373 / 938
12-25
しおりを挟む
それにはローザーさんが謝った。しかし、彼にも言いたいことがあった。聖河さんの方だって勤務中で忙しいだろうから、そんなにすぐには返事をしなくても良いだろうと思ってのことだ。
ローザーさんからすれば、デートは1週間後であり、それまでの間は、何か面白いことがあったら知らせておくという感覚の付き合いが良かったそうだ。今までそうだったのだという。どちらかというと、今までのローザーさんは相手を束縛するタイプだったから、それできっかけで別れてしまうことがあり、それではいけないと学んだそうだ。
しかし、聖河さんはいつでも繋がっていたいという考え方をしているから、今のローザーさんからすると、束縛男なのだという。連絡が密であり、彼がどこの誰と食事に行くのかということも知らせて欲しいと言われてしまい、忙しい中、そんなことは難しいとローザーさんが言った。そこで、聖河さんとの考え方の違いが出てしまったそうだ。
しかし、付き合ううちにお互いのことが理解できてきて、ちょうどいい距離感になるのではないかと思ったローザーさんは、1週間の予定の中で、食事をするスタッフのことを話しておくことにした。すると、聖河さんから頻繁にラインが届き、朝はモーニングコールが入ったそうだ。ローザーさんはとっくに起きていたから良かったが、そこまでしてくれなくて良いわよと言ってしまったそうだ。
それを聞き、俺はローザーさんの方が聖河さんにベタ惚れだったばすだと耳を疑った。だから、俺からすると、モーニングコールは嬉しい行為だ。しかし、ローザーさんは聖河さんのことを束縛男だと断定したから、ほどよい距離感を保って恋人同士の形を作っていきたくて、つれない態度を出した。そこで、聖河さんは機嫌を損ねてしまった。もちろん、モーニングコールの朝に軽く言い合いをしてしまうという結果になった。
しかし、価値観のすりあわせをしたいと思っているのは2人も同じで、夜のデートをして、ローザーさんが聖河さんの家に行こうとしたが、やめておいたそうだ。ディナーの間も束縛男であり、これはいけない、逃げないといけないと思ったそうだ。そういうちぐはぐな状態が続いたところへ、町野先生の登場というわけだ。
町野先生の何が良かったかというと、ローザーさんと好きな映画のジャンルが同じで、今行きたいと思っている場所が共通していたのだという。話も合ったそうだ。ローザーさんはキャンプもインドアも好きだ。町野先生も同じなのだという。そして、両方が寒さに強くて薄着であり、町野先生は裸足で診察室にいる。暑いのだそうだ。そして、それはローザーさんも同じであり、家の中の暖房の設定温度が同じだという共通点まで分かったそうだ。さらに、町野先生の笑顔が可愛くて、ローザーさんはキュンとしてしまった。優しくて穏やかな話し方が、厳しそうな顔とのギャップがあり、ときめいたのだという。
そこまで聞いて、これは聖河さんの失恋ということかと思って、心が痛くなった。聖河さんは僕がついていないといけないというタイプが好みであり、頻繁に連絡を取りたい人だと分かった。その一方で、ローザーさんはどうやら反対のタイプのようだ。
お互いに忙しくて会う時間がないなら同居すれば良いというのが2人の共通の意見になったが、まだそこまで深い関係ではなく、喧嘩までしてしまったし、聖河さんとしてはローザーさんのことを束縛するのは悪いと思い始めている。だから、同居はできない。そんなことを考えていた矢先にフラれるという事態になり、聖河さんには、別の誰かが必要だと思った。
それは黒崎も考えている。誰か良い人はいないかとつぶやいていた。俺も同じだ。どうしたらいいのだろうか。すると、聖河さんがスマホを取り出した。ローザーさんからの連絡が入ったのだという。さっき、これから家に帰るのだと連絡をしておいたそうだ。まだ付き合っている感じがあるそうだ。
「今日のことで心配をかけているんだ。今日はテレビ番組の出演者のヘアメイクで、明日の朝までスタジオにいるそうだ。あれ?彼だ……」
「本当だ。ローザーさんだ……」
見間違えではない。たしかにローザーさんが、あるマンションの前に立っていた。そばにはミカさんがいる。テレビ番組の仕事はどうしたのだろうか。待機時間に来てくれたのだろうか。
その答えは、黒崎が彼らのそばに車を停めた瞬間に分かった。聖河さんがもうすぐで帰ってくるということで、心配と恋愛感情が爆発してはいけないから、ミカさんをお伴にして、聖河さんの様子を見に、マンションに来たのだと言っていた。
