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朝陽には父が脅されたことは報告済みだ。今日来ると言っていたが、今朝は早朝から一貴に付き添って撮影に同行しているから疲れているはずで、無理をさせるわけにはいかず、お前は家に帰っていろと言ってしまった。朝陽には経過を話すつもりだ。二葉には話したくない。やっぱり俺には妹の方を可愛がるという面がありそうだ。男である朝陽には厳しすぎるのではないかと、ユーリーや一貴から言われている。
「着きましたよ……。警察には私の方から先に話してありますので……」
「ありがとう。こんにちは。黒崎ですが……」
交番に到着した。父が沙耶から促されて、交番の中に入っていった。俺達も入っていった。二葉が父の横に立っている。話を聞きたいし、心配しているのだろう。すると、夏樹が外で待とうかと言った。交番はそんなに広くなく、大勢が詰めかけない方が良いかと思ったようだ。
「黒崎さん、ユーリー。そうしようよ。ん?お義父さん、一緒に居てっていうの?」
「ああ、3人とも、居てくれ」
「オッケー。じゃあ、俺達も中に居るよ……」
俺達が交番に訪ねていくのは沙耶から話をしてあり、スムーズに事が運んだ。父が警察官に事情を説明し、倉口のことが心配だから、向こうの警察に様子を見に行ってもらえないだろうかと言い出して、どうしてそういうことを言うのかと、苛立ちが起きた。被害者はこちらだと、俺は思っている。いや、人の命が掛かっている。父の言うことは正しいのか。
「黒崎さーん。顔がゆがんでいるよーー」
「いつものことだ」
「そんなことはないよ。嫌なんだろ~。あ、黒崎さん、呼ばれたよ」
「ああ……、そうか。俺も脅されたようなものか……」
父が警察官に説明した後、俺に話を聞きたいという流れになった。そこで、倉口から言われた言葉を警察官に伝えた。殺すならさっさとやれと言われたのだと。そして、今からそっちに行く。どうせ俺は終わりだ、刑務所に入っても構わない、そういうことをしてもいい。そういうことを電話で言われたことも伝えた。
「僕はショックを受けていません。倉口さんは酔っていたようで、その勢いで乱暴なことを言ったのだと思いました……」
「……」
警察官による聞き取りが始まり、二葉には聞かせたくないような、聞かせてやりたいような、相反する気持ちが芽生えた。あんな奴、もう、お父さんだと呼ぶなと言ってやりたい。そして、二葉が、自分が娘として育った人物なのだと打ち明けた。さらに、自分は倉口からは金銭の援助を申し出られたことと、脅されていないのだと説明し始めた。しかし、死にたいと言われたと言い出した。
「おい、二葉。それを俺に言っていなかっただろう」
「お兄ちゃん……、ごめん。俺、気が動転していて……」
「ああ、そうだったな。悪かった……」
夏樹が俺の背中に触れた。俺は素直に二葉に謝った。本当の父親と育ての父親が対立し、もめ事に発展している状況は、彼女にとっては心が痛くなる出来事のはずだ。それなのに、俺は、強い口調で二葉に話しかけてしまった。
そして、二葉が自分のことを”俺”だと言っているし、服装が男性物だから、一見して女性に見えずらかったようで、警察官が困惑した。息子ではないのかという反応だ。そして、二葉が説明する前に気づいてもらえて、彼女が自分は女性として生まれたが、男性だと思って生活していると伝えた。さらに、倉口は娘の時の自分の姿しか知らないことも伝え始めた。
(そうか。二葉は男に見えるのか……。敷島由香さんとはどうなっただろうか……)
ふと、二葉の仲の良い黒崎製菓グループの社員のことが思い浮かんだ。二葉に告白してきた人だ。俺は感じの良い女性だと思っている。二葉の2歳年上だが、話が合うという。良い方向に進めば良い。そう思っているうちに事情の説明が終わり、俺達は交番を出ることになった。
「着きましたよ……。警察には私の方から先に話してありますので……」
「ありがとう。こんにちは。黒崎ですが……」
交番に到着した。父が沙耶から促されて、交番の中に入っていった。俺達も入っていった。二葉が父の横に立っている。話を聞きたいし、心配しているのだろう。すると、夏樹が外で待とうかと言った。交番はそんなに広くなく、大勢が詰めかけない方が良いかと思ったようだ。
「黒崎さん、ユーリー。そうしようよ。ん?お義父さん、一緒に居てっていうの?」
「ああ、3人とも、居てくれ」
「オッケー。じゃあ、俺達も中に居るよ……」
俺達が交番に訪ねていくのは沙耶から話をしてあり、スムーズに事が運んだ。父が警察官に事情を説明し、倉口のことが心配だから、向こうの警察に様子を見に行ってもらえないだろうかと言い出して、どうしてそういうことを言うのかと、苛立ちが起きた。被害者はこちらだと、俺は思っている。いや、人の命が掛かっている。父の言うことは正しいのか。
「黒崎さーん。顔がゆがんでいるよーー」
「いつものことだ」
「そんなことはないよ。嫌なんだろ~。あ、黒崎さん、呼ばれたよ」
「ああ……、そうか。俺も脅されたようなものか……」
父が警察官に説明した後、俺に話を聞きたいという流れになった。そこで、倉口から言われた言葉を警察官に伝えた。殺すならさっさとやれと言われたのだと。そして、今からそっちに行く。どうせ俺は終わりだ、刑務所に入っても構わない、そういうことをしてもいい。そういうことを電話で言われたことも伝えた。
「僕はショックを受けていません。倉口さんは酔っていたようで、その勢いで乱暴なことを言ったのだと思いました……」
「……」
警察官による聞き取りが始まり、二葉には聞かせたくないような、聞かせてやりたいような、相反する気持ちが芽生えた。あんな奴、もう、お父さんだと呼ぶなと言ってやりたい。そして、二葉が、自分が娘として育った人物なのだと打ち明けた。さらに、自分は倉口からは金銭の援助を申し出られたことと、脅されていないのだと説明し始めた。しかし、死にたいと言われたと言い出した。
「おい、二葉。それを俺に言っていなかっただろう」
「お兄ちゃん……、ごめん。俺、気が動転していて……」
「ああ、そうだったな。悪かった……」
夏樹が俺の背中に触れた。俺は素直に二葉に謝った。本当の父親と育ての父親が対立し、もめ事に発展している状況は、彼女にとっては心が痛くなる出来事のはずだ。それなのに、俺は、強い口調で二葉に話しかけてしまった。
そして、二葉が自分のことを”俺”だと言っているし、服装が男性物だから、一見して女性に見えずらかったようで、警察官が困惑した。息子ではないのかという反応だ。そして、二葉が説明する前に気づいてもらえて、彼女が自分は女性として生まれたが、男性だと思って生活していると伝えた。さらに、倉口は娘の時の自分の姿しか知らないことも伝え始めた。
(そうか。二葉は男に見えるのか……。敷島由香さんとはどうなっただろうか……)
ふと、二葉の仲の良い黒崎製菓グループの社員のことが思い浮かんだ。二葉に告白してきた人だ。俺は感じの良い女性だと思っている。二葉の2歳年上だが、話が合うという。良い方向に進めば良い。そう思っているうちに事情の説明が終わり、俺達は交番を出ることになった。
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