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6-1 スープカレー・デート
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1月11日、金曜日。18時半。
待ち合わせ場所の京橋駅へやって来た。今夜は幸也君とスープカレーの店へ食べに行く。初めて自分のほうから幸也君を誘った。昨日の夜、電話で話していると、あっという間に時間が経った。しかし、今朝からは長く感じた。そわそわ落ち着かず、変な感じだった。
ホームを出て、マリーズカフェの前に立った。ここが待ち合わせ場所だ。大きな歩道からすぐだから、同じように誰かを待っている人たちがいる。
「この辺りって……。へえ。こんな店があるのかーー。シャルロットキッチンの商品を置いてあるんだなあ」
黒崎製菓一階にある店の商品を置いてある店を発見した。入りたい会社の情報は多く持っておきたい。興味があるし、純粋に知りたいから調べている。
オフィス街は歩いている人の層が違う。大学の周辺や、友達と遊びに行く渋谷とは、スピード感も反対だ。さささと歩いて行くからだ。さらに興味が沸いた。
(ショッピングモールがあるから、ゆっくりしてる人はいるけど……)
向こうに見えるのは、カンタレーラというモールだ。駅から直結になっているから、会社帰りといった雰囲気の格好をした人たちが入って行く。女性同士が多い。
(幸也君と買い物に行ったら面白そうだな。どんなのが好きだろう……)
「りくーー!」
「わーーーー!」
いきなりそばで名前を呼ばれた。幸也君が来たことには気づかなかった。それでも普通に呼べばいいだろうに。それを言い返すと、さらに言葉が返って来た。
「何度も呼んだ。肩を抱けばよかったのか?連れ去りだって悲鳴をあげられる」
「そうだったんだ。ごめんね」
「”そうだったんだ”。危ないぞ。ひったくりが起きたことがある。しかも最近だ。痴漢も起きたし」
「この辺で?痴漢はどこにでもいるけど……。ひったくりが?信じられないよ」
「どうしてそう思う?」
「オフィス街だもん。隙のない人が多いから、成功しないと思うけど。ああやって気をつけているし」
視線の先には、テイクアウトをしている女性が立っている。持っているバッグは、体の前にある。ぶらぶらと下げていない。二人連れの人も同じようにしている。すると、幸也君が感心したとつぶやいた。一瞬で彼女達に視線を向けたことに対してだ。
「目がいいのか。聞いていない分だけ、発達しているなー?」
「うん。子供の頃に言われたことがあるよ。目は良いけど、相手が話していることが入ってこない時があったんだ」
「中学生の時ぐらいか?」
「もっと小さい頃だよ。お兄ちゃんがフォローしてくれたんだ。おかげで困らない程度になったよ」
「そうか。助けてくれる人がいてよかったな。お母さんも優しそうだ。お父さんもだろう?」
「うん。あんまり冗談は言わないけど。静かだし。優しいよ」
(お母さんが来たから、家が明るくなったらしいけど。前はどうだったのかな……)
祖父が話していたことを思い出した。うちの家は、母が来るまではあんまり楽しい家ではなかったそうだ。久弥は褒められるのが好きで、よく家の手伝いをしていたそうだ。気を遣って明るくさせていたとも言っていた。
父が母と再婚したのは、久弥が9歳の時だ。その3年後に俺が生まれている。母が久弥のお母さんになり、久弥はよく笑うようになったそうだ。そして、子供は外で遊んでこいと言い、裕理君と蔵之介君の家に行き、久弥と遊んでやって下さいと頼んだことがあるそうだ。俺が生まれた頃には、久弥のそばには裕理君と蔵之介君がいた。母は細かいことに気づくから、いつも守られている。俺もそうだ。
待ち合わせ場所の京橋駅へやって来た。今夜は幸也君とスープカレーの店へ食べに行く。初めて自分のほうから幸也君を誘った。昨日の夜、電話で話していると、あっという間に時間が経った。しかし、今朝からは長く感じた。そわそわ落ち着かず、変な感じだった。
ホームを出て、マリーズカフェの前に立った。ここが待ち合わせ場所だ。大きな歩道からすぐだから、同じように誰かを待っている人たちがいる。
「この辺りって……。へえ。こんな店があるのかーー。シャルロットキッチンの商品を置いてあるんだなあ」
黒崎製菓一階にある店の商品を置いてある店を発見した。入りたい会社の情報は多く持っておきたい。興味があるし、純粋に知りたいから調べている。
オフィス街は歩いている人の層が違う。大学の周辺や、友達と遊びに行く渋谷とは、スピード感も反対だ。さささと歩いて行くからだ。さらに興味が沸いた。
(ショッピングモールがあるから、ゆっくりしてる人はいるけど……)
向こうに見えるのは、カンタレーラというモールだ。駅から直結になっているから、会社帰りといった雰囲気の格好をした人たちが入って行く。女性同士が多い。
(幸也君と買い物に行ったら面白そうだな。どんなのが好きだろう……)
「りくーー!」
「わーーーー!」
いきなりそばで名前を呼ばれた。幸也君が来たことには気づかなかった。それでも普通に呼べばいいだろうに。それを言い返すと、さらに言葉が返って来た。
「何度も呼んだ。肩を抱けばよかったのか?連れ去りだって悲鳴をあげられる」
「そうだったんだ。ごめんね」
「”そうだったんだ”。危ないぞ。ひったくりが起きたことがある。しかも最近だ。痴漢も起きたし」
「この辺で?痴漢はどこにでもいるけど……。ひったくりが?信じられないよ」
「どうしてそう思う?」
「オフィス街だもん。隙のない人が多いから、成功しないと思うけど。ああやって気をつけているし」
視線の先には、テイクアウトをしている女性が立っている。持っているバッグは、体の前にある。ぶらぶらと下げていない。二人連れの人も同じようにしている。すると、幸也君が感心したとつぶやいた。一瞬で彼女達に視線を向けたことに対してだ。
「目がいいのか。聞いていない分だけ、発達しているなー?」
「うん。子供の頃に言われたことがあるよ。目は良いけど、相手が話していることが入ってこない時があったんだ」
「中学生の時ぐらいか?」
「もっと小さい頃だよ。お兄ちゃんがフォローしてくれたんだ。おかげで困らない程度になったよ」
「そうか。助けてくれる人がいてよかったな。お母さんも優しそうだ。お父さんもだろう?」
「うん。あんまり冗談は言わないけど。静かだし。優しいよ」
(お母さんが来たから、家が明るくなったらしいけど。前はどうだったのかな……)
祖父が話していたことを思い出した。うちの家は、母が来るまではあんまり楽しい家ではなかったそうだ。久弥は褒められるのが好きで、よく家の手伝いをしていたそうだ。気を遣って明るくさせていたとも言っていた。
父が母と再婚したのは、久弥が9歳の時だ。その3年後に俺が生まれている。母が久弥のお母さんになり、久弥はよく笑うようになったそうだ。そして、子供は外で遊んでこいと言い、裕理君と蔵之介君の家に行き、久弥と遊んでやって下さいと頼んだことがあるそうだ。俺が生まれた頃には、久弥のそばには裕理君と蔵之介君がいた。母は細かいことに気づくから、いつも守られている。俺もそうだ。
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