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14-1 アレクシスの来日
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2月21日、土曜日。午前6時。
俺は今、お義父さんの家のリビングに居る。そして、昨日、日本に到着したアレクシスさんと向かい合っている。俺は今、そのアレクシスさんを前にして、こんな人も居るのだと驚いているところだ。てっきりバーテルス家の使いということで、スーツにネクタイ姿をしているものだと思っていたら、ここに着いたときにはラフな格好で、ジーンズを履いていた。しかも、ダメージジーンズで、腰で履いているから、時々パンツが見えている状態だった。日本に入国するときはスーツを着ていたそうだが、入国審査の後で脱ぎ、今もその格好だ。
昨日の夕方に日本に到着したアレクシスさんは、当日はホテルに泊まってから翌日、この家に来ると言っていた。夜になるから悪いという遠慮からだった。そこで、お義父さんや黒崎達からの強い勧めで、到着日からこの家で泊まることになった。そして、空港にはお義父さんが迎えに行った。アレクシスさんは昨日の20時にここに到着して、数日間、滞在する予定だ。
遠慮する人。電話で話した時は伊吹に似ていると思ったが、そんなことはなくて、そういう印象を持った俺だったが、彼のラフな格好を見て、そして、昨日の晩ご飯の時から一緒に過ごして、そうでもないのだと分かってきた。アレクシスさんは今、リビングのソファーの上でヤンキー座りをして、さっきは外でタバコをふかしていたからだ。ドイツでは吸わないが、日本に来ると吸いたくなるそうだ。そして、喋っている口調は、ヤンキーそのものだ。
どうしてそうなったかというと、まだ日本に居るとき、12歳からヤンキーグループとつるむようになり、喋り方が身について、しっくりきたからだという。もちろん、丁寧な話し方も出来ることを知っている。お手伝いさん達にはそうだった。しかし、俺達の前ではそうではない。俺の名前もすでに呼び捨てだ。
「夏樹!タバコはいいもんだな」
「そう?外に行って吸うのはいいことだよ。この家では誰も吸わないからさ~」
「さっき外は寒かった。でも、吸いたくなる。お前もどうだ?」
「俺は良いよ。黒崎さんから叱られるよ。身体に悪いぞって」
「そうだなーー。お前はボーカルだもんなあ」
「ふう……」
こんなに朝早くからここに居るのは、昨夜泊まったからだ。黒崎が週刊誌の記者から宮川さんのことでインタビューを受けていたから、帰りが遅くなるからだった。取材は都内にある店で行われた。3件あった。どちらも同じ週刊誌であり、その後で別の週刊誌から取材を受けていた。
なぜ黒崎が聞かれたかというと、二葉の友達の逮捕での取材は黒崎が窓口になっていることと、宮川さんのことでは中学高校の同級生だということで、元同級生を名乗る男性から、黒崎が当時のことを知っているのだという情報が入り、二葉のことで話を聞いていた記者さんが担当するということで、取材の時間が組まれた。テーマとしては、当時の学校現場の闇という内容だ。だから、黒崎が取材を受けることにした。その記者を信頼しているからだ。
その記者の名前は村越さんという。男性だ。最初は黒崎としては断るという方向で考えていた。自分には子供が居ないから、そんな自分に何が分かるのかという理由だった。
しかし、村越さんとしては国会議員のおじいさんの振る舞いと、宮川さんがボールをぶつけたことを不問にしたと言える当時の担任教師の判断に疑問を抱き、また、宮川さんがこの間、警察官に暴行したことで逮捕されたとき、押しただけだと供述したことでも疑問があり、村越さんとしては、当時中学生だった子供達が親になる年齢を迎え、今教育現場で起きていることと検証して記事を書きたいという事だった。そこで、黒崎が引き受けた。何か役に立つことがあればという思いからだ。
ボールは当たっただけ、交通事故でも当たっただけ、金槌を振り回した息子が壊したクラスメイトの防犯ブザーも当たっただけ、そして、警察官の身体を何度も強く押したのは、押しただけ。そんな今までのことを刑事さんに話しているという宮川さんは麻薬の影響で精神が混乱し、数日間、入院をすることになった。その間も黒崎は会えない。彼としては、本気でこう言いたいそうだ。しっかりしろと。
逮捕された時に宮川さんは黙秘していたそうだが、最近になって、こういうことを言うようになったそうだ。僕にお父さんがいれば完璧だった。僕はクラスで一番の成績を取ったこともあるし、クラス中では一番身体が大きかった。そんな僕にどうしてお父さんがいないのかと。そして、息子が壊した防犯ブザーのことを刑事さんから聞かれると、謝る気は無いのだと言ったのだという。そこで、精神鑑定を受けることになったそうだ。そう報道されていた。
そこで、かつての同級生達からはこんな声が上がっているそうだ。片親だということで、片親だからあなたの子はこんなことをするんじゃないですかと、クラスメイトと喧嘩をした生徒の親が学校に呼び出されて、担任教師からそう言われた経験があるという声だ。宮川さんとは反対だと言いたいそうだ。
