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17時。
夕方までのリハーサルを終えて、アリーナ席の間を歩いて回っている。俺の後ろをカメラマンがいて、ずっと撮影している。動画で配信するためだ。俺はステージ衣装ではなく、黒崎が選んだ半袖のシャツ姿だ。ホールの中は暑いぐらいで、薄着がちょうど良い。もう11月末なのに、まだ秋にしか思えない。
さっき外に出て、寒いと感じた。その中を、開場を待つ人達の列が出来ている。みんな厚着をしていた。それは外を映しているカメラと、リハーサルスタジオの窓から下を覗いて見ることができた。だから、ホールの中を温かくしている。しかし、公演が始まった後はみんな立ち上がってジャンプをして暑くなるから、冷房が入ることだろう。室温が一気に上がるためだ。
今、テレビカメラも入っている。これは中継になっていて、音楽専門チャンネルで放映されている。10分間だ。俺はホールの中を案内して、カメラに向かって話しかけているところだ。
「ここがアリーナです。昨日は廊下と階段を駆け上がって、2階席近くまで行き、歌いました。その様子をモニター画面で映していて、どこから俺達が出てくるかというドキドキ感を演出させて頂きました。さっきはホールに貼っていたポスターを剥がず人達がいて、俺の方から注意させて頂きました。これは笑うところではありません。映されていたんですよ!それを狙ってみました。え?誰も剥がさなかったら残念だっただろうって?そうかなあ。うん。そうだよね。うっうっ」
どっと、カメラマンから笑いが起きた。ホールに俺が現われたのは、15時だ。そんな早くから観客が集まってくれていたから、俺が事務室から顔を出して手を振ると、歓声が起きた。そこで、ポスターを剥がしている人を見つけて、駆けつけたわけだ。その人は泣いていた。俺が怒っているからではなく、ファンだからだと言ってくれた。そして、もうポスターは剥がさないと約束してくれた。
「俺のグッズをいっぱい持ってくれていて、そんな状態でポスターを剥がしているから、周りの人から注意されていてですね……。そこに俺が登場したから、テレビ番組のドッキリかと思ったそうです。そのポスターは無事に今も貼られたままです。もし剥がす人を見つけたら、スタッフに声を掛けてください。もしかすると、悠人が駆けつけるかも知れません……」
またカメラマンから笑いが起きた。画面に映っていない場所では、スタッフが席の点検をしている。不審物がないかどうかの最終チェックだ。
ぐるっと周り、カメラマンも俺の後をついて歩き、ホールの全体を映している。俺はその間に汗を拭いた。グッズのハンドタオルだ。すぐに汗で濡れてしまうから、もう一枚をズボンのポケットに突っ込んでいる。すると、カメラが俺を映した。ハンドタオルの宣伝をする時間に入ったからだ。
「俺が使っているのは、久弥がデザインしたハンドタオルです。こっちのポケットに入っているのは、悠人のデザインのやつです。ホールの物販限定のやつと、公式ホームページから購入できる分と、全部で5種類あります。悠人のデザインは、好きな食べ物をイメージしたやつです。さあ、何でしょうか」
俺がクイズを出すと、カメラマンの隣にいるスタッフから、カボチャだという答えがされた。俺は正解ですと言い、そのタオルを広げた。ハロウィンは過ぎたが、ぜひ使ってくださいと宣伝した。
ここで番組は終了だ。オッケーですという声がかけられて、カメラが止まった。俺はもう一度額の汗を拭い、ステージを見上げた。セッティングは完了されていて、メンバーは控え室で待機し、身体を休めている。
悠人は控え室で座禅を組むようにして座り、じっと目を閉じる時間を迎えていることだろう。ほんのり香るお香が炊かれて、イメージトレーニングをしているはずだ。それは久弥も同じだ。俺の方はこうして話しながら動いている方が落ち着くから、番組の案内役をするとにしたわけだ。
「黒崎さーーん。控え室に戻ってくださいとのことです!」
「はい!」
ホールの中から放送が掛かり、俺に控え室に戻るように指示が出された。休憩タイムだ。ぞろぞろとみんなで控え室に戻り、ドキドキしながら開演を待った。
