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午前5時半。
黒崎が朝7時の飛行機で発つ。寝ておけと言われたが、出来るわけがない。一緒に起きて朝ごはんの用意をした。こういう時だからこそ、普段通りにする。そうしないと、悪い考えばかりが思い浮かんでくる。
朝ごはんを終えて着替えを済ませた。黒崎がスーツ姿なのは、誰に会うか分からないからだ。もちろん普段着も荷物に入れてある。
黒崎は断っていたが、ママが一緒に行ってもらえる。入院先のことで細かいことが分からないから、必要だと思ったからだ。
「この年で母親に付き添われるのか」
「心強いよ。万理の気持ちを考えてね。おばさんがいると助かるんだよ。女同士で話せるからさ……」
「気づかなかった。二葉をここへ寄越す。親父の家へ連れて行ってくれ。一人で平気か?」
「大丈夫だよ。あんたが行った後が恐ろしいよ。お義父さんと二葉、二人の仲が悪くてさ~」
こういう時こそ、何があるか分からない。二葉のことを、お義父さんの家で預かることになった。朝陽は大学の寮に居る。二葉本人は納得の上だ。晴海さんが家に居てくれるし、コンサート会場へも付き添う。俺たちには保護者がいる。
門の外へ出てタクシーの到着を待った。お互いに話したわけでもなく、自然とそうなった。寒いから綿入り半纏を着ている。これも赤い生地で、怜さんのデザイン柄だ。一貴さんがミシンで作ってくれた。粋な半纏だから気に入っている。これで黒崎の気持ちが和めば良い。
「ほーら、いいだろー?」
「手が冷たくなっている。すまない」
手を握ったままで話していると、タクシーが走って来た。それなのに手を離そうとしない。小さな子供かと笑っても、言うことを聞かない。
不安気にしているのは俺の方なのか。胸を押し当てて、心の中を覗かれているかのようだ。
「黒崎さん。あんたに背負われるのは好きだよ?でもね……、支えになりたい。今回は頼るよ」
「分かっている。理解したくないだけだ」
「だったらこの手を離してね。今回はいいよ。帰ったら離すなよ?」
もちろんだと返ってきた後、タクシーが到着した。乗り込んだ後、手を振った。走り去っていく姿を見送り、家の中に入った。アンが拗ねて寝そべっている。黒崎が出かけたからだ。すると、さっそく黒崎が電話をかけてきた。アンのことで笑っていたのに誤解されて、拗ねられてしまった。
黒崎が朝7時の飛行機で発つ。寝ておけと言われたが、出来るわけがない。一緒に起きて朝ごはんの用意をした。こういう時だからこそ、普段通りにする。そうしないと、悪い考えばかりが思い浮かんでくる。
朝ごはんを終えて着替えを済ませた。黒崎がスーツ姿なのは、誰に会うか分からないからだ。もちろん普段着も荷物に入れてある。
黒崎は断っていたが、ママが一緒に行ってもらえる。入院先のことで細かいことが分からないから、必要だと思ったからだ。
「この年で母親に付き添われるのか」
「心強いよ。万理の気持ちを考えてね。おばさんがいると助かるんだよ。女同士で話せるからさ……」
「気づかなかった。二葉をここへ寄越す。親父の家へ連れて行ってくれ。一人で平気か?」
「大丈夫だよ。あんたが行った後が恐ろしいよ。お義父さんと二葉、二人の仲が悪くてさ~」
こういう時こそ、何があるか分からない。二葉のことを、お義父さんの家で預かることになった。朝陽は大学の寮に居る。二葉本人は納得の上だ。晴海さんが家に居てくれるし、コンサート会場へも付き添う。俺たちには保護者がいる。
門の外へ出てタクシーの到着を待った。お互いに話したわけでもなく、自然とそうなった。寒いから綿入り半纏を着ている。これも赤い生地で、怜さんのデザイン柄だ。一貴さんがミシンで作ってくれた。粋な半纏だから気に入っている。これで黒崎の気持ちが和めば良い。
「ほーら、いいだろー?」
「手が冷たくなっている。すまない」
手を握ったままで話していると、タクシーが走って来た。それなのに手を離そうとしない。小さな子供かと笑っても、言うことを聞かない。
不安気にしているのは俺の方なのか。胸を押し当てて、心の中を覗かれているかのようだ。
「黒崎さん。あんたに背負われるのは好きだよ?でもね……、支えになりたい。今回は頼るよ」
「分かっている。理解したくないだけだ」
「だったらこの手を離してね。今回はいいよ。帰ったら離すなよ?」
もちろんだと返ってきた後、タクシーが到着した。乗り込んだ後、手を振った。走り去っていく姿を見送り、家の中に入った。アンが拗ねて寝そべっている。黒崎が出かけたからだ。すると、さっそく黒崎が電話をかけてきた。アンのことで笑っていたのに誤解されて、拗ねられてしまった。
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