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しかし、本当にお寺に住めるようになるのかと言えば、そうではないと、お義父さんが言っていた。お寺から断られるに決まっていると言っていた。お義父さんからお寺の住職に電話を掛けて、二葉を連れて訪ねていく日程を決めたときに、家に帰らせることになると言われたそうだ。そして、修行は厳しく、戒律もあり、修行を始めたからといって友達への恋愛感情が消えるわけではなく、一生続いていくものだとも言われたそうだ。だから、二葉にはごく普通の生活を送る方が良いということだった。
ましてや、つい最近になって親子だと名乗って父親と一緒に住み始めた状況を考えると、まずは黒崎家に根付いて、しっかりと家のことが理解できてからでないと、お寺では引き受けられないとも言われたそうだ。だから、今月お寺に訪ねて行ったときには、だめだと説得されるために行くようなものだ。
俺としては、二葉はお寺に訪ねていっても良いと思っている。説得されてもだ。その方がすっきりするだろうと思うからだ。彼女の居場所は、この家だ。それでいいと思う。黒崎もそう言っていた。お義父さんが色んな場所に連れて行き、パーティーに一緒に出て知り合いを増やし、ずっと黒崎家に居させるのだとも言っていた。
(純白叔母さんがいてくれたらいいのにって、言っていたなあ。二葉も家庭菜園をして暮らすようになるかな?志乃ちゃんも、私は一生独身でいるって言っているから、一緒に住み始めたりして……)
すると、ユーリーがくしゃみをした。寒くなったのだろう。しかし、俺が何か着ておいでよと言っても、そうしようとしない。ヒマワリを見て花びらをつまみ、遊んでいる。
「ユーリー。風邪を引くよ~」
「まだ平気だ。最近は本物にそっくりな造花があるんだなあ。これは本物だけど、最初に見たときはそうかと思ったんだ」
「晴海お兄ちゃんが持ってきてくれたね。俺も驚いたよ。あ、ユーリー。そんなに引っ張ったら、花びらが取れるよ~」
「ああ、懐かしい。子供の頃、こうやって注意されていた」
「あんたはずっとそうなんだろ~。あんたが好きな花が咲かなくなるよ」
「それはつまらない。やめておくよ」
そう言って、ユーリーは花びらをいじるのをやめた。本当に40歳なのだろうか。この家には一貴さんという46歳の子供みたいな人が居るから慣れているとはいえ、彼はぶっ飛んでいる。至る所に彼の痕跡が残されているからだ。それは防犯カメラの映像のことだ。人を感知すれば動画が残されて、何をしていたのか分かるようになっている。それは家のパソコンや、お義父さんのスマホに転送されている。
昨日は花壇のところで絵を描いていた彼だが、何を思ったのか、木に登り始めて、太い枝にぶら下がったり、寝転がって落ちそうになったりしているのが映っていた。それがお昼休憩の時間だ。そして、夕方になり、ユーリーは仕事が終わるとまた外に出てきて、同じ木にぶら下がっていた。その時は何も考えていなさそうで、ぶらぶらと風に揺られているように映っていた。
「ねえ、ユーリー。昨日は木にぶら下がって、何を思っていたんだよ?」
「詩を考えていたんだ。一貴さんのようにね。僕も創作意欲がわいた」
「やめなよ~。変なことを考えていたんだろ~」
「いや、まともな詩だ。風に揺られる自分と枯れ葉のことを考えて、悲しくなる詩だった」
「なにそれ?」
「だんだんと老いてきて、杖を付くようになったら走れなくなるだろう。悲しいなあっていう詩だよ。でも、この家には杖がいらなくなった人が住んでいるから、魔法が掛けられそうだ。隆さんはまだまだ生きると思うよ。多分だけどね。いた!」
「変なことを言うなよ~」
