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すると、棚に置いてあるデジタルフォトフレームが視界に入った。この家で撮った写真が次々と表示されている。今日の記念写真もアルバムに入るのだろう。その中には、この家に来たばかりのユリウスの写真があった。まだ小さくて、今の半分のサイズの時だ。
「懐かしいなあ。ユーリっていう名前にするって、カズ兄さんが言っていたときの写真だよ」
「今さっき、早瀨専務が着いたよ。悠人君の前でデレデレしていたよ」
「やっぱりねえ。まだ好きなんだよ。そういう所が引っかかるんだって、藤沢が愚痴っていたんだ。あ、黒崎さん……」
部屋のドアがノックされた後、黒崎が入ってきた。俺達の姿がなかったからだ。ユリウスを寝かしつけていたんだと話すと、壁の写真を見て、一瞬だけ驚いた顔をした。まるで本人が立っているかのように見えたのかも知れない。
「うひゃひゃひゃ。これ、本人が見たら嫌がるかな?」
「宣伝用のものだろう。持って帰って良いのか。強引なことをしたんだろう」
「そうかも知れないね。俺達の写真も飾ってくれているよ。お客さん達、もう揃ったかな?」
「ああ、全員無事に到着した。庭に出るぞ……」
「はーーい」
部屋の電気を消した後、ぎょっとした。藤沢の写真には特殊加工がされていて、ぼんやりと光ったからだ。これは一貴さんがやったことだろう。一瞬、何かと思った。隣にはTDDの写真がある。コーンロウスタイルで髪をアップにした俺が写っている。さすがはスタイリストさん達だ。俺がかっこよく写るように考え出されている。こういう髪型や服装は、全て会議で決められる。事前にカメラテストもするから、何パターンも写真を撮っている。
「夏樹。今回の髪型はどうするんだ?2パターンで意見が分かれていたんだろう」
「そうなんだよ。今のままのヘアスタイルにしたいっていうことになったよ。悠人は髪をトゲトゲにするんだ」
「どれもかっこいいよ。君なら、もっと長いヘアスタイルでも良いんじゃないかな?」
二葉が俺の髪の毛に触れた。その意見もあるというと、是非とも伸ばしてくれと言われた。黒崎もそう言っている。2年半前は少し長かった時代があり、よく似合っていたそうだ。
「でもさーー、お風呂が大変だと思うんだ。久弥が、長いままだと便利なこともあるって教えてくれたけどさ。髪の毛を後ろでまとめたら涼しいぞって。ドライヤーに時間がかかりそうだよ」
「そうかなーー。今みたいに寝癖が付きにくいんじゃないかな。寝てたの?珍しく」
「そ、それは……」
二葉からのツッコミに、しどろもどろになった。俺は昼寝をすることが滅多になくて、常に何かをしているタイプだ。寝ているときは具合が悪いときだけと言ってもいい。二葉に何をしていたのか話すことはできなくて、うたた寝をしていたんだということにした。
「2人とも。ユリウスが起きるぞ……」
「あ、いけない。お兄ちゃん、待ってよーーー。閉めるなよーー」
「早く来い」
「黒崎さーーん。俺もまだ部屋の中だよ~」
黒崎からドアを閉められそうになり、さっさと部屋から出た。すると、廊下にはこの間の心霊スポット探索のメンバーがいて、ユーリーと一緒に家の中を探索していた。その中には会社の人も居た。その中の女性が俺に声を掛けてくれたから、咄嗟に頭を下げた。すると、彼女が俺の前に来て、キャーッと悲鳴を上げた。
「夏樹君だ~!」
「こんにちは!」
「こんにちは。かっこいいなあ。今月、コンサートがありますよね!私、3列目の真ん中の席です!」
「わあーー。手を振ります!」
ユーリーから彼女のことを紹介して貰った。今野さんという人だ。出版社ではミュージカルの本を出している部署にいるそうだ。さっそく握手をして、一緒に写真を撮った。黒崎も二葉も笑顔だ。
「これ、インスタにはアップしない方が良いんですよね?」
「そうだった……。写真はダメだったんだ。家の中だと、すっかり忘れるんです」
「そうなのかーー。消しますよ。……いいんですか?」
「残しておいてください。せっかくなので……」
「ありがとうございます!やったーー」
今野さんが笑った。ユーリーが写真を見て、ステージの写真と同じイメージだと言ってくれた。コンサートを数日後に控え、緊張感が伝わってくるそうだ。
「よかったーー。家の中だと、だるだるだからさ、俺……。ねえ、黒崎さん……」
「さあ、庭に出よう。腹が減った」
「そうだね~。あんたは大食いだから、お腹が空いただろ~」
