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すると、聡太郎がスマホの画面を見せてきた。俺達の記事が載っている。俺が真ん中に立ち、悠人と久弥が左右に立っている。俺はカメラを一点に見据えたポーズであり、真顔をしている。悠人も同じだ。久弥はどちらかというと笑顔に見える。
「この写真、黒崎製菓で人気があったんだよ。ロビーにポスターが貼ってあってね。この写真が使われていたよ」
「え?いつ?俺、気がつかなかったよ」
「TDDが始まった頃だったから、3月だったはずだよ。まだ夏樹君が開発部に入る前だよ。君が入ることになって、ポスターは社長室に移動されたんだ。まだ1年も経っていないのに、君と悠人君の雰囲気が変わったよ。かっこよくなった」
「今まではそうじゃなかったってこと?」
「そういう意味じゃないよ。ツインボーカルも評判が良いみたいだね。夏樹君の力強い歌声と透き通るような高音、悠人君のハスキーな高音が奏でるハーモニーって書いてくれているよ」
「ふむふむ……」
悠人が記事をじっくりと読み始めた。その横顔は真剣そのものであり、気合いが入っている。悠人にはCMの楽曲提供の仕事も入ってきている。キシヤマ味噌のCMの曲が彼の作品であり、評判が良かったからだ。音楽の仕事漬けになり、すっかりミュージシャンといった風になっている。
それに引きかえ、俺には園芸シリーズの本の表紙とか、男性週刊誌など、どちらかというと、おじさんが読むような雑誌のグラビアの仕事の申し込みが入っている。それと、俺に香水を開発して発売しないかという仕事もあった。どれも事務所が丁重に断ったり、仕事を入れたりしてくれている。引き受けた仕事は園芸シリーズの本の表紙だ。大学生のうちに撮りたいという出版社の希望で、夏前に、大学がやっている畑で撮影が行われた。それには反響があり、本に増刷が掛かったという。本の通販サイトではランキングに入っていたほどだ。
「うっうっ。俺、おじさんとかおばあちゃんに人気があるみたいなんだよ。おじさんは俺達の曲を聴かないだろーーー。黒崎さんが会食で話題に出したんだ。そうじゃないかって。だけど、相手の会社の人が気を遣って聴いてくれていて、ヘドバンとか、上半身裸とか、革パンとかいう用語を出して話してくれたんだってさ……。なんだか恥ずかしくってさ……」
「なつきーー。君のソロ曲、売れただろーー。購買層は10代から70代まで幅広くっていうコラムがあっただろーー。大丈夫だよ!コンサートの時は、みんな立ちっぱなしになって、盛り上げてくれているんだから……」
「俺にも音楽の仕事が欲しいよーーー」
「もうーーー」
バシバシ!悠人から背中を叩かれた。すると、長谷部さんから声がかかった。もちろん、俺にも音楽の仕事が来ているという。羽音さんとの対談だ。グラビアもあり、2人での撮影になるという。
「マジで?早く言ってよ~。何も無いかと思っていたんだ。だって、お義父さんが、俺には家の中でコツコツやる仕事が合っているんだって言うんだもん。真逆じゃん。俺の仕事……」
「はいはい。明日、言おうかと思っていたのよ。絵本のコラム連載もあるでしょう。身体の負担を考えて、減らそうって話したところだったじゃないの」
「そうなんだけどね。もっと頑張って、歌のレッスンに励むよ」
ふうっと息を吐く俺に、聡太郎が笑いかけてきた。彼もスーツ姿だ。しかし、会社員という感じがしない。彼はミュージシャンだ。そう強く感じた。
「この写真、黒崎製菓で人気があったんだよ。ロビーにポスターが貼ってあってね。この写真が使われていたよ」
「え?いつ?俺、気がつかなかったよ」
「TDDが始まった頃だったから、3月だったはずだよ。まだ夏樹君が開発部に入る前だよ。君が入ることになって、ポスターは社長室に移動されたんだ。まだ1年も経っていないのに、君と悠人君の雰囲気が変わったよ。かっこよくなった」
「今まではそうじゃなかったってこと?」
「そういう意味じゃないよ。ツインボーカルも評判が良いみたいだね。夏樹君の力強い歌声と透き通るような高音、悠人君のハスキーな高音が奏でるハーモニーって書いてくれているよ」
「ふむふむ……」
悠人が記事をじっくりと読み始めた。その横顔は真剣そのものであり、気合いが入っている。悠人にはCMの楽曲提供の仕事も入ってきている。キシヤマ味噌のCMの曲が彼の作品であり、評判が良かったからだ。音楽の仕事漬けになり、すっかりミュージシャンといった風になっている。
それに引きかえ、俺には園芸シリーズの本の表紙とか、男性週刊誌など、どちらかというと、おじさんが読むような雑誌のグラビアの仕事の申し込みが入っている。それと、俺に香水を開発して発売しないかという仕事もあった。どれも事務所が丁重に断ったり、仕事を入れたりしてくれている。引き受けた仕事は園芸シリーズの本の表紙だ。大学生のうちに撮りたいという出版社の希望で、夏前に、大学がやっている畑で撮影が行われた。それには反響があり、本に増刷が掛かったという。本の通販サイトではランキングに入っていたほどだ。
「うっうっ。俺、おじさんとかおばあちゃんに人気があるみたいなんだよ。おじさんは俺達の曲を聴かないだろーーー。黒崎さんが会食で話題に出したんだ。そうじゃないかって。だけど、相手の会社の人が気を遣って聴いてくれていて、ヘドバンとか、上半身裸とか、革パンとかいう用語を出して話してくれたんだってさ……。なんだか恥ずかしくってさ……」
「なつきーー。君のソロ曲、売れただろーー。購買層は10代から70代まで幅広くっていうコラムがあっただろーー。大丈夫だよ!コンサートの時は、みんな立ちっぱなしになって、盛り上げてくれているんだから……」
「俺にも音楽の仕事が欲しいよーーー」
「もうーーー」
バシバシ!悠人から背中を叩かれた。すると、長谷部さんから声がかかった。もちろん、俺にも音楽の仕事が来ているという。羽音さんとの対談だ。グラビアもあり、2人での撮影になるという。
「マジで?早く言ってよ~。何も無いかと思っていたんだ。だって、お義父さんが、俺には家の中でコツコツやる仕事が合っているんだって言うんだもん。真逆じゃん。俺の仕事……」
「はいはい。明日、言おうかと思っていたのよ。絵本のコラム連載もあるでしょう。身体の負担を考えて、減らそうって話したところだったじゃないの」
「そうなんだけどね。もっと頑張って、歌のレッスンに励むよ」
ふうっと息を吐く俺に、聡太郎が笑いかけてきた。彼もスーツ姿だ。しかし、会社員という感じがしない。彼はミュージシャンだ。そう強く感じた。
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