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聖河さんが車から降りて、ローザーさん達から迎えられる姿を見つめた。どうみても仲が良さそうで、喧嘩なんかしていそうにもない。俺達も車から降りた。そして、新年の挨拶をした。
「ローザーさん、ミカさん、あけましておめでとう」
「おめでとう!」
「おめでとうございまーーす!」
ニコッと笑っているローザーさんが聖河さんの手を引いた。どうだったの?と聞きながらだ。聖河さんは今はゆっくり出来ないんだろうと言い、込み入ったところもあったから、今度ゆっくり会った時に話すよと言った。そこで、ローザーさんが心配しているのよと言うから、俺の方から話すことにした。
「月島さんが見たのは、山岸家からの祟りではないっていうことだったよ。でも、うちのお義父さんからの念が飛んでしまって、それが返ってくるからも知れないから、天にお祈りして、そうならないようにって願ってくれたんだ。遺産相続は込み入った話しになるそうだよ。聖河さんは巻き込まれる感じがあるんだ」
「夏樹君……」
つい、俺は語気を荒げてしまった。月島さんの未来予知のことを信じているからだ。超能力だなんて信じていなかった俺だったのに、あまりに色んなことを当ててしまうから、お義父さんがこう言った。こういう人がたまにいるのだと。黒崎家では代々の当主が月島さんのような人に出会い、家族の病状のことなどを相談してきた歴史があるのだという。
それは江戸時代にまで遡るという。お義父さんは曾お祖父さんから聞いて、曾お祖父さんもおじいさんから聞いた話だそうだ。その超能力者は下駄屋さんや機織りの工場を開いている人だったということで、商品を買いに訪れたお店で心配事の話をするうちになり、実は未来予知が出来る人なのだということが分かり、いくつか家のことや今考えていることを当てられてしまい、信じるしかなくなり、あれこれと相談していたそうだ。
そして、商人だった黒崎家は海運業を始めて、お菓子を輸入するようになり、自社工場も持って、今の黒崎製菓になったそうだ。海運業を始めたのは、下駄屋さんからの勧めだったという。その人の名前は樋口さんといい、ずっと家同士の付き合いが続いていて、今は靴の卸販売の会社をやっているそうだ。
その家の息子さんは美容師さんであり、今は都内の神楽坂でヘッドスパのお店を開いているという。その人も不思議なことがあるそうで、お義父さんはいつか家のことを見てもらいたいと思っていたがタイミングが合わず、今までやってきた。
そういうわけで、いつか自分が当主の代にも未来予知が出来る人が現われると思っていたが、樋口さんとはすれ違いであり、当主が晴海さんに代わり、月島さんが現われたというわけだ。
俺が怒っている風に見えたのか、聖河さんが俺の肩を抱いた。僕なら大丈夫だと言いながら。
「ローザー君、ミカ君。そういうことなんだ。僕は内田家から学費相当分の財産を譲られるそうだが、それを父にそっくりそのまま渡すことになるそうだ。内田家が廃れていくからだそうだ。まるで僕は骨折り損のくたびれもうけだ。財産なんて、要らないけどね……」
「そうなんだよ。でも、それから後は実のお父さんとは縁が切れるって言うんだ。明日は聖河さんとお母さんが月島さんの家に訪ねていくんだ。お母さんが夢でうなされているからだよ」
「そうなのね!だったら、私も同席させてちょうだい。明日は朝から休みだから……」
「ローザー君……」
聖河さんがローザーさんからの申し出に返事を濁した。どうしたのだろうか。すると、ローザーさんが自分たちのことを言いたくないのかと言った。そこで、聖河さんが首を横に振った。
「うちの母は僕は男性が好きだと知っているよ。今迷ったのは、君への気持ちに踏ん切りが付かなくなるかも知れないと思ったからだ。僕は君のことが好きなんだ。でも、君は僕から逃げていった。恋人だって紹介したくても、出来ない。友達だっていうのには、まだ心の整理が付いていない」
「ごめんなさい。でも、私はお母さんに会わせて貰いたいの。月島さんにも。私が今日仕事じゃなかったら、黒崎さんのお宅にお伺いしたのよ」
ローザーさんが聖河さんの手を握った。そして、聖河さんが恥ずかしそうにして手を握り返したことで、俺はホッとした。そして、聖河さんの口から、もう一度、君のことが好きなんだという言葉が出てきて、胸が痛くなった。