俺は今、お義父さんの家のリビングに居る。そして、昨日、日本に到着したアレクシスさんと向かい合っている。俺は今、そのアレクシスさんを前にして、こんな人も居るのだと驚いているところだ。てっきりバーテルス家の使いということで、スーツにネクタイ姿をしているものだと思っていたら、ここに着いたときにはラフな格好で、ジーンズを履いていた。しかも、ダメージジーンズで、腰で履いているから、時々パンツが見えている状態だった。日本に入国するときはスーツを着ていたそうだが、入国審査の後で脱ぎ、今もその格好だ。
昨日の夕方に日本に到着したアレクシスさんは、当日はホテルに泊まってから翌日、この家に来ると言っていた。夜になるから悪いという遠慮からだった。そこで、お義父さんや黒崎達からの強い勧めで、到着日からこの家で泊まることになった。そして、空港にはお義父さんが迎えに行った。アレクシスさんは昨日の20時にここに到着して、数日間、滞在する予定だ。
遠慮する人。電話で話した時は伊吹に似ていると思ったが、そんなことはなくて、そういう印象を持った俺だったが、彼のラフな格好を見て、そして、昨日の晩ご飯の時から一緒に過ごして、そうでもないのだと分かってきた。アレクシスさんは今、リビングのソファーの上でヤンキー座りをして、さっきは外でタバコをふかしていたからだ。ドイツでは吸わないが、日本に来ると吸いたくなるそうだ。そして、喋っている口調は、ヤンキーそのものだ。
どうしてそうなったかというと、まだ日本に居るとき、12歳からヤンキーグループとつるむようになり、喋り方が身について、しっくりきたからだという。もちろん、丁寧な話し方も出来ることを知っている。お手伝いさん達にはそうだった。しかし、俺達の前ではそうではない。俺の名前もすでに呼び捨てだ。
「夏樹!タバコはいいもんだな」
「そう?外に行って吸うのはいいことだよ。この家では誰も吸わないからさ~」
「さっき外は寒かった。でも、吸いたくなる。お前もどうだ?」
「俺は良いよ。黒崎さんから叱られるよ。身体に悪いぞって」
「そうだなーー。お前はボーカルだもんなあ」
「ふう……」
こんなに朝早くからここに居るのは、昨夜泊まったからだ。黒崎が週刊誌の記者から宮川さんのことでインタビューを受けていたから、帰りが遅くなるからだった。取材は都内にある店で行われた。3件あった。どちらも同じ週刊誌であり、その後で別の週刊誌から取材を受けていた。
なぜ黒崎が聞かれたかというと、二葉の友達の逮捕での取材は黒崎が窓口になっていることと、宮川さんのことでは中学高校の同級生だということで、元同級生を名乗る男性から、黒崎が当時のことを知っているのだという情報が入り、二葉のことで話を聞いていた記者さんが担当するということで、取材の時間が組まれた。テーマとしては、当時の学校現場の闇という内容だ。だから、黒崎が取材を受けることにした。その記者を信頼しているからだ。
その記者の名前は村越さんという。男性だ。最初は黒崎としては断るという方向で考えていた。自分には子供が居ないから、そんな自分に何が分かるのかという理由だった。
しかし、村越さんとしては国会議員のおじいさんの振る舞いと、宮川さんがボールをぶつけたことを不問にしたと言える当時の担任教師の判断に疑問を抱き、また、宮川さんがこの間、警察官に暴行したことで逮捕されたとき、押しただけだと供述したことでも疑問があり、村越さんとしては、当時中学生だった子供達が親になる年齢を迎え、今教育現場で起きていることと検証して記事を書きたいという事だった。そこで、黒崎が引き受けた。何か役に立つことがあればという思いからだ。
ボールは当たっただけ、交通事故でも当たっただけ、金槌を振り回した息子が壊したクラスメイトの防犯ブザーも当たっただけ、そして、警察官の身体を何度も強く押したのは、押しただけ。そんな今までのことを刑事さんに話しているという宮川さんは麻薬の影響で精神が混乱し、数日間、入院をすることになった。その間も黒崎は会えない。彼としては、本気でこう言いたいそうだ。しっかりしろと。
逮捕された時に宮川さんは黙秘していたそうだが、最近になって、こういうことを言うようになったそうだ。僕にお父さんがいれば完璧だった。僕はクラスで一番の成績を取ったこともあるし、クラス中では一番身体が大きかった。そんな僕にどうしてお父さんがいないのかと。そして、息子が壊した防犯ブザーのことを刑事さんから聞かれると、謝る気は無いのだと言ったのだという。そこで、精神鑑定を受けることになったそうだ。そう報道されていた。
そこで、かつての同級生達からはこんな声が上がっているそうだ。片親だということで、片親だからあなたの子はこんなことをするんじゃないですかと、クラスメイトと喧嘩をした生徒の親が学校に呼び出されて、担任教師からそう言われた経験があるという声だ。宮川さんとは反対だと言いたいそうだ。
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