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ママは俺達に話してくれたのは、今、思っている心の中のことだ。子供には強く生きていって貰いたいということだ。それは人生の先輩からの励ましと受け取れる。しかし、俺も黒崎と同じで、好きで産まれてきたのでは無いという意見には賛成している。
ママが言っているのは、あくまでも自分の希望の話だ。子供という物を持ちたくて作って産んで、強い子に育てたかったという思いだ。それを自分勝手な話だと言った黒崎は、世の中全部の親のことを言っているわけでは無くて、ママに対しての言葉だ。自分の人生において、そういうプロフィールが欲しかったのだろうと言っていた。
そこで、遠藤さんの夫妻のことを思い浮かべた。2人には子供が授からなかった。何を試してもだめだったそうだ。そして、遠藤さんの両親は亡くなっているが、まだ生きていたときに、お母さんの方から、子供のいない人生は完成ではありませんという手紙が届いたことがあるそうだ。それは、佳代子さん宛だった。佳代子さんが子供を諦めますと、遠藤さんの両親と自分の親に言ったからだった。
そこで、その手紙を持って、遠藤さんがお母さんの元を訪ねて、絶縁してきたそうだ。そして、両親が亡くなった後、葬儀は親戚が行い、佳代子さんは出ると言ったが、遠藤さんが止めて、両親のどちらの葬式にも出ていないという。
子供は親の所有物では無い。強い子に育てたいという自信を付けて満足するのは、そう育てたつもりの親であり、世間からの評価は違うことがある。とてもいい人だと思われている人がいたとして、しかし、親が癖の強い人で、縁を切っているという話を聞いたのは、遠藤さんが初めてのケースでは無い。そして、強い人だと世間の評価がある人でも、親との縁を切っているというケースもある。
親が亡くなった後で、遺骨の引き取りを拒否する子供の話を聞いたことがある。そういう時には業者に依頼して、どこかに埋葬して貰うそうだ。それがどこなのかは詳しく聞いていない。俺の父がそう言っていた。
ママが今言ったのは、二葉への思いだ。では、朝陽に対して思っていることは何だろうか。それを聞こうと思ったが、唇が動かなかった。今日は深く話を聞かずに、年始の挨拶程度にしておいて帰るのが良いだろうと思ったからだ。
すると、ママが朝陽への思いもあると言い出した。ユーリーがママのことを見つめている。そして、ママが、これで会うのが最後になるかも知れないかと言い、今言っておくと言った。
「私が朝陽に求めたのは、何もないわけじゃ無いの。あの子は優しいから、そのままで良かったのよ。二葉が優しくないわけじゃないのよ。でも、黒崎家の血を引いているってよく分かることがあったの。だから、二葉は黒崎さんのお宅で育った方が良かったのかも知れないって思っているわ。私ね、男の子だから朝陽が可愛いんじゃないのよ。男の子だから特別であって欲しいとか、優秀であって欲しいとか、女の子だから早く結婚して慎ましく働いて、夫と子供を支えてなんて考えは無いのよ。男だろうが女だろうが、どちらも同じ。産まれてきた以上は何かをして生きていかないといけない。そう思って、強くあってもらいたいと思ったの。それだけよ」
「そういうことなら納得したよ。良かったよ。女の子だから、慎ましくしていろなんて考えじゃなくてさ……」
ママの考え方に、俺の考えに共通する部分があって良かったと思った。そして、それを口にしてしまった。こういう時は何も意見を言わないようにしろと黒崎から習ってあるのに、今思っていることを正直に話してしまった。しかし、もう聞かれてしまったから、取り返しは付かない。
今、俺が言ったことはママへの同意であり、反対意見では無い。反対意見の方は言い返していない。だから、全面的に賛成されたという受け取り方をされたかも知れない。だから、黒崎が俺に言うのだろう。お前は何も話すなと。
ママが言っているのは、あくまでも自分の希望の話だ。子供という物を持ちたくて作って産んで、強い子に育てたかったという思いだ。それを自分勝手な話だと言った黒崎は、世の中全部の親のことを言っているわけでは無くて、ママに対しての言葉だ。自分の人生において、そういうプロフィールが欲しかったのだろうと言っていた。
そこで、遠藤さんの夫妻のことを思い浮かべた。2人には子供が授からなかった。何を試してもだめだったそうだ。そして、遠藤さんの両親は亡くなっているが、まだ生きていたときに、お母さんの方から、子供のいない人生は完成ではありませんという手紙が届いたことがあるそうだ。それは、佳代子さん宛だった。佳代子さんが子供を諦めますと、遠藤さんの両親と自分の親に言ったからだった。
そこで、その手紙を持って、遠藤さんがお母さんの元を訪ねて、絶縁してきたそうだ。そして、両親が亡くなった後、葬儀は親戚が行い、佳代子さんは出ると言ったが、遠藤さんが止めて、両親のどちらの葬式にも出ていないという。
子供は親の所有物では無い。強い子に育てたいという自信を付けて満足するのは、そう育てたつもりの親であり、世間からの評価は違うことがある。とてもいい人だと思われている人がいたとして、しかし、親が癖の強い人で、縁を切っているという話を聞いたのは、遠藤さんが初めてのケースでは無い。そして、強い人だと世間の評価がある人でも、親との縁を切っているというケースもある。
親が亡くなった後で、遺骨の引き取りを拒否する子供の話を聞いたことがある。そういう時には業者に依頼して、どこかに埋葬して貰うそうだ。それがどこなのかは詳しく聞いていない。俺の父がそう言っていた。
ママが今言ったのは、二葉への思いだ。では、朝陽に対して思っていることは何だろうか。それを聞こうと思ったが、唇が動かなかった。今日は深く話を聞かずに、年始の挨拶程度にしておいて帰るのが良いだろうと思ったからだ。
すると、ママが朝陽への思いもあると言い出した。ユーリーがママのことを見つめている。そして、ママが、これで会うのが最後になるかも知れないかと言い、今言っておくと言った。
「私が朝陽に求めたのは、何もないわけじゃ無いの。あの子は優しいから、そのままで良かったのよ。二葉が優しくないわけじゃないのよ。でも、黒崎家の血を引いているってよく分かることがあったの。だから、二葉は黒崎さんのお宅で育った方が良かったのかも知れないって思っているわ。私ね、男の子だから朝陽が可愛いんじゃないのよ。男の子だから特別であって欲しいとか、優秀であって欲しいとか、女の子だから早く結婚して慎ましく働いて、夫と子供を支えてなんて考えは無いのよ。男だろうが女だろうが、どちらも同じ。産まれてきた以上は何かをして生きていかないといけない。そう思って、強くあってもらいたいと思ったの。それだけよ」
「そういうことなら納得したよ。良かったよ。女の子だから、慎ましくしていろなんて考えじゃなくてさ……」
ママの考え方に、俺の考えに共通する部分があって良かったと思った。そして、それを口にしてしまった。こういう時は何も意見を言わないようにしろと黒崎から習ってあるのに、今思っていることを正直に話してしまった。しかし、もう聞かれてしまったから、取り返しは付かない。
今、俺が言ったことはママへの同意であり、反対意見では無い。反対意見の方は言い返していない。だから、全面的に賛成されたという受け取り方をされたかも知れない。だから、黒崎が俺に言うのだろう。お前は何も話すなと。
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