、俺と悠人にとってはいい形になった。最初は落ち込んだ。たったの500人かと思ったからだ。今では正しかったと分かる。
大歓声の中、悠人からタオルで汗を拭かれた。その話をして、佐久弥を見て悔しがっている。
「そこにいる男は出来たんだよ。ファーストコンサートで7500人だってさ。きいいいっ」
「佐久弥はそうだねー。遠藤さんから聞いたよ」
「おーい、最後の曲をやるぞー!手を振れ!」
大歓声が起きた後、ステージのスタンドマイクの前に戻った。初披露になる曲目に挑戦するために。すでに TDD のことを告知してあり、今回のコンサートでも発表した。イメージが変わるから楽しんでもらえるだろうと、アンコールのラストへ持ってきた。
メンバーがポジションについた後、間奏が始まった。頭の中は冷静だ。倒れるわけにはいかず、背中の痛みにも注意した。ママからの話を聞き、どういう時に感情が高ぶるのかを教わった。それを自覚して平常心を取り戻すコツも。
ワーーーーーーー!
「みなさーん!ラストはー、TDDでの楽曲で、今夜が初披露です!……ありがとうございまーす。……え?間違えてもOK?……ええ?バレてたのー?……5曲目を間違えたって?耳が良すぎだよ!……ああ、悠人がコードを間違えたって?あああ……」
観客からのツッコみに答えた後、ステージ照明が赤く変化した。今夜、妖艶なイメージの楽曲で佐久弥が還って来た。
「今夜、”佐久弥”が引退します。今後は佐伯久弥として活動します」
ワーーーーーーー!
ヒサヤーーーーー!
「……佐伯久弥の楽曲、”上弦の月の天使”です。聞いて下さーい!」
“久弥コール”の後で間奏が大きくなり、うねるようなリズムが流れ始めた。爽やかさとは対照的な、妖艶なイメージの楽曲だ。初めてのイメージだ。俺と悠人にとっての、生まれ変わりをイメージした。大学生から成長し、より大人になる。他の楽曲では元通りだ。バランスを取って幅を広げていく。高宮さん、そして佐伯プロデューサーの考案だ。
紅い月のイメージの照明が変化し、白い光が加わった。デビューステージ時の白い檻をイメージした。しかし、すでに檻は取り払われており、白い雫として変化した。
妖艶な旋律に歌声を乗せた後、歓声が大きくなった。向こうからは紅い月が見えているはずだ。そこから白い雫が落ちて、俺たちに降り注いでいる。悠人のバックには、大きな雫が生み出された。
「波音だけが……、満ちていく……上弦の香りを……水辺に落ちた影を……」
足元のモニター画面で確認しつつ、歌声をあげた。ステージを終えるタイミングを合わせるためだ。暗く落ちた後、ステージを下がる。
旋律が盛り上がり、俺と悠人の歌声が重なった。歓声が起きたのは成功した証だ。TDDとしての、ツインボーカルの初披露だ。
ステージの照明効果が赤い月が上弦から満ちて満月へと変わった。そして、下弦の月へ変化して消えた後、新月になった。それと同時に暗く落ちて、歓声が上がった。そして、ステージサイドへ下がった。
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