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ユーリーが早瀬さんの手に自分の手を重ね合わせて、ドイツに遊びに来てくれと言い続けている。もう50分も経っているのに、諦めようとしない。その間、ユーリーは自分の育った家の家族の良いところと、ちょっとマズいと思われることを、あっけらかんと話し続けた。今、住んでいる、フランクフルト市内の観光名所のことも明るい表情で話して、なんとか説得しようとしている姿を見つめた。
そこで、俺はお義父さんが笑っている姿が視界に入り、これは笑い事になっているのかと、半分冗談のように聞くようにした。そうでないと、早瀬さんの居心地が悪いだろう。
その一方で、黒崎は半分諦めた顔をしながら、ユーリーの話を聞いていると思った。二葉は静かに2人のことを見つめている。早瀬さんは職場の上司だから、気を抜くことが出来ないのだろうと思った。ダラっと座っても良いのに。そういうことを思った。さらに早瀬さんが背筋を伸ばして、椅子に座り直した。すると、ユーリーの表情が輝いた。
「ユーリー。せっかくの話だけれど、僕はドイツに観光でも行く気は無いんだ……」
「ああ、裕理!そういうことを言わないでくれ!僕の母さんが待っているんだ!そうだ!母さんと、父が別れるだろうと思う。父に会わなくても済むようにする。母さんには会ってやってくれ。君はバーテルスの息子の一人だ。母さんと父さんは親戚同士で結婚したんだけど、当時から父さんには恋人がいてね。母さんはずっと我慢してきた。それでも、ずっと今まで、バーテルス家を切り盛りしてきた人だ。君のことが気になっている。ドイツで引き取る話もあったそうじゃないか!そういうことが起きた時には、うちの家で引き取る決まりになっている。悪口を言われることは無いよ」
「ユーリー。悠人君が着いたぞ。もうやめたらどうだ……」
黒崎が眉をひそめながら話に入った。リビングに遠藤さんの家でお菓子を食べてきた悠人が到着した。早瀬さんの肩に手を置き、至近距離で見つめているユーリーの姿を見て、驚いていた。まるで一貴さんのようだからだ。
今ここに一貴さんが居れば、どんな話になっていただろう。きっと“裕理君”の取り合いになっていただろう。そんなことを想像して吹き出してしまった。
すると、悠人がお義父さんに挨拶をして、椅子に腰掛けた。いつもより、背筋がピンと伸びている。大事な話の最中なのだろうと分かったのだろうと思い、俺は悠人の隣に移動して座った。
「ゆうとー。ユーリーがね~。ドイツに遊びに来てくれって、早瀬さんのことを誘っているんだ。しかも、バーテルス家の法事にも出てくれってさ……。お父さんには会わなくて済むようにしてくれる約束ができるそうだよ。でも、お母さんのエミリアさんには会ってもらいたいって。あの時の子がどうなったのか、ずっと心の中に住み着いていたんだってさ……。バーテルス家の子には違いなくて、愛人の子でも、バーテルス家に引き取られる決まりがあるそうだよ。昔から愛人だらけの家なんだってさ。まるでお義父さんみたいだよ……。早瀬さんは行くつもりは無いし、まずは早瀬さんの今の両親と、何よりも、まず悠人に意見を聞かないとって言っているんだよ。バーテルス家の人は、悠人も一緒に遊びに来ないか?って言っているそうだよ。ノアも一緒に来させるんだって言っているんだよ~。遠藤さん達にも意見を聞かないとね……。君の養親だからね。それもユーリーは知っているんだ。そう言っているところだよ」
「ふむふむ。愛人の子だからって苛めるわけじゃ無いんだね。良い家なんじゃない?」
「ああ!悠人!君も来てくれたのか!良いことを言ってくれたね!うちは父さんがおかしなことをする人だけど、母さんも兄貴もまっとうな人なんだ。こっちに座って、一緒に説得してくれ!」