夕方までのリハーサルを終えて、アリーナ席の間を歩いて回っている。俺の後ろをカメラマンがいて、ずっと撮影している。動画で配信するためだ。俺はステージ衣装ではなく、黒崎が選んだ半袖のシャツ姿だ。ホールの中は暑いぐらいで、薄着がちょうど良い。もう11月末なのに、まだ秋にしか思えない。
さっき外に出て、寒いと感じた。その中を、開場を待つ人達の列が出来ている。みんな厚着をしていた。それは外を映しているカメラと、リハーサルスタジオの窓から下を覗いて見ることができた。だから、ホールの中を温かくしている。しかし、公演が始まった後はみんな立ち上がってジャンプをして暑くなるから、冷房が入ることだろう。室温が一気に上がるためだ。
今、テレビカメラも入っている。これは中継になっていて、音楽専門チャンネルで放映されている。10分間だ。俺はホールの中を案内して、カメラに向かって話しかけているところだ。
「ここがアリーナです。昨日は廊下と階段を駆け上がって、2階席近くまで行き、歌いました。その様子をモニター画面で映していて、どこから俺達が出てくるかというドキドキ感を演出させて頂きました。さっきはホールに貼っていたポスターを剥がず人達がいて、俺の方から注意させて頂きました。これは笑うところではありません。映されていたんですよ!それを狙ってみました。え?誰も剥がさなかったら残念だっただろうって?そうかなあ。うん。そうだよね。うっうっ」
どっと、カメラマンから笑いが起きた。ホールに俺が現われたのは、15時だ。そんな早くから観客が集まってくれていたから、俺が事務室から顔を出して手を振ると、歓声が起きた。そこで、ポスターを剥がしている人を見つけて、駆けつけたわけだ。その人は泣いていた。俺が怒っているからではなく、ファンだからだと言ってくれた。そして、もうポスターは剥がさないと約束してくれた。
「俺のグッズをいっぱい持ってくれていて、そんな状態でポスターを剥がしているから、周りの人から注意されていてですね……。そこに俺が登場したから、テレビ番組のドッキリかと思ったそうです。そのポスターは無事に今も貼られたままです。もし剥がす人を見つけたら、スタッフに声を掛けてください。もしかすると、悠人が駆けつけるかも知れません……」
またカメラマンから笑いが起きた。画面に映っていない場所では、スタッフが席の点検をしている。不審物がないかどうかの最終チェックだ。
ぐるっと周り、カメラマンも俺の後をついて歩き、ホールの全体を映している。俺はその間に汗を拭いた。グッズのハンドタオルだ。すぐに汗で濡れてしまうから、もう一枚をズボンのポケットに突っ込んでいる。すると、カメラが俺を映した。ハンドタオルの宣伝をする時間に入ったからだ。
「俺が使っているのは、久弥がデザインしたハンドタオルです。こっちのポケットに入っているのは、悠人のデザインのやつです。ホールの物販限定のやつと、公式ホームページから購入できる分と、全部で5種類あります。悠人のデザインは、好きな食べ物をイメージしたやつです。さあ、何でしょうか」
俺がクイズを出すと、カメラマンの隣にいるスタッフから、カボチャだという答えがされた。俺は正解ですと言い、そのタオルを広げた。ハロウィンは過ぎたが、ぜひ使ってくださいと宣伝した。
ここで番組は終了だ。オッケーですという声がかけられて、カメラが止まった。俺はもう一度額の汗を拭い、ステージを見上げた。セッティングは完了されていて、メンバーは控え室で待機し、身体を休めている。
悠人は控え室で座禅を組むようにして座り、じっと目を閉じる時間を迎えていることだろう。ほんのり香るお香が炊かれて、イメージトレーニングをしているはずだ。それは久弥も同じだ。俺の方はこうして話しながら動いている方が落ち着くから、番組の案内役をするとにしたわけだ。
「黒崎さーーん。控え室に戻ってくださいとのことです!」
「はい!」
ホールの中から放送が掛かり、俺に控え室に戻るように指示が出された。休憩タイムだ。ぞろぞろとみんなで控え室に戻り、ドキドキしながら開演を待った。
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