ローザーさんからすれば、デートは1週間後であり、それまでの間は、何か面白いことがあったら知らせておくという感覚の付き合いが良かったそうだ。今までそうだったのだという。どちらかというと、今までのローザーさんは相手を束縛するタイプだったから、それできっかけで別れてしまうことがあり、それではいけないと学んだそうだ。
しかし、聖河さんはいつでも繋がっていたいという考え方をしているから、今のローザーさんからすると、束縛男なのだという。連絡が密であり、彼がどこの誰と食事に行くのかということも知らせて欲しいと言われてしまい、忙しい中、そんなことは難しいとローザーさんが言った。そこで、聖河さんとの考え方の違いが出てしまったそうだ。
しかし、付き合ううちにお互いのことが理解できてきて、ちょうどいい距離感になるのではないかと思ったローザーさんは、1週間の予定の中で、食事をするスタッフのことを話しておくことにした。すると、聖河さんから頻繁にラインが届き、朝はモーニングコールが入ったそうだ。ローザーさんはとっくに起きていたから良かったが、そこまでしてくれなくて良いわよと言ってしまったそうだ。
それを聞き、俺はローザーさんの方が聖河さんにベタ惚れだったばすだと耳を疑った。だから、俺からすると、モーニングコールは嬉しい行為だ。しかし、ローザーさんは聖河さんのことを束縛男だと断定したから、ほどよい距離感を保って恋人同士の形を作っていきたくて、つれない態度を出した。そこで、聖河さんは機嫌を損ねてしまった。もちろん、モーニングコールの朝に軽く言い合いをしてしまうという結果になった。
しかし、価値観のすりあわせをしたいと思っているのは2人も同じで、夜のデートをして、ローザーさんが聖河さんの家に行こうとしたが、やめておいたそうだ。ディナーの間も束縛男であり、これはいけない、逃げないといけないと思ったそうだ。そういうちぐはぐな状態が続いたところへ、町野先生の登場というわけだ。
町野先生の何が良かったかというと、ローザーさんと好きな映画のジャンルが同じで、今行きたいと思っている場所が共通していたのだという。話も合ったそうだ。ローザーさんはキャンプもインドアも好きだ。町野先生も同じなのだという。そして、両方が寒さに強くて薄着であり、町野先生は裸足で診察室にいる。暑いのだそうだ。そして、それはローザーさんも同じであり、家の中の暖房の設定温度が同じだという共通点まで分かったそうだ。さらに、町野先生の笑顔が可愛くて、ローザーさんはキュンとしてしまった。優しくて穏やかな話し方が、厳しそうな顔とのギャップがあり、ときめいたのだという。
そこまで聞いて、これは聖河さんの失恋ということかと思って、心が痛くなった。聖河さんは僕がついていないといけないというタイプが好みであり、頻繁に連絡を取りたい人だと分かった。その一方で、ローザーさんはどうやら反対のタイプのようだ。
お互いに忙しくて会う時間がないなら同居すれば良いというのが2人の共通の意見になったが、まだそこまで深い関係ではなく、喧嘩までしてしまったし、聖河さんとしてはローザーさんのことを束縛するのは悪いと思い始めている。だから、同居はできない。そんなことを考えていた矢先にフラれるという事態になり、聖河さんには、別の誰かが必要だと思った。
それは黒崎も考えている。誰か良い人はいないかとつぶやいていた。俺も同じだ。どうしたらいいのだろうか。すると、聖河さんがスマホを取り出した。ローザーさんからの連絡が入ったのだという。さっき、これから家に帰るのだと連絡をしておいたそうだ。まだ付き合っている感じがあるそうだ。
「今日のことで心配をかけているんだ。今日はテレビ番組の出演者のヘアメイクで、明日の朝までスタジオにいるそうだ。あれ?彼だ……」
「本当だ。ローザーさんだ……」
見間違えではない。たしかにローザーさんが、あるマンションの前に立っていた。そばにはミカさんがいる。テレビ番組の仕事はどうしたのだろうか。待機時間に来てくれたのだろうか。
その答えは、黒崎が彼らのそばに車を停めた瞬間に分かった。聖河さんがもうすぐで帰ってくるということで、心配と恋愛感情が爆発してはいけないから、ミカさんをお伴にして、聖河さんの様子を見に、マンションに来たのだと言っていた。
0
あなたにおすすめの小説
従僕に溺愛されて逃げられない
大の字だい
BL
〈従僕攻め×強気受け〉のラブコメ主従BL!