「ローザーさん、ミカさん、あけましておめでとう」
「おめでとう!」
「おめでとうございまーーす!」
ニコッと笑っているローザーさんが聖河さんの手を引いた。どうだったの?と聞きながらだ。聖河さんは今はゆっくり出来ないんだろうと言い、込み入ったところもあったから、今度ゆっくり会った時に話すよと言った。そこで、ローザーさんが心配しているのよと言うから、俺の方から話すことにした。
「月島さんが見たのは、山岸家からの祟りではないっていうことだったよ。でも、うちのお義父さんからの念が飛んでしまって、それが返ってくるからも知れないから、天にお祈りして、そうならないようにって願ってくれたんだ。遺産相続は込み入った話しになるそうだよ。聖河さんは巻き込まれる感じがあるんだ」
「夏樹君……」
つい、俺は語気を荒げてしまった。月島さんの未来予知のことを信じているからだ。超能力だなんて信じていなかった俺だったのに、あまりに色んなことを当ててしまうから、お義父さんがこう言った。こういう人がたまにいるのだと。黒崎家では代々の当主が月島さんのような人に出会い、家族の病状のことなどを相談してきた歴史があるのだという。
それは江戸時代にまで遡るという。お義父さんは曾お祖父さんから聞いて、曾お祖父さんもおじいさんから聞いた話だそうだ。その超能力者は下駄屋さんや機織りの工場を開いている人だったということで、商品を買いに訪れたお店で心配事の話をするうちになり、実は未来予知が出来る人なのだということが分かり、いくつか家のことや今考えていることを当てられてしまい、信じるしかなくなり、あれこれと相談していたそうだ。
そして、商人だった黒崎家は海運業を始めて、お菓子を輸入するようになり、自社工場も持って、今の黒崎製菓になったそうだ。海運業を始めたのは、下駄屋さんからの勧めだったという。その人の名前は樋口さんといい、ずっと家同士の付き合いが続いていて、今は靴の卸販売の会社をやっているそうだ。
その家の息子さんは美容師さんであり、今は都内の神楽坂でヘッドスパのお店を開いているという。その人も不思議なことがあるそうで、お義父さんはいつか家のことを見てもらいたいと思っていたがタイミングが合わず、今までやってきた。
そういうわけで、いつか自分が当主の代にも未来予知が出来る人が現われると思っていたが、樋口さんとはすれ違いであり、当主が晴海さんに代わり、月島さんが現われたというわけだ。
俺が怒っている風に見えたのか、聖河さんが俺の肩を抱いた。僕なら大丈夫だと言いながら。
「ローザー君、ミカ君。そういうことなんだ。僕は内田家から学費相当分の財産を譲られるそうだが、それを父にそっくりそのまま渡すことになるそうだ。内田家が廃れていくからだそうだ。まるで僕は骨折り損のくたびれもうけだ。財産なんて、要らないけどね……」
「そうなんだよ。でも、それから後は実のお父さんとは縁が切れるって言うんだ。明日は聖河さんとお母さんが月島さんの家に訪ねていくんだ。お母さんが夢でうなされているからだよ」
「そうなのね!だったら、私も同席させてちょうだい。明日は朝から休みだから……」
「ローザー君……」
聖河さんがローザーさんからの申し出に返事を濁した。どうしたのだろうか。すると、ローザーさんが自分たちのことを言いたくないのかと言った。そこで、聖河さんが首を横に振った。
「うちの母は僕は男性が好きだと知っているよ。今迷ったのは、君への気持ちに踏ん切りが付かなくなるかも知れないと思ったからだ。僕は君のことが好きなんだ。でも、君は僕から逃げていった。恋人だって紹介したくても、出来ない。友達だっていうのには、まだ心の整理が付いていない」
「ごめんなさい。でも、私はお母さんに会わせて貰いたいの。月島さんにも。私が今日仕事じゃなかったら、黒崎さんのお宅にお伺いしたのよ」
ローザーさんが聖河さんの手を握った。そして、聖河さんが恥ずかしそうにして手を握り返したことで、俺はホッとした。そして、聖河さんの口から、もう一度、君のことが好きなんだという言葉が出てきて、胸が痛くなった。
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