ここから見える窓からは、外が見える。日が傾き始めていて、ライトがつき、昼間のように明るく照らし始めた。バーベキューセットも置かれている。たき火もある。この間、庭でバーベキューをやったら楽しくて、今日もセットを置くことにした。
「懐かしいなあ。ユーリっていう名前にするって、カズ兄さんが言っていたときの写真だよ」
「今さっき、早瀨専務が着いたよ。悠人君の前でデレデレしていたよ」
「やっぱりねえ。まだ好きなんだよ。そういう所が引っかかるんだって、藤沢が愚痴っていたんだ。あ、黒崎さん……」
部屋のドアがノックされた後、黒崎が入ってきた。俺達の姿がなかったからだ。ユリウスを寝かしつけていたんだと話すと、壁の写真を見て、一瞬だけ驚いた顔をした。まるで本人が立っているかのように見えたのかも知れない。
「うひゃひゃひゃ。これ、本人が見たら嫌がるかな?」
「宣伝用のものだろう。持って帰って良いのか。強引なことをしたんだろう」
「そうかも知れないね。俺達の写真も飾ってくれているよ。お客さん達、もう揃ったかな?」
「ああ、全員無事に到着した。庭に出るぞ……」
「はーーい」
部屋の電気を消した後、ぎょっとした。藤沢の写真には特殊加工がされていて、ぼんやりと光ったからだ。これは一貴さんがやったことだろう。一瞬、何かと思った。隣にはTDDの写真がある。コーンロウスタイルで髪をアップにした俺が写っている。さすがはスタイリストさん達だ。俺がかっこよく写るように考え出されている。こういう髪型や服装は、全て会議で決められる。事前にカメラテストもするから、何パターンも写真を撮っている。
「夏樹。今回の髪型はどうするんだ?2パターンで意見が分かれていたんだろう」
「そうなんだよ。今のままのヘアスタイルにしたいっていうことになったよ。悠人は髪をトゲトゲにするんだ」
「どれもかっこいいよ。君なら、もっと長いヘアスタイルでも良いんじゃないかな?」
二葉が俺の髪の毛に触れた。その意見もあるというと、是非とも伸ばしてくれと言われた。黒崎もそう言っている。2年半前は少し長かった時代があり、よく似合っていたそうだ。
「でもさーー、お風呂が大変だと思うんだ。久弥が、長いままだと便利なこともあるって教えてくれたけどさ。髪の毛を後ろでまとめたら涼しいぞって。ドライヤーに時間がかかりそうだよ」
「そうかなーー。今みたいに寝癖が付きにくいんじゃないかな。寝てたの?珍しく」
「そ、それは……」
二葉からのツッコミに、しどろもどろになった。俺は昼寝をすることが滅多になくて、常に何かをしているタイプだ。寝ているときは具合が悪いときだけと言ってもいい。二葉に何をしていたのか話すことはできなくて、うたた寝をしていたんだということにした。
「2人とも。ユリウスが起きるぞ……」
「あ、いけない。お兄ちゃん、待ってよーーー。閉めるなよーー」
「早く来い」
「黒崎さーーん。俺もまだ部屋の中だよ~」
黒崎からドアを閉められそうになり、さっさと部屋から出た。すると、廊下にはこの間の心霊スポット探索のメンバーがいて、ユーリーと一緒に家の中を探索していた。その中には会社の人も居た。その中の女性が俺に声を掛けてくれたから、咄嗟に頭を下げた。すると、彼女が俺の前に来て、キャーッと悲鳴を上げた。
「夏樹君だ~!」
「こんにちは!」
「こんにちは。かっこいいなあ。今月、コンサートがありますよね!私、3列目の真ん中の席です!」
「わあーー。手を振ります!」
ユーリーから彼女のことを紹介して貰った。今野さんという人だ。出版社ではミュージカルの本を出している部署にいるそうだ。さっそく握手をして、一緒に写真を撮った。黒崎も二葉も笑顔だ。
「これ、インスタにはアップしない方が良いんですよね?」
「そうだった……。写真はダメだったんだ。家の中だと、すっかり忘れるんです」
「そうなのかーー。消しますよ。……いいんですか?」
「残しておいてください。せっかくなので……」
「ありがとうございます!やったーー」
今野さんが笑った。ユーリーが写真を見て、ステージの写真と同じイメージだと言ってくれた。コンサートを数日後に控え、緊張感が伝わってくるそうだ。
「よかったーー。家の中だと、だるだるだからさ、俺……。ねえ、黒崎さん……」
「さあ、庭に出よう。腹が減った」
「そうだね~。あんたは大食いだから、お腹が空いただろ~」
ここから見える窓からは、外が見える。日が傾き始めていて、ライトがつき、昼間のように明るく照らし始めた。バーベキューセットも置かれている。たき火もある。この間、庭でバーベキューをやったら楽しくて、今日もセットを置くことにした。
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