俺様気質で傲慢、まるで王様のような大学生・煌。
その傍らには、当然のようにリンがいる。
荷物を持ち、帰り道を誘導し、誰より自然に世話を焼く姿は、周囲から「犬みたい」と呼ばれるほど。
高校卒業間近に受けた突然の告白を、煌は「犬として立派になれば考える」とはぐらかした。
けれど大学に進学しても、リンは変わらず隣にいる。
当たり前の存在だったはずなのに、最近どうも心臓がおかしい。
居なくなると落ち着かない自分が、どうしても許せない。
さらに現れた上級生の熱烈なアプローチに、リンの嫉妬は抑えきれず――。
主従なのか、恋人なのか。
境界を越えたその先で、煌は思い知らされる。
従僕の溺愛からは、絶対に逃げられない。
【BL】捨てられたSubが甘やかされる話
橘スミレ
BL
渚は最低最悪なパートナーに追い出され行く宛もなく彷徨っていた。
もうダメだと倒れ込んだ時、オーナーと呼ばれる男に拾われた。
オーナーさんは理玖さんという名前で、優しくて暖かいDomだ。
ただ執着心がすごく強い。渚の全てを知って管理したがる。
特に食へのこだわりが強く、渚が食べるもの全てを知ろうとする。
でもその執着が捨てられた渚にとっては心地よく、気味が悪いほどの執着が欲しくなってしまう。
理玖さんの執着は日に日に重みを増していくが、渚はどこまでも幸福として受け入れてゆく。
そんな風な激重DomによってドロドロにされちゃうSubのお話です!
アルファポリス限定で連載中
黒獅子の愛でる花
なこ
BL
レノアール伯爵家次男のサフィアは、伯爵家の中でもとりわけ浮いた存在だ。
中性的で神秘的なその美しさには、誰しもが息を呑んだ。
深い碧眼はどこか憂いを帯びており、見る者を惑わすと言う。
サフィアは密かに、幼馴染の侯爵家三男リヒトと将来を誓い合っていた。
しかし、その誓いを信じて疑うこともなかったサフィアとは裏腹に、リヒトは公爵家へ婿入りしてしまう。
毎日のように愛を囁き続けてきたリヒトの裏切り行為に、サフィアは困惑する。
そんなある日、複雑な想いを抱えて過ごすサフィアの元に、幼い王太子の世話係を打診する知らせが届く。
王太子は、黒獅子と呼ばれ、前国王を王座から引きずり降ろした現王と、その幼馴染である王妃との一人息子だ。
王妃は現在、病で療養中だという。
幼い王太子と、黒獅子の王、王妃の住まう王城で、サフィアはこれまで知ることのなかった様々な感情と直面する。
サフィアと黒獅子の王ライは、二人を取り巻く愛憎の渦に巻き込まれながらも、密かにゆっくりと心を通わせていくが…
妖精です、囲われてます
うあゆ
BL
僕は妖精
森で気ままに暮らしていました。
ふと気づいたら人間に囲まれてました。
でもこの人間のそばはとても心地いいし、森に帰るタイミング見つからないなぁ、なんて思いながらダラダラ暮らしてます。
__________
妖精の前だけはドロ甘の冷徹公爵×引きこもり妖精
なんやかんやお互い幸せに暮らします。
守り守られ
ほたる
BL
主治医 望月診療所の双子医師
患者 瀬咲朔
腸疾患・排泄障害・下肢不自由
看護師
ベテラン山添さん
準主人公 成海真幌 腸疾患・排泄障害・てんかん
木島 尚久 真幌の恋人同棲中
[BL]憧れだった初恋相手と偶然再会したら、速攻で抱かれてしまった
ざびえる
BL
エリートリーマン×平凡リーマン
モデル事務所で
メンズモデルのマネージャーをしている牧野 亮(まきの りょう) 25才
中学時代の初恋相手
高瀬 優璃 (たかせ ゆうり)が
突然現れ、再会した初日に強引に抱かれてしまう。
昔、優璃に嫌われていたとばかり思っていた亮は優璃の本当の気持ちに気付いていき…
夏にピッタリな青春ラブストーリー💕
きっと必ず恋をする~初恋は叶わないっていうけど、この展開を誰が予想した?~
野々乃ぞみ
BL
渡辺 真詞(わたなべ まこと)は小さい頃から人ではないモノが見えた。
残念ながら話もできたし、触ることもできた。
様々なモノに話しかけられ、危ない目にもあってきた。
そんなとき、桜の下で巡(めぐる)に出会った。
厳しいけど優しい巡は特別な存在になった。
きっと初恋だったのに、ある日忽然と巡は消えた。
それから五年。
地元から離れた高校に入った十六歳の誕生日。
真詞の運命が大きく動き出す。
人とは違う力を持つ真詞が能力に翻弄されつつも、やっと再会した巡と恋をするけど別れることになる話。(前半)
別れを受け入れる暇もなくトレーニングが始まり、事件に巻き込まれて岬に好かれる話。(後半)
・前半 巡(人外)×真詞
・後半 岬(人間)×真詞
※ 全くの別人ではありませんが、前半と後半で攻めが変わったと感じるかもしれません。
※ キスを二回程度しかしないです。
※ ホラーではないつもりですが、途中に少し驚かすようなシーンがあります。ホラーのホの字もダメだという方は自己判断でお願いします。
※ 完結しました。遅くなって申し訳ありません。ありがとうございました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる