青い月の天使~あの日の約束の旋律

夏目奈緖

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 月島さんの不思議な力はこの頃から現われたそうだ。その話を妹さんにすると、彼女も不思議なことがあったんだと打ち明けられたそうだ。リコーダーのお金については、去年まで使っていた連絡帳に、なせか2500円ちょうどが挟まれており、自分がお金を貯めていたことをすっかり忘れていたことと、ボロい筆はすぐに買うことが出来たのに、誰かに止められた気がして、買わなかったのだという。そして、入院のことも結果オーライだと言ったそうだ。

 その後、月島さんはキシヤマ味噌に就職し、母方の祖父の名字を使っている彼のことを心配になった課長さんから話を聞かれて、それまでのことを打ち明けたそうだ。

 そして妹さんは二葉がかつて採用試験を受けたように、高校卒業後に市役所の採用試験を受けて合格し、就職したそうだ。月島さんが言うには、高校在学中には進路を考えているようで考えていない子で、心配していたそうだ。その理由を妹さんから聞いたそうだ。彼女としては、高校を卒業した後、親や月島さんだけが知っている状況の中で試験を受けたかったからだそうだ。地元の大学に不合格になり、父親からは市役所に就職しろと幼少期から命令されており、お腹が痛かったこともあったが、その通りになり、退職する38歳まで勤務した。今はユーチューブで生計を立てているそうだ。

 なぜ退職したかというと、心の病気にかかったからだ。年金を受給しながら何か自分に出来ることはないかと考えて、思いついたのが動画配信だったそうだ。それもあり、月島さんは南波さんの放送に興味が沸いたそうだ。それに、妹さんがヘヴィメタル音楽が好きで、小学4年生の時からハマっていたというきっかけもあり、久弥のファンになり、悠人がキシヤマ味噌のCMに出ることになった。

 月島さんも妹さんも、今は幸せな方かも知れないと月島さんが言っているのだと、お義父さんが話してくれた。

 しかし、数年前に、妹さんのことでは、親も月島さんも、とても心配になることが起きてしまったのだという。32歳から37歳まで結婚生活をしていた彼女だったが、夫になった人が彼女の稼ぎをあてにする人で、彼女が鬱病になって休職した後に傷病手当金を受給することになったが、社会保険料や年金保険料は減額されず、お給料が出ていたときの同じ額で、例えば15万円の手当金に対して、社会保険料と年金保険料が45000円で、さらに賃貸のマンションの家賃や、身体を起こすことが出来ず、夫に外食して貰うための食費を捻出するには、銀行や消費者金融からお金を借りるしかないと思い、復帰できる見込みで、復帰したら完済しようという気持ちで借りたところ、病状は悪化し、休職が長引き、夫が相変わらずDV気味であり、相談窓口の弁護士さんから離婚を勧められた。

 その後、妹さんは借金を返済し、夫と離婚した。その時、夫は一人では生活できないと妹さんに泣きついてきたそうだが、きっぱりと別れたそうだ。そして、それぞれが別の場所へ引っ越すとなった日に、手伝いに来たお母さんが、娘の夫に誕生日祝いだと言って1万円を渡したそうだ。それで夫は納得して、退去して、その後、連絡をしてくることは無かったという。

 月島さんが言うには、そこはお母さんの強い面だと思って、尊敬したという。しかし、それも長くは続かず、市役所を退職したことを不名誉だと言って娘を責め立てた義理のお父さんとお母さんには苛つくことがあるという。特にお母さんは、娘が子供を産んでいないことで、ニュースで出生率が下がっていることを聞く度に、彼女に文句を言うのだという。しかし、妹さんにも自分にも不思議なことが起きるから、人生の修行ということではないかと思っていると、今日、お義父さんに話してくれたそうだ。

 そこで、俺はあることが気になった。妹さんは親と同居なのかと。親と離れて暮らした方が良いのではないかと思った。すると、今は一人暮らしなのだと聞き、ホッとしながらも、病気を抱えて大丈夫だろうかと心配になった。

 月島さんが言うには、妹さんは面白いところがある人だそうで、お母さんが亡くなった後は、自分が永代供養料を払った霊園にある永山家の墓には入れないのだと言っているそうだ。お母さんが先に亡くなったら、お父さんがお母さんのことを墓に入れるだろうが、もしお父さんが先に亡くなったら、残されたお母さんのことでは、手段を考えているのだという。いつくかプランがあり、親のお骨を引き取りたくない人向けの方法を見つけているのだという。俺はその話を聞き、学びになった。
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