ユーリーが悠人の言葉に両目を輝かせてしまい、話の収拾が着かなくなってしまった。そこで、お義父さんが、鶴の一声を提案した。おやつを食べながら、まずは親交を深めようと。それには賛成だ。さっそく立ち上がり、悠人と一緒にキッチンに向かった。
そこで、俺はお義父さんが笑っている姿が視界に入り、これは笑い事になっているのかと、半分冗談のように聞くようにした。そうでないと、早瀬さんの居心地が悪いだろう。
その一方で、黒崎は半分諦めた顔をしながら、ユーリーの話を聞いていると思った。二葉は静かに2人のことを見つめている。早瀬さんは職場の上司だから、気を抜くことが出来ないのだろうと思った。ダラっと座っても良いのに。そういうことを思った。さらに早瀬さんが背筋を伸ばして、椅子に座り直した。すると、ユーリーの表情が輝いた。
「ユーリー。せっかくの話だけれど、僕はドイツに観光でも行く気は無いんだ……」
「ああ、裕理!そういうことを言わないでくれ!僕の母さんが待っているんだ!そうだ!母さんと、父が別れるだろうと思う。父に会わなくても済むようにする。母さんには会ってやってくれ。君はバーテルスの息子の一人だ。母さんと父さんは親戚同士で結婚したんだけど、当時から父さんには恋人がいてね。母さんはずっと我慢してきた。それでも、ずっと今まで、バーテルス家を切り盛りしてきた人だ。君のことが気になっている。ドイツで引き取る話もあったそうじゃないか!そういうことが起きた時には、うちの家で引き取る決まりになっている。悪口を言われることは無いよ」
「ユーリー。悠人君が着いたぞ。もうやめたらどうだ……」
黒崎が眉をひそめながら話に入った。リビングに遠藤さんの家でお菓子を食べてきた悠人が到着した。早瀬さんの肩に手を置き、至近距離で見つめているユーリーの姿を見て、驚いていた。まるで一貴さんのようだからだ。
今ここに一貴さんが居れば、どんな話になっていただろう。きっと“裕理君”の取り合いになっていただろう。そんなことを想像して吹き出してしまった。
すると、悠人がお義父さんに挨拶をして、椅子に腰掛けた。いつもより、背筋がピンと伸びている。大事な話の最中なのだろうと分かったのだろうと思い、俺は悠人の隣に移動して座った。
「ゆうとー。ユーリーがね~。ドイツに遊びに来てくれって、早瀬さんのことを誘っているんだ。しかも、バーテルス家の法事にも出てくれってさ……。お父さんには会わなくて済むようにしてくれる約束ができるそうだよ。でも、お母さんのエミリアさんには会ってもらいたいって。あの時の子がどうなったのか、ずっと心の中に住み着いていたんだってさ……。バーテルス家の子には違いなくて、愛人の子でも、バーテルス家に引き取られる決まりがあるそうだよ。昔から愛人だらけの家なんだってさ。まるでお義父さんみたいだよ……。早瀬さんは行くつもりは無いし、まずは早瀬さんの今の両親と、何よりも、まず悠人に意見を聞かないとって言っているんだよ。バーテルス家の人は、悠人も一緒に遊びに来ないか?って言っているそうだよ。ノアも一緒に来させるんだって言っているんだよ~。遠藤さん達にも意見を聞かないとね……。君の養親だからね。それもユーリーは知っているんだ。そう言っているところだよ」
「ふむふむ。愛人の子だからって苛めるわけじゃ無いんだね。良い家なんじゃない?」
「ああ!悠人!君も来てくれたのか!良いことを言ってくれたね!うちは父さんがおかしなことをする人だけど、母さんも兄貴もまっとうな人なんだ。こっちに座って、一緒に説得してくれ!」
ユーリーが悠人の言葉に両目を輝かせてしまい、話の収拾が着かなくなってしまった。そこで、お義父さんが、鶴の一声を提案した。おやつを食べながら、まずは親交を深めようと。それには賛成だ。さっそく立ち上がり、悠人と一緒にキッチンに向かった。
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