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すると、黒崎のスマホに電話が掛かってきた。お義父さんからだという。何かあったのだろうか。さっそく黒崎が電話に出ると、笑い声を立て始めた。
「そうか。秘書に届けさせるわけにはいかないな。俺が行く。夏樹をそっちで預かってくれ」
「黒崎さん。どうしたの?」
「ああ。お前が持っていた饅頭の土産の紙袋の中に、DVD2枚が入っていたそうだ。お前の仕事のやつだろう」
「あ……。そうだった!」
一瞬で背中が冷えた。黒崎の車の中で観ようと思って持ってきた動画集だ。主にレコーディングスタジオの中での光景と、未公開音源が入っている。久弥からは取扱注意だと言われていた。それなのに、あの紙袋の中に入れてしまっていた。お饅頭の箱を渡せば良いのに、袋ごと渡したからだ。緊張していたのは言い訳になる。一刻も早くDVDを取りに行かないといけない。
「夏樹。学長から親父に連絡が入って分かったことだ。向こうの秘書がここへ届けに来てくれるというが、そういうわけにはいかない。俺が取りに行って来る。お前は親父の家で留守番をしていろ」
「今回は俺のミスだよ。俺が行かないといけないよ。そういうルールだろ?」
「ああ、そういうルールだ。しかし、お前は歯を抜いた後だ。静かにしていろ」
「だめだよ。仕事のやつだもん。俺、一緒に行くよ」
「そうか。仕方が無い。……親父。俺と夏樹で学長室まで取りに行って来る。学長の携帯番号を教えてくれ。俺の分も伝えておいてくれ。連絡する。ああ、頼む。今から支度をする。あんたも来るのか?そうか。来るのか。一貴は仕事だろう。……なんだって?ユーリーが来るのか。いいのか?仕事中だろ。そうか。あの大学の記念講演を観に行きたいのか。下見という口実にするのか。そうか。学食に行きたいのか。また今村さんに案内させるのは悪い。俺と夏樹で行く。ん?……今回のことで打ち解けたのか。分かった。一緒に行こう」
「あーーーあ……」
俺は落ち込んでしまった。黒崎が電話をしている間に、長谷部さんにラインを送った。これからDVDを取りに学長室へ行くのだと。すると、電話が掛かってきて、IKUからもお土産を渡すということを伝えるようにと言われた。
「もしもし。長谷部さん。分かった。伝えるよ」
「学長室ではお行儀良くね。あなたのことだから心配はしていないけど……。久弥君には私から伝えるわ。学長先生のところで忘れ物で良かったわね。トラブルにはならないわ。見たところでどうって事はないなんて思ってはいけないわよ。大事な資料なんだから」
「分かっているよ。じゃあ、あ、痛みの方は大丈夫だからね」
「良かったわ。じゃあ」
「うん。後で連絡するよ」
プツ。長谷部さんとの電話を終えた。ちょうど黒崎も電話が終わっていた。黒崎の話によると、お義父さんも一緒に来るそうだ。ただし、一貴さんは今から仕事の会議が入っていて、部屋の中から参加するという。だから、行けない。そこで、お義父さんの付き添いということで、ユーリーが行くことになった。ちょうど記念講演を聴きたかったから、下見で大学に行きたかったのだという。またぞろぞろと押しかけることになるが、学長は大丈夫だそうだ。ちょうど今日は予定が空いていて、ずっと学長室にいるそうだ。今回の忘れ物のことでお義父さんが学長と打ち解けて、また会いたくなったそうだ。
「そっか。お義父さんの友達作りだね。協力できたようで良かったよ」
「そうだ。そう思って良い。そんなに落ち込むな。向こうはこっちが困っているだろうと言っていたそうだ。そこで、今日中に秘書に届けさせると言ってもらえた」
「それは悪いもんね。俺、身体は大丈夫だからさ。今度は大学の中をゆっくり回れる感じじゃないかな?」
「その通りだ。午前中は学長室を訪ねて社交するという名目だったからな。朝陽に伝えておく」
「うん。後で先生から聞いて驚いてもいけないもんね」
すぐに俺達は出かける支度を始めた。アンはお義父さんの家に預けに行く。そこで、お義父さん達と合流だ。また何かお土産が必要だと思ったから、駅のそばの卵サンドを買っていくことにした。軽食に良いだろう。事務室の人達が食べられる。さっそく俺は店に予約を入れて、また支度を始めた。