いつもは黒崎にやられている俺だが、ユーリーの頬をつねってやった。冗談にならない。今朝のお義父さんは咳き込み、息が止まりそうになっていたからだ。それを口にすると、一貴さんが、お義父さんが死にそうになったのかと喜ぶような顔をして、俺達から怒られた。そして、リビングに移動して、温かいお茶を飲んで休憩を始めた。
ましてや、つい最近になって親子だと名乗って父親と一緒に住み始めた状況を考えると、まずは黒崎家に根付いて、しっかりと家のことが理解できてからでないと、お寺では引き受けられないとも言われたそうだ。だから、今月お寺に訪ねて行ったときには、だめだと説得されるために行くようなものだ。
俺としては、二葉はお寺に訪ねていっても良いと思っている。説得されてもだ。その方がすっきりするだろうと思うからだ。彼女の居場所は、この家だ。それでいいと思う。黒崎もそう言っていた。お義父さんが色んな場所に連れて行き、パーティーに一緒に出て知り合いを増やし、ずっと黒崎家に居させるのだとも言っていた。
(純白叔母さんがいてくれたらいいのにって、言っていたなあ。二葉も家庭菜園をして暮らすようになるかな?志乃ちゃんも、私は一生独身でいるって言っているから、一緒に住み始めたりして……)
すると、ユーリーがくしゃみをした。寒くなったのだろう。しかし、俺が何か着ておいでよと言っても、そうしようとしない。ヒマワリを見て花びらをつまみ、遊んでいる。
「ユーリー。風邪を引くよ~」
「まだ平気だ。最近は本物にそっくりな造花があるんだなあ。これは本物だけど、最初に見たときはそうかと思ったんだ」
「晴海お兄ちゃんが持ってきてくれたね。俺も驚いたよ。あ、ユーリー。そんなに引っ張ったら、花びらが取れるよ~」
「ああ、懐かしい。子供の頃、こうやって注意されていた」
「あんたはずっとそうなんだろ~。あんたが好きな花が咲かなくなるよ」
「それはつまらない。やめておくよ」
そう言って、ユーリーは花びらをいじるのをやめた。本当に40歳なのだろうか。この家には一貴さんという46歳の子供みたいな人が居るから慣れているとはいえ、彼はぶっ飛んでいる。至る所に彼の痕跡が残されているからだ。それは防犯カメラの映像のことだ。人を感知すれば動画が残されて、何をしていたのか分かるようになっている。それは家のパソコンや、お義父さんのスマホに転送されている。
昨日は花壇のところで絵を描いていた彼だが、何を思ったのか、木に登り始めて、太い枝にぶら下がったり、寝転がって落ちそうになったりしているのが映っていた。それがお昼休憩の時間だ。そして、夕方になり、ユーリーは仕事が終わるとまた外に出てきて、同じ木にぶら下がっていた。その時は何も考えていなさそうで、ぶらぶらと風に揺られているように映っていた。
「ねえ、ユーリー。昨日は木にぶら下がって、何を思っていたんだよ?」
「詩を考えていたんだ。一貴さんのようにね。僕も創作意欲がわいた」
「やめなよ~。変なことを考えていたんだろ~」
「いや、まともな詩だ。風に揺られる自分と枯れ葉のことを考えて、悲しくなる詩だった」
「なにそれ?」
「だんだんと老いてきて、杖を付くようになったら走れなくなるだろう。悲しいなあっていう詩だよ。でも、この家には杖がいらなくなった人が住んでいるから、魔法が掛けられそうだ。隆さんはまだまだ生きると思うよ。多分だけどね。いた!」
「変なことを言うなよ~」
いつもは黒崎にやられている俺だが、ユーリーの頬をつねってやった。冗談にならない。今朝のお義父さんは咳き込み、息が止まりそうになっていたからだ。それを口にすると、一貴さんが、お義父さんが死にそうになったのかと喜ぶような顔をして、俺達から怒られた。そして、リビングに移動して、温かいお茶を飲んで休憩を始めた。
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