「そうか。秘書に届けさせるわけにはいかないな。俺が行く。夏樹をそっちで預かってくれ」
「黒崎さん。どうしたの?」
「ああ。お前が持っていた饅頭の土産の紙袋の中に、DVD2枚が入っていたそうだ。お前の仕事のやつだろう」
「あ……。そうだった!」
一瞬で背中が冷えた。黒崎の車の中で観ようと思って持ってきた動画集だ。主にレコーディングスタジオの中での光景と、未公開音源が入っている。久弥からは取扱注意だと言われていた。それなのに、あの紙袋の中に入れてしまっていた。お饅頭の箱を渡せば良いのに、袋ごと渡したからだ。緊張していたのは言い訳になる。一刻も早くDVDを取りに行かないといけない。
「夏樹。学長から親父に連絡が入って分かったことだ。向こうの秘書がここへ届けに来てくれるというが、そういうわけにはいかない。俺が取りに行って来る。お前は親父の家で留守番をしていろ」
「今回は俺のミスだよ。俺が行かないといけないよ。そういうルールだろ?」
「ああ、そういうルールだ。しかし、お前は歯を抜いた後だ。静かにしていろ」
「だめだよ。仕事のやつだもん。俺、一緒に行くよ」
「そうか。仕方が無い。……親父。俺と夏樹で学長室まで取りに行って来る。学長の携帯番号を教えてくれ。俺の分も伝えておいてくれ。連絡する。ああ、頼む。今から支度をする。あんたも来るのか?そうか。来るのか。一貴は仕事だろう。……なんだって?ユーリーが来るのか。いいのか?仕事中だろ。そうか。あの大学の記念講演を観に行きたいのか。下見という口実にするのか。そうか。学食に行きたいのか。また今村さんに案内させるのは悪い。俺と夏樹で行く。ん?……今回のことで打ち解けたのか。分かった。一緒に行こう」
「あーーーあ……」
俺は落ち込んでしまった。黒崎が電話をしている間に、長谷部さんにラインを送った。これからDVDを取りに学長室へ行くのだと。すると、電話が掛かってきて、IKUからもお土産を渡すということを伝えるようにと言われた。
「もしもし。長谷部さん。分かった。伝えるよ」
「学長室ではお行儀良くね。あなたのことだから心配はしていないけど……。久弥君には私から伝えるわ。学長先生のところで忘れ物で良かったわね。トラブルにはならないわ。見たところでどうって事はないなんて思ってはいけないわよ。大事な資料なんだから」
「分かっているよ。じゃあ、あ、痛みの方は大丈夫だからね」
「良かったわ。じゃあ」
「うん。後で連絡するよ」
プツ。長谷部さんとの電話を終えた。ちょうど黒崎も電話が終わっていた。黒崎の話によると、お義父さんも一緒に来るそうだ。ただし、一貴さんは今から仕事の会議が入っていて、部屋の中から参加するという。だから、行けない。そこで、お義父さんの付き添いということで、ユーリーが行くことになった。ちょうど記念講演を聴きたかったから、下見で大学に行きたかったのだという。またぞろぞろと押しかけることになるが、学長は大丈夫だそうだ。ちょうど今日は予定が空いていて、ずっと学長室にいるそうだ。今回の忘れ物のことでお義父さんが学長と打ち解けて、また会いたくなったそうだ。
「そっか。お義父さんの友達作りだね。協力できたようで良かったよ」
「そうだ。そう思って良い。そんなに落ち込むな。向こうはこっちが困っているだろうと言っていたそうだ。そこで、今日中に秘書に届けさせると言ってもらえた」
「それは悪いもんね。俺、身体は大丈夫だからさ。今度は大学の中をゆっくり回れる感じじゃないかな?」
「その通りだ。午前中は学長室を訪ねて社交するという名目だったからな。朝陽に伝えておく」
「うん。後で先生から聞いて驚いてもいけないもんね」
すぐに俺達は出かける支度を始めた。アンはお義父さんの家に預けに行く。そこで、お義父さん達と合流だ。また何かお土産が必要だと思ったから、駅のそばの卵サンドを買っていくことにした。軽食に良いだろう。事務室の人達が食べられる。さっそく俺は店に予約を入れて、また支度を始めた。
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